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QoA、藍井エイルとコラボした「Misty Blue」2DD + 2BAで約3.3万円。フェイスプレートはハンドペイント
2025年8月8日 09:00
サウンドアースは、QoAの新イヤフォン「Misty Blue」を8月11日に発売予定。ダイナミック型×2、バランスドアーマチュア(BA)×2を搭載する。価格は33,816円。アーティストの藍井エイルとコラボしたイヤフォンで、自身も音作りやデザイン決めに参加。「彼女のファンが楽しめるようなIEMを目指した」という。なお、発売日は8月11日だが、お盆期間にあたり、商品の物流や供給状況などの要因で発売日当日に商品を用意できない可能性も高くなっているという。
ドライバーは、10mm径で薄さ6μmのPETダイナミックドライバー×1と、8mm径のPETチタニウムダイナミックドライバー×1。さらに、KnowlesのBA×1、QoAがカスタムしたBA×1を搭載する。構成は4ウェイクロスオーバーの4ドライバー。
低音用は、6μmと薄い、10mm径のPETダイナミックドライバーが担当。振動板は薄いが強力なドライバーで、「深くクリアでパンチのある低音を再生する」という。特殊なボイスコイルを使うことで、歪みを低減。サスペンション設計により、電子音楽などでも、スムーズで微細な低音を再生できるという。
ミッドレンジ用は、8mm径チタンコートPETダイナミックドライバー。振動板にチタンコーティングを施しており、強度と柔軟性のバランスを追求し、クリアなミッドレンジを再生。「細部まで歌い手のニュアンスが再現された、滑らかで自然なボーカルを実現する」という。
中高域用にはカスタムQoA BAドライバーを採用。素早いレスポンスで、シンバルのきらめきやバイオリンの倍音を正確に捉えるとのこと。
高域から超高域は、KnowlesのBAドライバーが担当。メタルの振動板を使うことで、高い解像度を実現した。QoAがチューニングし、「シビランスやハーシュネスを抑えながら、音の空気感を保つ。バイオリンの倍音は、磨き上げられた銀に月明かりが差し込むように滑らかに伸びる」という。インピーダンスは30Ωで、感度は105dB±2dB。周波数特性は20Hz~20kHz。
藍色の砂を封じ込めたようなデザインも特徴で、「藍井エイルの声の本質を捉えている」という。1つずつ専任のペインターによる手描きハンドペイントFPを採用。「流れる砂は時間を、深い青は大空を象徴。光に凍りついた星屑のように、変化する世界の中で美が不変である音楽の世界へとリスナーを誘う」という。
ケーブルはOCC with Silver Platedで、0.78mm 2ピンで着脱可能。入力プラグは3.5mmアンバランスと4.4mmバランスが交換できる。長さは1.2m。さらに、USB-C - 3.5mmの変換アダプターも同梱。
イヤーピースはシリコンラバータイプを9セット。レザー収納ケースや2ポケットIEMポーチ、クリーニングクロスなども付属する。
ファーストインプレッション
短時間ではあるが、試聴したので、ファーストインプレッションをお届けする。なお、詳細なレビュー記事は、今後掲載予定だ。
「ダイアナ・クラール/月とてもなく」を再生すると、冒頭のアコースティックべースいがズシンと重く沈み、音像も肉厚で迫力がある。それだけでなく、弦の動きを細かく描写する解像度も高さも兼ね備えている。
10mm径のPETダイナミックドライバーと、8mm径PETチタニウムダイナミックドライバー、それぞれの長所を組み合わせた効果を感じる、良質な低域だ。
この豊かな低域に埋もれず、ピアノやボーカルの中高域が伸びやかに聴き取れる。高解像だが、キツイ音ではなく、人の声とてもナチュラル。中高域用のQoA向けにカスタムしたBAドライバーと、超高域用のKnowles製BA、その2つを上手く組み合わせているのが音からも伝わってくる。
また、ダイナミック型とBAという異なる方式を融合させているが、イヤフォン全体としての音はまとまりが良く、質感がチグハグになったりせず、聴いているとホッと安らぐようなウォームさを備えているのが魅力だ。
かといって“眠い音”ではない。
藍井エイル「IGNITE」(「ソードアート・オンラインII」のオープニングテーマ)を再生すると、暗闇を撃ち抜くような彼女の力強い歌声がソリッドに描写され、力強さだけでなく、息継ぎの際の小さな吐息も細かく描写してみせる。
疾走感のあるベースも、ハイスピードなだけでなく、量感がしっかりあるため、全体のバランスは腰高にならない。ゆったりと聴きたい曲はゆったりと、激しい楽曲は激しくと、ジャンルや曲調を問わずに魅力を引き出す、万能タイプのイヤフォンに仕上がっている。