【CES】LG、小型裸眼3Dテレビを発表。Smart TV強化

-偏光方式の3Dテレビに注力。新LED技術も


プレスカンファレンス会場の様子

 LG Electronicsグループは5日(米国時間)、International CESプレスカンファレンスを開催した。

 LGが2011年に掲げるキーワードは「Simply Smarter」(よりシンプルで賢く)で、同社の全てのエレクトロニクス製品に対してこのコンセプトを盛り込んでいく所信表明を行なった。

 テレビ関連製品については、テレビの操作性をより分かりやすく改善するために新開発した「Magic Motion Remote」と呼ばれるポインティングデバイス型リモコンを多くのテレビ製品に採用していくという。これは、Wiiリモコンのような赤外線方式のポインティングデバイス機能付きリモコンで、リモコン上の十字キーを連打することなく、画面内に表示されたアイコン、ボタン、サムネイルをポインティングしてクリックするだけで操作が行なえるというもの。


LGはテレビ製品の主役は「SmartTV」に移行すると予見Magic Motion RemoteをデモンストレーションするTim Alessi氏(Director,New PRoduct Development,Home Entertainment,LG Electronics USA)LGの2011年のスローガンは「Simply Smarter」(よりシンプルで賢く)

 また、今年2011年以降はアドオンアプリケーションやネットワーク機能などと連携して情報端末的な機能までを提供する「SmartTV」製品が台頭してくると予見し、従来の薄型テレビをSmartTVクラスにアップグレード出来る製品「SmartTV Upgrader」の投入もアナウンスした。

 基本的にはネットベースのビデオオンデマンドサービスに対応したセットトップボックス的な製品だが、DLNAサーバー機能、Webブラウザ機能、LGテレビ製品向けアプリ実行機能といったSmartTVらしい機能までが提供されるところが特徴となっている。

SmartTV Upgraderの概要先進製品の開発指揮を取るDr.Skott Ahn氏(LG、Presidient&CTO)展示されたSmartTV Upgrader
フレームシーケンシャル方式に対して否定的な立場を取るLG。LGとしては偏光方式の3Dテレビ製品に注力していく模様

 3Dテレビ製品に関しては、フレームシーケンシャル方式のアクティブシャッターグラスよりも、偏光方式のパッシブグラス対応製品に注力していく方針も明らかにしている。

 3Dメガネのバッテリー駆動が必要で、重量が重く、クロストークが回避しづらいフレームシーケンシャル方式は、「LGとしては最良の3Dテレビ方式ではない」という立場を取る。

 このことから、2011年のLGの3Dテレビ製品は偏光方式に対応した製品が主流になると見られる。

 一方で、小型サイズのテレビ製品については、裸眼立体視を推進していく方針で、具体的な製品発表は行なわれなかったものの、10インチ未満のポータブル裸眼立体視テレビの試作機を、プレスカンファレンスで公開した。なお、スペックに関しては現時点では非公開としている。

公開されたポータブル裸眼立体視テレビの試作機

 この他、薄型テレビの次世代技術として、新しいバックライト方式「NANO FULL LED」を方式をアナウンスした。超薄型の直下型LEDバックライトシートと拡散板を一体化した新方式のバックライトシステムで、直下型の高輝度性能とエリア駆動を実現しつつ、エッジライト並の薄型を両立するという。

新方式のバックライトシステム「NANO FULL LED」も発表された31インチの有機ELテレビは次世代3Dテレビ技術として開発を続行中
ずらりと並べられたLGのテレビの新製品ラインナップ。詳細はブースレポートにてフォローする予定
LCOSベースの偏光方式の3Dプロジェクタもモデルチェンジする世界初の1GHzデュアルコアプロセッサ搭載のスマートフォン「Optimus 2X」も発表された。搭載プロセッはNVIDIAのTEGRA AP20HだLGは白物家電もネットワークに対応させてSmart白物家電化を推進していくという。冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジ、ロボット掃除機にはWiFi機能が搭載される

(2011年 1月 6日)

[Reported by トライゼット西川善司]