ソニーのHMD「HMZ-T1」をフォーミュラカーの運転席で体験

-GT5“地上最速車”を3Dプレイ。東京・青山で無料体験可能


「HMZ-T1」の3D映像でグランツーリスモ5を体験している様子

 ソニーマーケティングは、11月11日に発売するヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」(オープンプライス/実売6万円前後)を使って、本物のレーシングカーに乗ってゲームを体験できるイベント「青山で、地上最速のレーシングカー、世界初体感!」を11月4日~5日に実施する。

 場所は東京・青山のカフェ「Royal Garden Cafe 青山」(港区北青山2-1-19)内に設けられた専用スペースで、無料で体験できる。時間は11:00~19:00。

 レーシングカーの運転席に座って「HMZ-T1」を装着し、ドライビングコントローラを使ってPlayStation 3の「グランツーリスモ5」を3Dで楽しめるというイベント。ゲーム内で一定の条件を満たすと使えるようになる“地上最速”マシン「レッドブルX2010 S.Vettel」でプレイできる。

 会場にあるレーシングカーは2台で、Formula NIPPONとF3000で使われている車両が用意されている。コントローラはロジクールの「Driving Force Wireless」をベースにしたもの。シートに座った後でコックピットに装着される。

HMZ-T1のロゴが入った2台のフォーミュラカーが用意されている。レッドがFormula NIPPON、ブルーがF3000の車会場の「Royal Garden Cafe 青山」

 実際に体験してみると、当然ながらアミューズメントマシンのような座り心地の良いシートとは異なり、必要最小限の内装になっているところが特にリアル。遊べるのはシンプルなオーバルコースで複雑な操作は不要だが、ゲーム内だけ存在する架空の最速マシンというだけあり、そのスピード感には思わず力が入る。装着している間はマシンの様子など周りが全く見えないわけだが、HMZ-T1の3D映像の没入感とコックピットの密室感が相まって、単に“リアルなゲーム”という言葉では括れない、不思議な体験ができた。

 会場ではレーシングカー以外に、席に座って映画や音楽などが体験できるスペースも用意。HMZ-T1の実機が7台用意され、映画「スパイダーマン」と、元気ロケッツによる音楽ライブの3D映像が、カフェのテラス席などでくつろいで楽しめる。

PS3のグランツーリスモ5をDriving Force Wirelessでプレイプレイ映像は、奥のディスプレイでも表示されている後ろから見たところ
無骨なシートがリアルだコントローラは市販のものがベースだが、コックピットに装着すると本格的に見えるプレイしている姿は外から見ても、近未来的な感じが伝わる
カフェの店内席でも体験可能テラス席の体験スペース

 また、この会場以外にも青山エリアで様々なジャンルのショップなどと連携し、体験イベントを同時開催。それぞれ、“花のない花屋”、“水のない水族館”、“異空間トリップ”というテーマで展開する。期間はそれぞれ11月4日~13日。

 “オートクチュールの花屋”という「JARDINS des FLEURS(ジャルダン・デ・フルール)」では、店舗主宰の東信(あずま まこと)氏による3D映像とリアルな空間を組み合わせた展示「3D Personal Art Exhibition」を行なう。

 大手書店には無い独自の視点で本をセレクトするというブックショップ「UTRECHT(ユトレヒト)」では、代表・ブックディレクターの江口宏志氏がセレクトした書籍と、「HMZ-T1」による水族館の3D映像を合わせて楽しめる。

 様々なアーティストの作品を不定期で展示するバー、「LoiteR(ロイター)」では、ライブペイントなどで活躍するアーティスト・山尾光平氏によるアート作品と、「スパイダーマン」のアクションシーンを特別編集したという3D映像が体験できる。



■ ソニーファン以外の気軽な参加も

会場のRoyal Garden Cafe 青山は、神宮外苑のイチョウ並木通りに面している

 今回のような体験イベントは、製品の発売前から企画されていたというもので、写真や映像ではなかなか伝えづらいHMZ-T1の楽しさを多くの人に味わってほしいということから実施に至った。

 これまでもCEATEC JAPAN 2011のブースやソニーストア先行展示などでHMZ-T1の体験自体は可能だったが、こうしたイベントに参加するソニーのファン以外にも、より幅広い層にアピールする狙いがある。期間中は、すぐ近くの明治神宮外苑で「東京デザイナーズウィーク2011」が開催されており、HMZ-T1の未来的なデザインなどに関心が高い層にも訴求する。

 HMZ-T1は既に予約受付を行なっているが、予約数は既に「想定外の数」(ソニーマーケティング)としており、量販店などではこれから予約しても、届くのが来年になる店舗もあるという。「これまでのイベントなどで体験した人から、Twitterなどを通じてすぐに広まった。5年くらい前には無かった現象」(ソニーマーケティング ホームエンタテインメントプロダクツマーケティング部 ホームビデオMK課 マーケティングマネージャーの中村芳彦氏)とする。

 この製品のプロモーションについては、他製品のようにテレビCMは流さないという。「クオリティを伝えるのに、カタログなどでいかに映像がすごいといっても、伝わる部分が限られている。他人が体験している姿そのものが『自分も体験したい』と思わせる効果があると思い、イベントを企画した」(中村氏)としている。



(2011年 11月 4日)

[AV Watch編集部 中林暁]