パナソニック、USB HDD追加で録画対応するCATV用STB
-DLNAダビング/クライアント対応。録画対応機を拡充
左からTZ-LS300F、TZ-LS300P、TZ-LS200P |
パナソニックは、CATVデジタルセットトップボックス(STB)の新製品として「TZ-LS300F」、「TZ-LS300P」、「TZ-LS200P」の3モデルを2011年2月より発売する。CATV事業者向けに販売される。
「TZ-LS300F/P」はCATV用STBのベーシックモデル、「TZ-LS200P」はエントリーモデルと位置づけており、3Dテレビ連携、ユニバーサルポータル対応などの機能を搭載する。3モデルともチューナは1系統で、地上デジタル放送のパススルーにも対応する。
また、TZ-LS300F/Pは、USB HDD録画に対応するほか、ホームネットワーク機能を備えている。
TZ-LS300P | TZ-LS300F | TZ-LS200P |
USB HDDへの録画に対応 |
TZ-LS300F/Pは、同社CATV用STBのベーシックモデルで、“F”がCATVモデム内蔵型、“P”がCATVモデム無しとなる。特徴は録画機能の強化とホームネットワーク対応で、別売のUSB HDDを追加することで、CATV番組の録画が可能になる。録画モードはDRモードのみで、録画番組のオートチャプターや毎回録画も可能。ダビング10に対応する。
さらにTZ-LS300F/Pは、DLNAクライアント/ダビングなどのホームネットワーク機能を装備。TZ-LS300シリーズで録画した番組を、ホームネットワーク内の同社BD内蔵STB「TZ-BDW900シリーズ」や、対応DIGAにダビングできる。ダビング後もチャプタ情報などは引き継がれるという。なお、ダビング中は録画予約や録画実行はできない。
DLNAクライアント機能にも対応し、TZ-BDW900などDLNAサーバー機能を搭載したSTB/レコーダで録画した番組にネットワーク経由でアクセスし、再生できる。対応のDLNAサーバーはDIGAなどで、同社ホームページで案内している。
EPGで番組を選択して録画 | USB HDD内の番組を再生 |
USB HDD内の番組をBD搭載STBにダビング | DLNAクライアント機能も搭載。別室のDLNAサーバー搭載STB内の番組を再生 |
STBのリモコンからVIERAの3Dモードを変更できる |
3Dテレビ連携機能も新搭載。従来3D VIERA側のリモコンで行なっていた3Dモードの切り替えを、STBのリモコンから行なうことができる。また、3Dモード時にはメニューや番組表も3D表示となり、3Dメガネをかけたままで操作が行なえる。対応機種はVIERA VT2シリーズとRT2Bシリーズ。また、将来的には3Dモードの自動切換にも対応する予定。
EPGや番組情報の音声読み上げ機能も搭載。また、CATV事業者が独自に作成できるSTB向けポータル画面「CATVユニバーサルポータル」にも対応する。さらに、次世代のCATV放送方式とされるH.264/256QAMにも対応を予定しており、将来同方式でのサービスが決まった際には、ソフトウェアバージョンアップで対応できるという。ただし、「詳細仕様はまだ決まっておらず、何年後にスタートするかなどは未定」(パナソニック AVCネットワークス社 映像ディスプレイデバイス事業グループ CATVビジネスユニット 技術グループ 木下グループマネージャー)としている。
CATVユニバーサルポータルに対応 | 音声ガイドに対応 | リモコン |
TZ-LS300Pの背面 |
入出力端子はHDMI×1とコンポジット×2、アナログ音声×1で、TZ-LS300F/PにはD4×1と光デジタル音声出力×1、USB端子も装備する。Ethernetも備えているほか、TZ-LS300F/Pは別売のアダプタを利用した無線LAN接続にも対応する。全モデルでアクトビラ ベーシックに対応し、TZ-LS300Pは、アクトビラ ビデオ・フルやTSUTAYA TVにも対応する。
筐体も省スペース/軽量化を行なっており、TZ-LS300Fは、従来モデル比(TZ-DCH1820B)比で体積を約29%削減。TZ-L300P/LS200Pは体積比で46%削減している。
型番 | TZ-LS300F | TZ-LS300P | TZ-LS200P | |
ケーブルモデム | ○ | - | ||
USB HDD録画 | ○ | - | ||
ホームクライアント (DLNA) | ○ | - | ||
無線LAN対応 | ○ | - | ||
アクトビラ | ○ | |||
アクトビラ ビデオ フル、TSUTAYA TV | - | ○ | - | |
端子 | HDMI×1 D4×1 アナログ音声×2、 光デジタル×1 USB×1 Ethernet | HDMI×1 コンポジット×2 アナログ音声×2 Ethernet | ||
消費電力 | 11W | 8W | ||
外形寸法 | 28×20.9×5.9cm | 21.5×20.9×5.9cm | ||
重量 | 約1.2kg | 約0.9kg |
パナソニック システムソリューションズ平野グループマネージャー |
パナソニック システムソリューションズ ジャパンの平野泉グループマネージャーは、「CATVだけでなく日本の環境もめまぐるしく変化しているが、夢と感動を与える素晴らしいコンテンツを普及させたいという思いで新しいSTBを展開する」と語り、CATVの多チャンネルによる豊富な番組と、そうした番組への接触機会を増やす新しいSTBをアピールした。
AVC社 映像ディスプレイデバイス事業グループ CATVビジネスユニット 木下氏 |
パナソニック AVCネットワークス社 映像ディスプレイデバイス事業グループ CATVビジネスユニット 技術グループ 木下彰グループマネージャーは、CATV STBの市場動向について、デジタル化の加速により、2010年度は前年比20%増の197万台になると予測。
新STBについては、「ケーブルテレビショー2010」で実施したアンケートの結果を提示し、「ホームネットワークと録画への要求が高い」とし、TZ-LS300F/Pの録画機能やDLNAクライアント機能などを紹介。また、小型化や省エネ化などの取り組みもアピールした。
2010年のCATV用STBは前年比20%増の197万台に | 同社STBラインナップ。上位モデルはWチューナ+内蔵HDDだが、ベーシックモデルでも録画へのニーズは高くUSB HDDに対応した | 従来モデルより大幅に小型化 |
(2010年 12月 3日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]