【CES】ソニーが会見。Google TVや新LEDなどを披露

-サービスで“繋がる”を前面に


ハワード・ストリンガーCEO

 ソニーは2012 International CES開幕前日となる9日(米国時間)にプレスカンファレンスを開催。ハワード・ストリンガー会長兼CEOや、平井一夫副社長らが登壇し、同社の2012年の事業戦略や新製品を説明した。

 ハンディカムやGoogle TV、Xperiaなどの新製品も発表されたが、講演や展示の多くは、ネットワークサービス「Sony Entertainment Network」により、繋がる機器の世界や、新クラウド型写真共有サービス「PlayMemories Online」などのサービス連携を重視した説明となった。

 また、ブースには多数の参考展示品を用意し、既報の「Crystal LED Display」や裸眼3Dディスプレイなど、同社の将来技術もアピールしている。なお、ハンディカムなどの新製品については別記事で小寺信良氏が紹介している。


■ Google TVやBloggieなど新製品

 Google TVプラットホーム対応機種は、ネットワークメディアプレーヤーの「NSZ-GS7」と、Blu-rayプレーヤー「NSZ-GP9」の2製品を発表。2012年初夏に発売予定で、価格は未定。米国、欧州で販売し、日本での発売についても「未定」とのこと。

NSZ-GP9NSZZ-GS7

 従来のGoolet TV採用「Sony Internet TV」はテレビに統合したモデルもあったが、新製品はSTBとしてテレビにHDMIで接続する方式を採用。Androidマーケットでダウンロードしたアプリなども追加可能で、YouTubeの動画再生やキーボードを使った検索、ソニーのスマートフォン用アプリ「Media Remote」などを使った操作が行なえる。

 特徴は新開発のリモコン。表面にはタッチパッドを、裏面には文字が見やすいバックライト付きのキーボードを採用する。また、音声認識用マイクや、ゲーム対応の3軸モーションセンサーも備えているため、ゲームなどのアプリケーションを直感的に操作できるとする。プレーヤーとの接続はBluetoothを採用するほか、赤外線も備えており、AVアンプなどの機器も操作できる。

新開発のリモコンを搭載
新BRAVIAも発表。X-Reality Proの効果などを説明

 新製品関連では、ハンディカムのラインナップを一新。新ハンディカムの手振れ補正機能などをアピールしている。また、無線LANを搭載し、ライブストリーミング配信が可能なBloggie「MHS-TS55」などの新製品も投入。さらにNEX-7などの新デジタルカメラも順次米国市場に投入する。

 ブースでは、これらの新製品のほか、PlayMemories Onlineによる写真、動画共有などの容易さ、利便性なども積極的にアピールしている。


Wi-Fi配信対応カメラ「Bloggie MHS-TS55」PlayMemories Onlineによる写真共有

PS Vitaは2月22日の米国発売に合わせて、米国向けでNetflix対応

 米国で2月22日に発売するPlayStation Vitaも大規模展示。各ゲームプレイのほか、発売当日にソニーの動画配信サービス「Video Unlimited」とNetfilxに対応することも明らかにされた。

 Android搭載のウォークマンZシリーズの米国市場投入も発表。3月に発売予定で、8/16/32GBを用意。価格は249~329ドル。日本モデルと仕様はほぼ共通とのこと。


Androidウォークマンも米国発売バランスドアーマチュアイヤフォン「XBAシリーズ」も米国発売アクティブシャッター方式の新3Dメガネ「Titanium Glasses」

■ Crystal LED Displayなど参考出展

Crystal LED Display

 約600万個のLEDを使った次世代自発光ディスプレイ「Crystal LED Display」を次世代ディスプレイとして参考展示。詳細は別記事でレポートしているが、LED光源を用いた自発光ディスプレイで、R/G/B/各色の極めて微細なLEDを、それぞれ画素数分配置。フルHD解像度を実現し、画機種テレビに比べ、高コントラスト、高速動画応答性能、広色域、広視野角などをうたう。

 実際にデモを見た限り、確かに黒の沈み込みや色の深さなど、液晶との比較で目を見張るものがある。また、ほぼ側面に近い場所から見た場合でも、映像が白浮きせず、きちんと認識できることが印象的だった。製品化は未定としているものの、実用化に向けた研究開発を続けているという。量産のためには製造技術など、まだまだ改善が必要とのこと。

 また、46型と24型の裸眼3D液晶ディスプレイも参考展示。3D化の方式は非公開だが、2重像の見えにくい独自技術の採用により、自然な3Dを実現しているという。解像度は46型が3,840×2,160ドットで、「HD相当」の3D表示が可能。24型は1,920×1,080ドットパネルで、3D表示時には解像度はHDに満たない。


46型の4K裸眼3Dディスプレイ24型の裸眼3Dディスプレイ

 また、VAIOでは、スレートデザインのPCや、スライド式のノートPC試作機などを展示。あくまでコンセプトモデルとのことだが、スライド式ノートPCは普段はタブレット的に使えて、キーボードが必要な時に引き出す機構を採用するなど、ユニークな提案を行なっている。

VAIOコンセプトモデル

■ Play. Watch. Listen. Share.がテーマ

平井一夫副社長

 会見場となったソニーブースはLEDディスプレイによる大画面3Dを実現。3D映画紹介の後、ソニー会長兼CEOのハワード・ストリンガー氏が登壇。Sony Entertainment Network(SEN)による機器の融合をアピールした

 ストリンガー氏に続いて登壇した平井一夫副社長は、今回の発表のテーマを「Play. Watch. Listen. Share.」と紹介。SENのIDを持つことで、複数のソニーデバイスが互いに連携しあう世界を構築できることを訴えた。

 SEN上のビデオ配信サービス「Video Unlimited」は9カ国で、音楽配信サービスの「Music Unlimited]は13カ国でサービス開始。さらに、写真、動画共有の「Play Memories Onliine」との連携により、家庭や外出先であらゆるコンテンツにあらゆる機器から接続できる世界を構築できるとする。

Play. Watch. Listen. Share.をテーマにSony Entertainment Networkが軸にPlay Memories Onliineで動画、写真も共有

 また、ソニー・エリクソンのスマートフォンは、LTE対応の「Xperia ion」と、NXTシリーズの「Xperia S」を発表。ionは米AT&Tから2012年第2四半期に、Sはグローバルで2012年第1四半期に発売される。あわせて、ソニー・エリクソンの社名をソニーモバイルコミュニケーションズに変更することも発表した。

Xperia ionXperia_S新社名は「ソニーモバイルコミュニケーションズ」

 また、3Dや4Kも強化していく方針を説明。4Kのレンズからディスプレイまで持っている唯一のメーカーであることを活かし、シェア拡大を図る。また、MIB3出演のウィル・スミスも登壇し、ステージを盛り上げた。

4Kプロジェクタの投射デモも実施カメラからディスプレイまで一貫して4Kを手掛けることができるウィル・スミスも登壇

(2012年 1月 10日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]