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ラックスマン、バランス入力追加の真空管プリ「CL-38uC」。パワーアンプも

 ラックスマンは、真空管プリアンプ「CL-38uC」と、真空管パワーアンプ「MQ-88uC」を11月に発売する。価格は「CL-38uC」が36万円、「MQ-88uC」が39万円。東京・有楽町の東京国際フォーラムで10月1日まで開催中の「2017東京インターナショナルショウ」で参考展示している。

CL-38uC

 '11年に発売したプリアンプ「CL-38u」と、パワーアンプ「MQ-88u」の後継機種。外観デザインや内部パーツを一新し、新機能も追加しており、「オールドクラシックな装いに磨きをかけ、音質とクオリティを向上させ、新たな装備を加えてカスタム化した」という。

MQ-88uC(ボンネットカバーを外した状態)

プリアンプ「CL-38uC」はバランス入力対応

 CL-38uのロの字型木箱ケースのスタイルはそのままに、横幅を現在のラックスマン製品の基本サイズとなる440mmに拡張(CL-38uは400mm)。新たに、MCカートリッジゲイン調節のレバースイッチを追加している。

 使用する真空管はスロバキアJJ製のもの(「ECC83S」×3本、「ECC82」×5本) に変更し、回路の動作信頼性の向上を図った。カップリングコンデンサには、ニチコンの高耐圧メタライズド・ポリプロピレン・フィルムコンデンサを採用し、伸びやかで自然な音色を追求した。

 入力はアナログ音声×3、フォノ×1に加えて、要望が多かったというバランス入力端子を新設している。録音用入出力×1とアナログ音声出力×2を備える。

 CL-38uと同様に、フォノアンプ、トーンコントロール、フラットアンプのすべてに低インピーダンス伝送を実現するSRPP(Shunt Regulated Push Pull)構成を採用。アナログレコード再生用に左右/2段階ゲインごとに独立したMCトランス4基を搭載。アナログレコードの反りによるウーファのふらつきを抑えるローカットスイッチや、モノラルスイッチ、細かな音質調節が可能なターンオーバー周波数3段階切替のLUX方式トーンコントロール機能も備える。

 電源部は、低漏洩磁束のトロイダル電源トランスとチョーク一体型シールドケースによる高S/Nの信号伝送環境を実現。シャーシは外来ノイズに強い全方位シールド型金属シャーシ構造。

 消費電力は32W。外形寸法は440×307×169mm(幅×奥行き×高さ)。重量は13.3kg。アルミ製リモコン「RA-19」と、OFC極太線ノンツイスト構造の純正電源ケーブル「JPA-10000」が付属する。

ダークブラウンの真空管パワーアンプ「MQ-88uC」

 MQ-88uの黒のベースカラー(ボンネット共通)を、ダークブラウンカラーに変更。木箱とのカラーの親和性を高めた。

 CL-38uCと同じく、真空管をスロバキアJJ製のものに統一し、出力管「KT88」×4本をプッシュプル構成で採用。「ECC83S」×2本、「ECC82」×2も搭載する。カップリングコンデンサは、ニチコンの高耐圧メタライズド・ポリプロピレン・フィルムコンデンサを採用。

 定格出力は25W×2ch(4/8/16Ω)。初段アンプをパラレル化し高S/N、低インピーダンス伝送でドライバー段に直結。ドライバー段にムラード型回路を使用し、3極管接続を採用する。

 オリジナル形状で復刻したアルミダイキャストケース入りのOY15型出力トランスや、粘り強い音質を実現するというEIタイプの大容量電源トランス、安定したパワー供給を実現する大型オリジナルのブロックコンデンサを搭載する。

 入力はバリアブル入力と、ダイレクト入力の2系統を用意。新たに、スピーカーに合わせて接続できる4/8/16Ωの独立したスピーカーターミナルを備える。

 消費電力は150W、140W(無信号時)。外形寸法は440×230×184mm (幅×奥行き×高さ)。重量は16.1kg。真空管や他の大型パーツを保護する網型のボンネットカバーと、純正電源ケーブル「JPA-10000」が付属する。