パイオニア、iPhone/touchから制御できるAVアンプ
-HDMI 1.4aで3Dにも対応。5~10万円の3機種
VSA-920 |
7.1chの2機種は、iPhoneやiPod touchにインストールした専用アプリから、LAN経由で様々な操作ができるのが特徴。ほかにも、PQLS(2ch対応)など、様々な機能が盛り込まれている。3機種の機能差は下表の通り。
仕様 | モデル名 | 機能 | 価格 |
7.1ch | VSA-1020 | フェイズコントロール サウンドレトリバー・ALC マルチ PQLS(2ch対応) iPhoneリモート Bluetooth対応可能 インターネットラジオ | 108,000円 |
7.1ch | VSA-920 | 84,000円 | |
5.1ch | VSX-820 | フェイズコントロール サウンドレトリバー 2ch Bluetooth対応可能 | 49,800円 |
VSA-1020 | VSA-920 | VSX-820 |
■ iControlAV
iControlAVのメイン画面 |
アプリとAVアンプは1対1での接続となる。アプリの機能は大きく分けて「CONTROL」、「PRECISION」、「EMPHASIS」、「BALANCE」がある。「CONTROL」を選ぶと、アンプのボリュームツマミを再現したビジュアルが表示され、それを指でクルクルと回転させることで、ボリューム増減が可能。ミュートもできるほか、入力切替も目的のものをタップする事で可能。サラウンドモード選択、ゾーン選択、現在の音声/映像ステータスの確認も行なえる。
入力切替画面。ダイレクトに選択出来る | ボリュームコントロール画面。アンプのボリュームツマミを模した表示をタッチパネルでクルクルと操作する | 現在の音声/映像などの詳細情報も確認できる |
また、パイオニアの対応BDプレーヤーの操作にも対応。こちらの機能は、同日発表のプレーヤー新モデルの記事で詳しく紹介しているが、再生/停止などの基本操作に加え、カーソル操作、ポップアップ/トップメニュー表示なども自在にiPhone/iPod touchから操作できる。
「PRECISION」では、PQLSやフェイズコントロールのON/OFFができるほか、これらの機能の説明ムービーが鑑賞できる。「BALANCE」を選ぶと、画面上にボールが登場。iPhone/iPod touchの加速度センサーを使い、ゲームのように本体を傾けてボールを転がすと、リスニングポイントが前後左右にリニアに変化する機能となっている。
フェイズコントロールの切り替え画面 | 動画で、その機能の解説を見る事もできる |
「EMPHASIS」は低域強調やセンターチャンネルのセリフ音量を直感的に調整できる機能。iPhone/iPod touchを前後に倒すように傾けると、ウーファやセンタースピーカーが近づいたり離れたりして、グラフィカルに調整量を確認できる。ウーファの場合、手前に倒して低域強調量を増やしていくと、iPhone/iPod touchの画面を突き破ってウーファが飛び出てくるようなアニメーションになるなど、遊心溢れるアプリとなっている。なお、従来のAVアンプで同機能を、ファームアップなどで対応する予定は無いという。
セリフの音量をiPhone/touchを傾ける事で調節可能 | ウーファの強調も本体の方向けで調整 | ウーファをあまりにも近づけると(強調し過ぎると)、フロントガラスを突き破るアニメーションになる |
■ その他のiPhone/iPod連携機能
3機種いずれも、パイオニアAVアンプの特徴である、iPod/iPhoneとのデジタル接続に対応。フロントのUSB端子でiPod/iPhoneと接続すると、内部の音楽ファイルをデジタルデータのまま取り出し、アンプ側で処理し、高音質な再生ができる。
また、映像の入力&表示にも対応。USBの隣にコンポジット映像入力を備え、付属の「USB with Video」ケーブルを使い、映像も伝送できる。
さらに「VSA-1020」と「VSA-920」は、「Cover List」機能も追加。複数のアルバムアートをAVアンプのGUI画面に表示できるようになり、より直感的にiPod/iPhone内の楽曲を検索できるようになった。
■ HDMI 1.4a対応で3Dサポート
VSX-820 |
また、「VSA-1020」と「VSA-920」は、対応プレーヤーとのHDMI接続時に、HDMI伝送のジッタを最小化する、独自の「PQLS(Precision Quartz Lock System)」に対応。ただし、CD音声(2chのみ)のサポートで、BD映画のマルチチャンネル音声のPQLS伝送には対応していない。また、1020のみ、上位モデルの「SC-LX82」に搭載されている高精度PLL「ジッターリダクション回路」を装備。全てのデジタル入力に対して、ジッタと位相ノイズを低減できる。
VSX-820付属のリモコン |
なお、「VSA-1020」と「VSA-920」では、Bluetoothの再生音を向上させる「Sound Retriever AIR」も搭載。圧縮された際に失われた音のイントネーション感と、ボリューム感の補正と、伝送時に発生するノイズによるSN比の劣化を10dB以上改善するという技術を組み合わせている。
「VSA-1020」と「VSA-920」は、インターネットラジオ受信も可能。手動でプリセットを作る事もできる(最大24局)。
VSX-820の背面 | VSA-1020の背面 |
全機種が「ドルビープロロジックIIz」に対応。7.1chの「VSA-1020」と「VSA-920」では、フロントワイドスピーカーを使ったオリジナルサラウンドモードも使用可能になった。フロントの動き感をアップさせるという「ワイドサラウンドMovie」と、フロントの広がり感をアップさせる「ワイドサラウンドMusic」を用意。
スケーリングやIP変換も柔軟に行なえるようになった |
「VSA-1020」と「VSA-920」では、ビデオアップスケーリング/ダウンスケーリング機能も強化。従来モデルでは1080iや720pの入力映像を1080pに変換できなかったが、新モデルではアップスケーリングやIP変換機能を使い、柔軟な変換が可能になった。また、従来モデルのスケーリングはアナログのみ対応でHDMIはスルーしていたが、新モデルではHDMIの1080p映像なども、1080iや720p、480i/pなどにダウンスケーリング/IP変換できる。
VSA-920/1020は、デジタル・アナログ信号経路の最短化や、各回路の電源の伝送経路や配線パターンなどの見直しをする事で、信号ロスやノイズの極小化を実現。冷却ファンも省き、静音・制振性も高めている。
1020の内部 |
VSA-920/1020はほかにも、HDMI CEC機能に対応。スタンバイ状態でのパススルーにも対応する。HDMIリンクのサポートは、パナソニック、日立、シャープ、東芝に対応。テレビのリモコンから電源ON/OFF、音量調整、入力切替ができる。
モデル名 | VSA-1020 | VSA-920 | VSX-820 |
パワーアンプ チャンネル数 | 7 | 7 | 5 |
定格出力(8Ω時) | 105W/ch | 105W/ch | 95W/ch |
最大出力(6Ω時) | 170W/ch | 170W/ch | 160W/ch |
HDMI | 6入力 1出力 | 4入力 1出力 | 4入力 1出力 |
AV入力 | 4 | 5 | 5 |
音声入力 | 2 | 2 | 2 |
オーディオプリアウト | サブウーファ | サブウーファ | サブウーファ サラウンドバック フロントハイト |
前面入力 | HDMI、USB、 コンポジット(iPod/iPhone用) | アナログ音声、USB、 コンポジット(iPod/iPhone用) | アナログ音声、USB、 コンポジット(iPod/iPhone用) |
LAN端子 | ◯ | ◯ | - |
ネットラジオ | ◯ | ◯ | - |
マルチゾーン対応 | ゾーン2 (音声/映像) | ゾーン2 (音声) | - |
ビデオコンバータ | ◯ | ◯ | - |
ビデオスケーラ | ◯ | ◯ | - |
MCACC | アドバンスド | アドバンスド | オート |
消費電力 | 245W | 245W | 245W |
待機時消費電力 | 0.4W | 0.4W | 0.5W |
外形寸法 | 420×379×158mm | 420×379×158mm | 420×347.7×158mm |
重量 | 10.2kg | 10.1kg | 9.1kg |
(2010年 4月 20日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]