パナソニック、フルHD・3D対応50型PDPの発表会を開催
-2010年商品化に向け大きく前進。大型化と中小型化も
3D映像の視聴に利用する高精度アクティブシャッターメガネ |
同社では、103型PDPと、Blu-rayプレーヤーによる試作品を公開していたが、これをさらに進化させ、ホームシアターのボリュームゾーンとして期待される50型で3D化を実現した。
パナソニックが開発したフルHD 3D対応50型PDP |
パナソニック 常務役員 AVCネットワークス社 上席副社長 宮田賀生氏 |
AVCネットワークス社技術統括センター高画質高音質開発センター所長 宮井宏氏は、「本物の3D画質を実現するには、高臨場感、劇場品位の奥行き感、実物の質感およびリアリティが求められる。PDPは、大画面化が容易で、漆黒の黒の表現、伸びのある輝きに代表される白の表現に優れており、高いコントラストを実現できる。3D映像にはプラズマが最適であり、プラズマならではの高速表示性能を生かした新開発の超高速表示技術によって、二重像を最小化することができた。さらに、消光比1000:1以上という漏れ光を最小限に抑制した高遮断特性を持ち、不要光を遮断する高精度タイミング制御技術を採用したアクティブシャッターメガネを採用することにより、さらに二重像を最小化した」という。
パナソニック AVCネットワークス社技術統括センター高画質高音質開発センター所長 宮井宏氏 |
パナソニックでは、NeoPDP ecoパネルによる高発光効率技術を生かすとともに、電子放出特性と壁電保持機能を両立した新素材による新ダイナミックブラックレイヤーおよび120Hz高速駆動を可能にする新LSIの採用によって短い時間でも明るさを確保できる高速駆動技術を実現したほか、残光時間を従来比3分の1とした新蛍光体の開発やパネル発光重心位置を制御し、残光の少ないパネル発光とする高速インパルス表示により、左右の映像間の二重像を低減できる二重像低減技術を実現。
パナソニック 上席理事 AVCネットワークス社主席技監 佐藤陽一氏 |
パナソニックでは、2008年10月のCEATEC 2008でフルHD×2ch方式の3D映像システムを提案。2009年1月のCESでBlu-ray 3Dタイトルオーサリングセンターをハリウッドに発足したことを発表。4月のNAB 2009においては、プロ用3D制作機器の開発に着手すると発表するなど、3Dに対する取り組みを加速してきた。
なお、今回発表したフルHD・3D対応50型PDPおよび、高精度アクティブシャッターメガネは、10月6日から千葉市の幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2009のパナソニックブースで展示される。
(2009年 9月 28日)
[Reported by 大河原克行]