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新AQUOSブルーレイが、最大128GBの新規格「BDXL」対応

−100GB BD-Rは実売5,000円。「大容量で新市場を」


7月30日発売

標準価格:オープンプライス


 シャープは7月30日に発売するBlu-rayレコーダ「AQUOSブルーレイ」の「BD-HDW700」、「BD-HDW70」2モデルが、最大容量128GBのBlu-ray Disc大容量規格「BDXL」に対応すると発表した。

BDXL対応の「BD-HDW700」

 あわせてBDXL対応の3層/100GB BD-Rメディア「VR-100BR1」も30日に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5,000円前後。BDXL対応機器、メディアの発売は世界初となる。

 BDXL(High Capacity Recordable and Rewritable discs)は、大容量の追記/書き換え型ディスクとして規格化。記録層は最大4層(通常のBD-ROM/R/REは2層まで)で、追記型ディスクとしては100(3層)/128GB(4層)まで、書き換え型としては100GBまでの拡張が可能となる。

 シャープは5月31日に新AQUOSブルーレイを発表したが、その際にはBDXLの規格化が完了していなかった。Blu-ray Disc Association(BDA)によるBDXL規格化を受けて、今回新製品2モデルのBDXL対応を明らかにした。

 レコーダには、シャープとパイオニアの光ディスク合弁会社「パイオニアデジタルデザインアンドマニュファクチャリング」開発の新ドライブを搭載。ピックアップやドライブを垂直統合で開発し、BDXLに対応した。

 3層/100GB BD-Rメディア「VR-100BR1」と併用することで、DRモード(MPEG-2 TS放送信号)のまま地上デジタル放送を約12時間、BSデジタル放送を約8.6時間録画できる。なお、BDXLディスクにダビングした場合、今後発売されるBDXL対応機器で同ディスクを再生可能となる。ただし、既存のBDレコーダ/プレーヤーでの録画/再生には対応しない。

3層/100GB BD-Rメディア「VR-100BR1」 新開発の光ピックアップとBDドライブを採用 BDXL対応の概要

・BDXL対応レコーダ「BD-HDW700/70」

 BD-HDW700は2TB HDD、BD-HDW70は1TB HDDを搭載したBlu-rayレコーダで、BDXLやBlu-ray 3Dに対応する点が特徴。同日に発売される3D対応液晶テレビ「AQUOS クアトロン 3D」とともに5月31日に発表済みだが、初回出荷製品からBDXLに対応する。

「BD-HDW70(左)」「BD-HDW700(右)」 BDXLディスク利用時の記録時間

 BD-HDW700/HDW70のいずれも「新トランスコーダー」も搭載しており、画質劣化を抑えながら最長10倍の長時間録画が可能。10倍モード録画番組を3層100GBのBDXLにダビングした場合、約87時間の録画が行なえるため「長編の海外ドラマ(1時間×21話)を4シーズン分収録できる」としている。

 BDXLメディア「VR-100BR1」へのダビング速度は2倍速。なお、同時発売のメディアは3層BD-Rのみだが、BD-HDW700/70ではBDXLの全規格をサポート。今後発売が見込まれる、4層BD-R(128GB)や3層BD-RE(100GB)ディスクの録画/再生も可能となる予定。

 そのほか、BD-HDW700/HDW70では、Blu-ray 3Dやスカパー! HD録画、2系統HDMI出力、高画質/音質再生などの特徴を有している。詳細については、発表時の記事で紹介している。

・3層BD-Rメディア「VR-100BR1」

 記録層を従来の2層から、3層構造に増やすことで記録容量を拡張。従来の2層式BDに比べて2倍の100GBの容量を実現している。従来のBlu-ray Discでは各層25GBだったが、BDXLでは一層あたりの記録容量も増えている。BDAでは各層ごとの記録容量について公表していないが、33.3GB×3層と推測される。

VR-100BR1のパッケージ VR-100BR1 記録面

 防護被膜を生成するハードコート処理をディスク表面に施しており、書き込み/読み込み時のエラーを低減。プリントエリアが内径24mm/外径118mmのワイドプリント仕様となっており、ディスクいっぱいに印刷可能。油性ペンや水性ペンでの手書きにも対応する。


■ 2011年に全レコーダをBDXL対応に。大容量で新しい市場を

シャープ AVシステム事業本部 中村本部長

 シャープ 執行役員 AVシステム事業本部 本部長の中村恒夫氏は、AV事業の取り組みを紹介。ファミリンクで繋ぐAQUOSの周辺機器として、「AQUOSブルーレイ」を「AQUOSオーディオ」と並ぶ重要製品と位置づける。

 世界初のBDXL対応については、光ピックアップ、レーザーなどの基幹部品から、ドライブなどのモジュール、システムソフト/ハードウェアなど、必要な全ての要素を有する垂直統合型の開発体制により、実現したことをアピールした。

 特に、2009年11月にスタートした、シャープとパイオニアの光ディスク合弁会社「パイオニア デジタルデザイン アンド マニュファクチャリング(PDDM)」における成果を強調。両社の技術を集約し、BDXL対応を実現したとする。


BDレコーダの垂直統合型開発 PDDMの概要

 中村本部長は、「BDレコーダ市場の拡大は続く」との見解を示し、アナログ停波によるVHSからの買い替えや、BDXLによる需要増により、2010年度に国内市場400万台を超え(前年比139%)、2012年度500万台以上(同113%増)と予測。同社のBDレコーダのうち、2010年下期にはBDXL対応モデルを55%に引き上げ、2011年度には全製品で100%まで引き上げる方針。

2011年に国内BDレコーダは500万台市場に 2010年度下期にはBDXL対応率を55%に

シャープ AVシステム事業本部 小田副本部長
 シャープとPDDMの光ディスク事業については、シャープ AVシステム事業本部 副本部長 兼 PDDM副社長を務める小田守氏が説明した。

 PDDMでは、シャープとパイオニアの光ディスク技術に関する経営リソースを集約。「レーザーディスク時代からの高い技術を有する光ピックアップやドライブなどパイオニアの技術と、シャープのレーザーやハード/ソフトシステム技術など、それぞれの持つ基盤技術を垂直統合している。そのPDDMで設計生産を請け負い、シャープに供給している」と説明。両社の技術融合したことで、世界初のBDXLドライブを実現できたとする。

シャープとPDDMのBD事業の関係 PDDMの概要 BDXL対応のためのコアユニットをPDDMで開発
新ドライブの技術的な特徴

 多層化したBDXLにおいては、「各層から反射してくる“迷光”の処理が難しい(小田氏)」。新開発のドライブでは、様々なノイズ光の中から目的の層の信号光だけを取り出す迷光制御技術と、高精度なレンズ制御技術を導入し、BDXL記録/再生に対応した。

 大容量化のメリットとしては「長時間録画」をアピール。DRモードの場合、1クールのドラマを1枚のディスクに収録可能で、5倍モードでは2時間映画20本を、10倍モードでは長編ドラマ4シーズン分を1枚に収録できるなどの活用事例を紹介。「大容量化により今までにない新しいディスクの使い方ができるようになる」とする。

DRモード録画時の活用例 5倍モード利用時の活用例 10倍モード利用時の活用例

 今後はメディア事業も強化。製造パートナーとの連携を強化し、販売やハードウェア開発の現場からメディア開発へのフィードバックを行なうなど、ハードウェアとメディアの両面で強化を行なう。なお、128GB BD-R(4層)や100GB BD-RE(3層)の製品化については、「検討はしているが、時期についてはノーコメント」としている。

 なお、1枚の実売5,000円という価格については、「現時点で高価なのは確か。BDの初期もディスクの価格は高かったが、普及が進めば価格が下がる。BDXLに積極的に対応し、規格を広めることで普及を進めたい」とした。



(2010年 7月 16日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]