スカパーとソニー、「2010FIFAワールドカップ」を3D放送

-6月19日、日本VSオランダ戦生中継で3Dチャンネル開局


スカパーJSAT 田中執行役員(左)、ソニー3D&BDプロジェクトマネジメント部門 島津部門長

6月19日放送開始


 スカパーJSATは、6月11日に開幕する「2010FIFAワールドカップ南アフリカ」の日本対オランダ戦や決勝戦の生中継など、25試合の放送を「スカパー! HD」および「スカパー!光」で3D放送する。

スカチャン 3D169の概要

 ソニーが冠スポンサーとして「Sony Presents 『2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ 3D』」と題して放送する。スカパー!はワールドカップの全64試合ハイビジョン生中継を行なうが、スカパー! HDとスカパー! 光では全試合中25試合を3Dで放送する。

 この3D放送に使用する映像は、ソニーがFIFAと共同で3D映像化するもので、撮影や製作には、カメラや中継車を始めとするソニー製3D対応放送業務機器を使用。ソニーでは、6月の3D対応BRAVIA発売にあわせて、3Dコンテンツの充実を図り、家庭での新たな映像体験を実現していくという。

 放送は、スカパー!で新たに開始する3D専門チャンネル「スカチャン 3D169」で展開。6月19日に開局し、オープニングプログラムとして、日本VSオランダ戦の3D生中継を実施する。さらに決勝戦も3D生中継する予定。

放送カード一覧。6月19日の日本VSオランダと、決勝戦は3D生中継「2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ 3D」の放送概要

 放送方式はサイドバイサイドで、受信のためにはスカパー! HDもしくはスカパー!光のチューナが必要で、各サービスのチャンネル、パックセットへの加入が必要となる。テレビはソニーの3D対応BRAVIAのほか、各社の3D対応製品で視聴可能となっている。

FIFAワールドカップの映像を3Dで放送3D対応BRAVIAとスカパー! HDチューナ、スカパー!光チューナを使って、3D視聴が可能に

 


■ 3Dで「生中継」。BRAVIA発売に合わせて展開

スカパーJSAT 田中晃執行役員専務

 スカパーJSATの田中晃執行役員専務は、スカパーにおいて、全試合をハイビジョン中継することや20試合はスカパー独占放送となると説明。FIFAワールドカップの放送コンセプトを「世界標準で見よう!」に設定し、コメンテーターに前日本代表監督のイビチャ・オシム氏を起用するなどの取り組みを紹介した。

 3Dについては、「期間中は、スカパーで『ワールドカップざんまい』を楽しんでいほしいが、さらに新しい体験として、ソニーと共同で「3D」放送を始める。ホスト局のHBSがソニーの技術力を駆使して撮影する25試合を、3Dで展開する」と説明し、放送開始を6月19日の日本 VS オランダ戦の生中継としたことを紹介した。

 田中氏は、「ソニーはFIFAオフィシャルパートナーとしてチャレンジングに取り組んでいる。実現に感謝したい。スカパー!のWカップは2Dはオシムの解説で世界標準を、3Dでは全く新しいWカップの姿を味わってほしい」と3D放送の魅力をアピールした。

ソニー 3D&BDプロジェクトマネジメント部門 島津彰 部門長

 ソニー 3D&BDプロジェクトマネジメント部門の島津彰 部門長は、ソニーの3Dの取り組みを「Lends to Living Room」というキーワードで紹介。NABで発表した「撮影」、「補正」、「編集」、「ビューイング(表示)」などの各段階での3D映像制作ソリューションを説明し、スカパーも導入している3Dマルチイメージプロセッサ「MPE-200」などの概要を説明した。

 また、FIFAのオフィシャルパートナーとして、今回ソニーがFIFAに働きかけることで、25試合の3D映像化が実現することとなったとし、こうした映像をソニーのショールームやソニースタイルストアなど4,000箇所で3D上映するほか、ダイジェスト版のBDビデオを発売することを説明。その上で島津氏は、「そうはいってもやはり、『放送』では『ライブ』をやりたい。しかし、ソニーは放送の権利を持っているわけではない。今回、日本ではスカパーと協力し、今回実現できることになった」と語った。

 なお、日本以外では、米国でESPNが3D放送を実施。さらに、韓国とスペインでも3D放送を予定しているという。

 6月10日の3D BRAVIA「KDL-46LX900/40LX900」の発売にあわせ、19日から3Dの放送を開始。今後、3D対応テレビとともにレコーダやプレーヤーでの対応も進めていく。

 また、今後の3D放送の展開については、「サッカーなどスポーツが多くなると思うが、音楽や競馬、自然環境などもやっていきたい(スカパーJSAT 田中執行役員)」とした。

ソニーの3Dへの取り組みソニーの3D映像ソリューションソニーの働きかけで、FIFAが3D撮影に対応

(2010年 4月 20日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]