【CES】家庭内HD映像のネット伝送「Slingbox」がGoogle TV対応

-米国で日本の番組を視聴。日本の機器への対応を強化


Slingbox PRO-HD

 米Sling Mediaは、インターネット映像伝送システム「Slingbox PRO-HD」などのデモを実施している。

 Slingbox PRO-HDは、コンポーネント映像入力端子を装備し、入力したテレビ放送やレコーダの録画番組などをインターネットを介して、外出先のパソコンなどから視聴可能にする端末。リビングなどで見ているテレビ映像や録画番組を、寝室や外出先でも自由に楽しめる点が特徴で、最高1080iまでの映像入力に対応する。

 Windows/Macintosh用からはWebブラウザ経由で利用可能。さらに、iPhone/iPadやAndroidなどのスマートフォン用アプリも有償で提供される。日本でもイーフロンティア扱いで2月上旬より発売予定で、直販価格は34,980円。


PCではWebブラウザから視聴できるiPad用アプリを提供Galaxy Tabにも対応
PCでHD番組を視聴。画質Autoで約2Mbpsで再生していた。コーデックはMPEG-4

 今回は、イーフロンティアのスタッフも参加し、日本に設置したSlingbox PRO HDの映像をパソコンやiPad、Android端末などで視聴するデモも行なっていた。独自の圧縮/送信技術「SlingStream」により、接続している回線の帯域に応じて自動的に圧縮率を制御するため、端末や回線に最適な画質で遠隔視聴が可能となる。パソコンで再生を開始すると、最初はややブロックノイズも目立ち、解像度も低いのだが、だんだんと解像度と画質が上がっていく様子も確認できた。必要帯域はHD画質時で3Mbps以上、SD画質時で600kbps以上、モバイル利用時で150kbps以上。

 自動画質調整のほか、iPadではHQとSQの2モードが選択でき、PCの場合はSD/HD切り替えも可能となっている。クライアント側の画面には、Slingboxの入力や接続機器、チャンネル切り替えなどが行なえるリモコンを表示し、Slingboxに接続したレコーダなどの映像が楽しめる。また、デモでは「ひかりTV」のSTBと接続し、ひかりTVの番組をストリーム視聴も可能となっていた。イーフロンティアでは、「大手メーカーのレコーダなどが中心となるが、CATVやIPTVサービスなどにも可能なものからなるべく対応していく方針」という。

iPadではHQとSQの2モードが選択可能ひかりTVのSTBをiPadのSlingアプリから操作Slingbox PRO-HDの背面

 また、PCのブラウザなどに表示されるリモコンも日本のレコーダ製品のリモコンを再現したデザインのものを導入するなど、日本向け仕様も順次盛り込んでおり、実際に米国向けのデモと比べるとその違いがよくわかる。

日本のソニー製レコーダ向けにカスタマイズしたリモコン米国DishのSTB用リモコン
Google TV用のアプリも開発

 さらに、Google TV用のSlingboxアプリも開発。Sony Internet TVを使ってデモを行なっており、SlingMediaの担当者によれば、年内の提供開始を目指して開発を進めているという。他のプラットフォーム用アプリと同様に、入力やチャンネル切り替えなどの一連の操作が可能で、Google TVのUIにあわせたデザインを導入している。もっとも現状日本でGoogle TVが発売されていないため、今のところ日本展開は難しそうだ。

 そのほか、ハイビジョン対応コンポーネント入力を装備し、SD解像度にダウンコンバートして配信する「Slingbox Solo」も紹介しているほか、「100ドル台」に価格を抑えた廉価モデルも米Sling Mediaで計画しているという。日本での展開については、「Slingbox PRO-HD発売後の反応などを見て、考えていきたい」としている。

Slingbox Solo複数のクライアントから1台のSlingboxを同時に利用することはできない

(2011年 1月 9日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]