JVCケンウッド、入江工場への本社移転を完了

-ビクター第一工場ファサードは解体申請


新本社となる旧ビクター入江工場

 JVCケンウッドホールディングスは、グループ本社および日本ビクターの本社の移転を完了した。新拠点は旧本社のビクター横浜工場に隣接する旧ビクター入江工場で、移転を機に本社・横浜事業所に改称している。

 JVCケンウッドでは5月に横浜工場の売却を発表。12月末までに引き渡す方針を示していた。今回、隣接する入江工場に本社機能を集約し、本社・横浜事業所に改称。グループ統合経営、事業運営の効率化、統合効果の最大化に向け、事業部門の再配置を完了したという。


旧本社のビクター横浜工場

 あわせて、ビジネス・ソリューション事業部門の移転先であるケンウッド横浜事業所は「白山事業所」、ビクター横須賀工場は「横須賀事業所」に改称している。

 これにより、事業会社によって異なっていた社内外コミュニケーションやデータ管理のためのシステムを一元化。個人や組織のワークスタイル、グループ内の情報共有やコミュニケーション、会議のあり方などを変革し、業務の効率化と組織の活性化をはかるという。

日本ビクター第一工場ファサード

 また、横浜工場内にあり、横浜市の歴史的建造物に認定されている「日本ビクター第一工場ファサード」の認定解除と解体も横浜市に申し入れた。同ファサードは、昭和5年に竣工したビクター第一工場正面入口の建造物。

 横浜市から平成11年度に認定歴史的建造物として認定されたが、横浜工場売却にともない、現在の場所での保存ができなくなった。隣接する新本社への移設なども検討したが、建造物が移設に耐えらない可能性があり、耐震補強工事の費用負担も難しいため解体を決定した。

 横浜市から保全補修費用として交付を受けた助成金や、維持管理費用として交付された年間助成金を全額返還するとともに、ファサード解体に際し、将来的な復元を前提とした記録保存や一部部材保管を行なう。



(2010年 12月 16日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]