ラックスマン、管球プリ「CL-38u」とパワー「MQ-88u」

-プリはSRPP構成。パワーはKT88 3極管接続


プリアンプ「CL-38u」

 ラックスマンは、真空管セパレートアンプの新製品として、木箱入りタイプのプリアンプ「CL-38u」と、KT88 3極管接続のパワーアンプ「MQ-88u」を3月に発売する。価格はプリアンプが336,000円、パワーアンプが399,000円。



■CL-38u

 伝統的な木箱ケース入りのデザインを採用したプリアンプ。サイズはCDプレーヤー「D-38u」と同じになっている。すべての増幅回路を真空管(ECC83×3本、ECC82×5本)で構成。フォノアンプ、トーンコントロール、フラットアンプのすべてに低インピーダンス伝送を実現するSRPP(Shunt Regulated Push Pull)構成を採用し、出力インピーダンスは300Ω。「現代の真空管アンプにおけるリファレンス的な性能と音質を目指して設計した」という。

 アナログ・レコード再生用に、左右/2段階ゲイン毎独立のMCトランス4基を搭載。レコードの反りによるウーファのふらつきを抑えるためのローカット・スイッチや、モノラル再生時に使えるモノラル・スイッチも備えている。また、ターンオーバー周波数3段階切替(Bass:150/300/600Hz、Treble:1.5k/3k/6kHz)のLUX方式トーンコントロール機能も装備する。

「CL-38u」の背面

 内部には独自の高音質カスタムパーツを多数使用。また、低漏洩磁束のトロイダル電源トランスと、チョーク一体型シールドケースを採用することで、高SN比の信号伝送を実現したという。

 入力はアナログ音声(RCA)×4、Phono×1、録音用入出力×1を装備。出力はアナログ音声(RCA)×2系統を備え、パワーアンプを2台使用するバイアンプ構成にも対応。大型のRCAケーブルも接続できる、幅広ピッチのRCA端子を装備している。電源ケーブルは着脱可能で、OFC極太線ノンツイスト構造の純正電源ケーブル「JPA-10000」が付属する。

 消費電力は30W。外形寸法は400×280×170mm(幅×奥行き×高さ)。重量は13.5kg。ボリュームコントロールとミュートが可能なアルミ製リモコンも付属する。



■MQ-88u

パワーアンプ「MQ-88u」

 1969年発売の「MQ60」をデザインモチーフに、3極管接続プッシュプル構成のスロバキアJJ製「KT88」と、オリジナル形状を復刻したアルミ・ダイキャストケース入りOY型出力トランスを搭載した、25W×2ch(6Ω)/20W×2ch(4Ω、8Ω)のステレオパワーアンプ。

 すべての増幅回路を真空管(ECC83×2本、ECC82×2本、KT88×4本)で構成。出力管にKT88を使うことで、力強く厚みのある音色が得られるという。また、真空管は選別したものをプッシュプル構成で採用している。

 初段アンプをパラレル化し、SN比を高めているほか、低インピーダンス伝送でドライバー段に直結接続している。ドライバー段はムラード型回路と3極管接続を採用する。

 また、オリジナル形状で復刻したアルミ・ダイキャストケース入りのOY15型出力トランスを採用。EIタイプの大容量電源トランスを搭載し、粘り強い音質を実現したとする。ほかにも、安定したパワー供給を行なうための大型オリジナル・ブロックコンデンサーも搭載した。

 フロントパネルには電源スイッチとボリュームも装備。入力は音量調節が可能なバリアブル入力と、ボリュームをバイパスするダイレクト入力の2系統を用意。スピーカーターミナルは太いケーブルも接続できるよう、大型の端子を使っている。電源ケーブルは着脱可能で、OFC極太線ノンツイスト構造の「JPA-10000」を同梱する。

 筐体にはオーソドックスな高剛性モノコック・シャーシ構造を採用。真空管などを保護する網型のボンネットカバーを標準で付属する。全高調波歪率は0.15%(1kHz/6Ω/1W)、0.5%(20Hz~20kHz/6Ω/1W)、SN比は105dB。消費電力は280W、150W(無信号時)。外形寸法は440×185×185mm (幅×奥行き×高さ)。重量は15.8kg。

付属のボンネットカバーを取り付けたところ背面上から見たところ


(2011年 2月 4日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]