キヤノン、日立ディスプレイズの子会社化を撤回

　日立製作所とキヤノンは30日、日立ディスプレイに対する現在の資本関係を維持しながら、中小型ディスプレイを中心とする先進的なフラットパネルディスプレイ技術開発や製品供給に関わる連携を継続、発展させるための覚書に合意した。

　両社では、2008年2月に包括的な提携を目的とする契約を締結。この際、キヤノンは日立ディスプレイズ株式の24.9%を取得するとともに、将来的な株式追加取得や子会社化を検討していた。しかし、これまでの資本関係を維持したまま新たな事業提携の枠組みを構築することに決定したという。

　両社は、「スマートフォンやタブレットPCなどの需要が拡大しており、タッチパネルなど新しい高付加価値製品の需要が高まっている」とし、今後、中小型液晶ディスプレイの用途多様化と技術ニーズの高度化に対応するため、先進的なフラットパネルディスプレイ技術の開発などに取り組むとしている。