パイオニア、電気自動車用の地デジ対応AVカーナビ

-回生エネルギーを考慮し、最小電力消費ルート選択


AVIC-ZH09-MEV

 パイオニアは、EV(電気自動車)専用のカーナビゲーションシステム「AVIC-ZH09-MEV」を7月下旬より発売する。価格は246,750円。

 7型ワイドディスプレイやDVD/CD、地デジチューナを搭載した2DINの「サイバーナビ」。5月下旬に発売した「AVIC-ZH09」をベースモデルとしながら、EV向けの機能を搭載したことが特徴で、EV向けの市販カーナビは初という。走行時の空気抵抗や、回生エネルギー(EV減速時に、駆動用モーターを発電機としてバッテリ蓄電する電気エネルギー)を考慮し、電力消費量を推定することで、探索した案内候補ルートのなかで最も推定電力消費量の少ないルートを選択できる「エコ・ルート探索」に対応する。

 また、回生エネルギーの効率的な発電につながるブレーキ操作推奨機能や、充電施設検索、ドライブでの推定電力費用表示などのさまざまなEV向け機能を搭載。さらに、別売のクルーズスカウターユニット(ND-CS1:52,500円)を使った実写映像ルート案内「ARスカウター」にも対応する。7月時点での対応EVは三菱自動車工業のi-MiEV。

 EV向け機能以外の主な仕様は「AVIC-ZH09」と共通。ディスプレイは7型/800×480ドットのLEDバックライト液晶で、黒つぶれや白とびなどを防ぐ「アドバンスド・アクティブコントラスト」も搭載。地デジ12セグ/ワンセグチューナを搭載し、受信状況に応じた12セグ/ワンセグの自動切り替えや、中継局のエリアをまたぐ際に自動で同じチャンネルへ切り替えるオート放送局サーチを搭載する。DVD部はDVDビデオのほか、デジタル放送をVRモードで録画したディスクなども再生できる。

 音楽関連では、PC内の楽曲を、SDカードを介してカーナビのHDDにWMA/MP3/AAC/WAV形式で転送可能。CDからのリッピングは、ATRAC Advanced Lossles(最大4倍速/最大約2,000曲分)またはATRAC 3(最大18倍速/最大約1万曲分)で保存できる。HDD容量は80GB(ナビ用の領域を含む)。

 HDD内の楽曲再生機能として、楽曲内のボーカルがある部分(1番のみ)をつないで再生する「グルーヴモード」を搭載。「短い時間で多くの楽曲を楽しめる」とする。従来モデルと同様に、「明るい」、「ノリがいい」、「癒される」など曲調が似たものをまとめて再生する「フィーリングプレイ」などに対応する。

 iPod/iPhoneのデジタル再生にも対応。別売ケーブル「CD-IUV51M」(3,675円)を介してデジタル接続が可能となる。USB端子を備え、USBメモリ内の楽曲も再生可能。Bluetooth(A2DP/AVRCP対応)もサポートする。アンプ部出力は50W×4ch。

 別売のデータ通信モジュールを利用し、最新情報の取得や口コミ情報を確認できる「通信検索」や、「スマートループ渋滞情報」、地図にない道を走行するだけで、自動で道を地図上に生成する「ロードクリエーター」などの機能も搭載している。


(2011年 7月 6日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]