コーレル、CUDAやCorei7に最適化した動画編集ソフト
-BD対応のVideoStudio最上位。モザイク処理も対応
コーレルは、Blu-ray Discオーサリングにも対応したビデオ編集ソフト「Corel VideoStudio」シリーズの2製品を発売する。
最上位バージョンの「Ultimate X3」と、Ultimate X3から一部のフィルタなどを省いた「Pro X3」を用意。いずれもダウンロード版は3月9日より、パッケージ版は4月16日より発売する。対応OSはWindows XP/Vista/7。64bit版OSについてはネイティブサポートではなく32bit WOW(Windows on Windows) modeでの動作となるが、問題なく使用できるとしている。
製品 | 価格 | |||||
パッケージ版(4月16日発売) | ダウンロード版(3月9日発売) | |||||
通常版 | 特別優待版 (乗り換え版) | アップグレード版 | アカデミック版 | 通常版 | アップグレード版 | |
VideoStudio Ultimate X3 | 20,790円 | 15,540円 | 12,390円 | 16,800円 | 12,800円 | |
VideoStudio Pro X3 | 15,540円 | 10,290円 | 8,379円 | 8,190円 | 12,800円 | 7,980円 |
Blu-rayオーサリングにも対応したビデオ編集ソフトの最新版。両バージョンの主な違いは搭載するフィルタの種類で、入出力対応ファイルの種類など、その他の仕様はほぼ共通。
新たに、動画変換時などのハードウェアアクセラレーションに対応。NVIDIAのCUDAをサポートしたほか、Intel Core i7の動作に最適化。なお、AMDのCPU利用時でも、Intelの場合と同様にコア数に比例した処理能力の向上が見込めるという。
同社テストでは、フルHDで10分の長さのAVCHDを編集後、同じくフルHDのAVCHDで書き出す場合(スマートレンダリング無し)、CUDA対応のビデオカードなどを使うことで、従来バージョンであるVideoStudio 12に比べ1/4の時間で変換が行なえたという。また、Ultimateのバージョンには、GPUの処理能力を活用することでフィルター処理の高度なカスタマイズが行なえる「Corel FX」も搭載している。
そのほかの新機能として、HDVやAVCHDカメラから、動画とともに撮影日情報も取り込み可能になった。取り込んだ撮影日はタイトルトラックに収められ、サイズやフォントの変更、エフェクトの追加も可能。また、編集タブ内に、動画/静止画のキャプチャや読み込みが行なえるショートカットを追加し、操作性の向上を図っている。
ユーザーインターフェイスも改善され、入力から書き出しまでのステップを従来の7段階から3段階に簡略化。「編集」の項目内でトランジションやタイトル、オーディオなどの切り替えを自由に行なえるようにした。オーディオトラックは新たに2トラック追加され、計4トラック利用できるようになった。
また、テンプレートを選んで、作品例の中にある動画を使いたいファイルに置き換えられる「インスタントプロジェクト」機能も搭載。従来は、ファイルを置き換えるとエフェクトなどにズレが生じることがあったが、Ctrlキーを押しながらドラッグしてファイルを置き換えることにより、元のエフェクトを活かしたまま動画クリップのみ差し替えられるようになった。
さらに、テンプレートやフォント、テキストアニメーションなど利用できるエフェクトがアップデートなどで増えた場合に、ユーザーに通知する「コンテンツボタン」も採用した。そのほか、タイムラインのコピー&ペーストにも対応し、複数クリップにまたがる同時コピーも可能。ビデオ/オーディオフィルタやトランジションなども同時に適用できる。
エフェクト面では、スケッチして色を塗るような描画効果の「オートスケッチフィルター」や、タイトルトラックへのビデオフィルタの適用に対応した。
また、Ultimateには、56種類のNewBlue製フィルターを搭載。「部分モザイク」では特定の場所にモザイクを掛けて、時間軸に合わせてモザイクの場所を移動させることが可能。意図せず映りこんだ人物や、車のナンバープレートなどを隠すのに最適としている。PinP(子画面表示)では、新たに枠つきの表示や移りこみ表示といったエフェクトも加えられている。オーディオフィルタは6種類追加されている。
オーサリング機能では、新たにBDMVをサポート。UltimateではBD-Jにも対応している。BD書き出し時には、従来のMPEG-2に加え、MPEG-4 AVC/H.264出力も可能になった。動画サイトへのアップロードでは、YouTubeに加え、Vimeo(英語サイトのみ)にも可能。いずれのサイトにおいても、4:3と16:9から選んでアップロードできる。また、iPhoneやPSP、スマートフォン向けの出力メニューも用意している。
入出力対応フォーマットはUltimate/Proでほぼ共通。入力はAVI、MPEG-1/2/4、M2TS、BDMV、QuickTime、WMV、DVR-MS、MOD、TOD、3GPP、3GPP2、DivX、RealVideoなどに対応する。出力はAVI、MPEG-2/4、H.264、QuickTime、RealMedia、WMV、BDMV、FLV、3GPP、3GPP2など。
■ 10年連続国内シェア1位。最高5,000円のキャッシュバックも
コーレル日本法人の堺和夫社長は、デジタルカメラでも高品位な動画が撮影できる製品が増えたことに触れ、「静止画と動画がデジタルカメラ、ビデオカメラの両方で撮れるようになり、それをどうやって楽しむかが我々のサポートできること。特に、映像に詳しくない人にも簡単に編集やシェアができることがメリット」と新製品をアピールした。
また、同社調べではVideoStudioの国内シェアが10年連続で1位であることから、今後も「ユーザー視点」で製品を作り続ける姿勢を強調。同社サイトには「ご意見箱」が設けられ、エンドユーザーの意見を製品に反映するという。
堺氏は、一度買うことで、後でテンプレートを追加したり、その後の新しいカメラ製品にも対応するといった「2度おいしい」製品を目指すとし、「ただ(新技術に)対応するだけでなく、少しずつ“味”、“色”をつけていくことが我々の役目」と述べた。
なお、前述の10年連続シェアNo.1を記念したキャッシュバックキャンペーンを4月16日~9月15日に実施。VideoStudio、または同日に発表された静止画編集ソフト「Paint Shop Photo Pro X3」を購入すると、抽選で毎月100名に2,000円キャッシュバックされる。また、対象製品を2本買った場合は、5,000円のキャッシュバックが100名に当たる。ダウンロード版/パッケージ版両方が対象で、応募は専用サイトで受け付ける。
(2010年 3月 9日)
[AV Watch編集部 中林暁]