【IFA 2010】ネットワークオーディオプレーヤーが続々登場
-ヤマハ/マランツが発売。オンキヨーはセパレートアンプ
ドイツ・ベルリンにて9月3日~8日(現地時間)まで開催中のIFA 2010では、各社がネットワークオーディオプレーヤーを出展している。今回は、オーディオメーカーのブースを紹介する。
■ ヤマハ
NP-S2000のブラックモデル |
ヤマハはハイエンドのネットワークオーディオプレーヤー「NP-S2000」を発表。世界初披露となるIFAでのデビューを、「ワールドプレミア」としてアピールしている。
24bit/96kHzのFLACなど、ロスレス形式を含む音楽ファイルをPCのHDDなどからネットワーク経由で再生可能なDLNA準拠のプレーヤー。欧州では11~12月に発売され、価格は未定。なお、日本での発売については明らかにしていない。
独自の“Network Pure Audio”思想に基づき、部品の1つ1つから音質に妥協なく開発が進められ、ハードウェアのレイアウトにもこの思想が反映されている。また、振動の元になる要素を徹底して排除し、HDDなどの駆動装置も搭載しないことで音質に配慮している。
電源供給はデジタル/アナログ部がセパレートの構成。バーブラウンのDACを使用している。アナログ出力はバランス(XLR)とアンバランス(RCA)を装備。デジタル出力は同軸と光を各1系統備える。
シルバーはスケルトンモデルで内部を公開 | 背面端子。バランス出力も備えている |
再生対応ファイルは24bit/96kHzのFLACのほか、WAV/WMA/AAC/MP3もサポートする。曲間を無くすギャップレス再生も可能なため、クラシックの再生にも適している。
付属リモコンのほか、ネットワーク接続したPCからも操作が可能。さらに、iPhone/iPod touchでコントロールできるアプリも提供するとしている。
そのほか同社ブースでは、Blu-ray Discプレーヤーに小型シアターシステムを加えたミニマルなオーディオシステム「BD-Pack 400」や、3D/ARC対応の7.1ch AVアンプ「RX-V3067」、iPodスピーカー/クロックラジオ新製品などが展示されている。
BD-Pack 400 | RX-V3067 | iPodスピーカー/クロックラジオなど |
■ マランツ
NA7004。下段はPM7004 |
マランツも、高級ネットワークメディアプレーヤーを投入する。型番は「NA7004」で、プリメインアンプの「PM7004」にマッチしている。10月発売で、価格は未定。
PCなどのファイルをネットワーク経由で再生可能なDLNA 1.5準拠のプレーヤー。iPod/USBのデジタル接続も可能なことが特徴で、iPod/iPhoneなどの音声をより高音質で再生できる。DACはシーラスロジック製の「CS4398」を搭載。USBメモリ内のファイルは最大24bit/96kHzまで対応する。そのほか、インターネットラジオにも対応する。
入力は同軸/光デジタル音声が各1系統で、出力端子は同軸/光デジタルに加えアナログも備える。外形寸法は440×353×106㎜(幅×奥行き×高さ)、重量は6.5㎏。リモコン「RC001NA」が付属する。
その他の製品では、Blu-rayプレーヤーと70W×2chアンプの一体型「MELODY MOVIE M-ER803」が展示。DVDの1080pアップスケーリング機能やUSB/iPod/iPhone再生機能も備えている。HDMI出力やEthernetも装備する。
MELODY MOVIE M-ER803 | 同じくD&Mホールディングスのデノンブースには、デノン創立100周年記念モデル(左)や、3D対応AVアンプなどが展示されている |
■ ティアック
CR-H500/NT(左)とCR-H500(右) |
ティアックは、欧州で発売中のネットワークオーディオ対応プレーヤー「CR-H500/NT」を出展。CDプレーヤー/アンプの一体型モデルにネットワークメディアプレーヤー機能を加えたもので、Ethernetのほかに無線LAN(IEEE 802.11b/g)も内蔵。インターネットラジオなどが聴取できる。なお、DLNAには準拠していない。
USB端子を1系統備え、ラジオなどの音声をMP3/WMA形式で録音するダイレクトレコーディング機能を持つことも特徴。価格は約600ユーロ。なお、ネットワークを持たない「CR-H500」は約500ユーロとなっている。
■ オンキヨー
セパレートアンプ/CDプレーヤーの新製品群。なお、右側のチューナ製品は日本での発売予定は無い |
オンキヨーからは、CDの音質を改めて見直すセパレートアンプが登場。同社のコンパクトシアター製品などのユーザーに対し、ステップアップするための製品として訴求する。
出展されたのは、24bit/192kHz対応DACも内蔵したプリアンプ「P-3000R」と、150W×2chのパワーアンプ「M-5000R」、トランスポートとしても利用できるCDプレーヤー「C-7000R」。これらは日本でも発売予定で、12月の製品投入を目指している。
いずれも、高スルーレートなどを特徴とする新開発の回路を搭載し、CD再生の音質を見直したことが特徴。プリアンプとCDプレーヤーにはそれぞれAES/EBUの入/出力端子も備える。パワーアンプはツインモノラル構成で、大型電源トランスなどを装備している。
従来、同社のセパレートアンプの型番は、アルファベットと3ケタの数字だったが、久々の製品投入に伴い、型番の数字が4ケタに増え、リニューアルを印象付けている。
日本での価格はパワーアンプが25~30万円前後、プリアンプとCDプレーヤーがそれぞれ15万~20万円前後を想定している。
パワーアンプのM-5000R | プリアンプのP-3000R | CDプレーヤーのC-7000R |
M-5000Rの背面 | P-3000Rの背面 | C-7000Rの背面 |
そのほか同社は、AVセパレートアンプの新製品も展示。海外では一部で発売されているAVプリの「PR-SC5508」と、9chパワーアンプの「PA-MC5500」を日本でも発売予定で、前述のセパレートオーディオ製品より前のタイミングでの投入となる見込み。価格は未定。日本国内におけるフラッグシップAVアンプ「TX-NA5008」とほぼ同等の製品を、セパレート構成にすることにより画質と音質の向上を図ったモデルとなっている。
AVプリPR-SC5508(右)と、9chパワーアンプPA-MC5500(左) | ELACと隣り合わせになっているオンキヨーブースでは、両社の製品を組み合わせた展示も。オンキヨー製品のシルバーとELACのホワイトがマッチしている |
■ パイオニア
BDP-LX54(上段) |
Blu-ray Discプレーヤーの新製品として、Blu-ray 3D対応の「BDP-LX54」と「BDP-430」を発売。発売時期はLX54が12月、430が11月を予定。
いずれもBlu-ray 3Dの再生が可能なプレーヤー。HDMI出力はVer.1.4a。36bit Deep Colorやx.v.Colorもサポートする。BDP-LX54は高級パーツを使用するハイグレードモデルで、ヘアライン仕上げも施している。
ネットワーク内のPCなどの動画/音楽/静止画を再生できるメディアプレーヤー機能も搭載。さらに、iPhoneをリモコンとして使えるアプリ(iControl AV)にも対応している。
■ JVCケンウッド
ウッドコーンスピーカー搭載のEX-S1 |
JVCブランドでは、ウッドコーンスピーカー搭載のiPod/iPhone/CDオーディオシステム「EX-S1」を今冬(2011年)に発売予定。
天面にiPod/iPhone用ドックを搭載。iPod/iPhoneの映像をテレビなどに表示できる映像出力も搭載する。USB端子も備え、USBメモリなどに収めたMP3/WMAファイルも再生できる。
ケンウッドからは3D対応のAVアンプ2製品が展示。いずれもHDMI入力を4系統備える。上位モデル「RV-7000」は約429ユーロ、下位モデルの「RA-5000」は約329ユーロ。
RV-7000 | RA-5000 |
(2010年 9月 6日)
[AV Watch編集部 中林暁]