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パナソニック、有機ELテレビを数年内に投入へ

−大坪社長がCES会場で言及。「大型化にめど」


CESの会場で有機ELテレビの市場投入に言及する大坪文雄社長

 パナソニックの大坪文雄社長は、International CES 2012の会場において、記者団の質問に答え、今後数年内に有機ELテレビを市場投入する考えを示した。

 大坪社長は、「有機ELテレビは大型で投入する考えである。2015年頃には、有機ELテレビの市場に広がる可能性があると見ているが、パナソニックの第1号製品は、当然、それより前に投入することになる」と語った。

 CESでは、韓国のサムスンおよびLG電子が、55型の有機ELテレビを展示。これらを年内にも発売することが見込まれており、有機ELテレビ時代の到来が間近であることを示した。


LG電子がCESで展示した55型有機ELディスプレイ

 「パナソニックは、サムスンやLG電子よりも遅れて市場投入することになる。遅れて出す以上、スペックで上回るものでなくてはならない。米国市場に遅れて投入しても挽回できる可能性がある。韓国メーカーが投入して市場がどう反応するのかを見るとともに、できるだけ早い時期に、商品として勝てる、ということを確信し、そのタイミングで投入したい」と、来年以降の市場投入を目標とし、サムスンなどとの競合を視野に入れた製品を投入する姿勢を示した。

 「有機ELは、薄型であることから、設置において自由度が高まること、圧倒的な省エネ性能が特徴となる。スマートテレビ化という現在の薄型テレビの進化方向と、有機ELという新たなパネルを組み合わせることで、プラズマテレビや液晶テレビに置き換わっていくことになる。だが、民生用だけでいくのか、サイネージ用途まで視野に入れるのかといったことはまだ固まっていない。有機ELでは、プラズマや液晶テレビとは違った材料の開発が必要になる。ただ、その素材開発については、日本のメーカーが強いと考えている。パナソニックでは、すでに、研究所において、大型化についてのめどがついている」などと語った。

 また、有機ELパネルの自社生産については、「プラズマパネルや液晶パネルのように自社生産のビジネスモデルで行くのか、それともパートナーから外部調達するのか、規模を絞り込んで自社生産するのかといったことは慎重に議論をしなくてはいけない。選択肢を広くしてやらなければならない。現時点で、一貫生産でやるのか、一貫生産ではない手法とするのかを明言することはできない」と語った。


有機ELの大型化のめどは既についていると語る大坪社長

 パナソニックは、2000年代にプラズマパネルの自社生産拠点に、積極的な投資を行なってきたが、ここ数年の世界的なパネルの余剰感や、為替の影響による国際競争力の低下などを背景に、プラズマパネルの生産拠点を4カ所から1カ所に、また日立製作所から買収した液晶パネルの生産拠点を含む2カ所の生産拠点を、1カ所に集約する構造改革を2011年に発表している。

 「重い設備をもって、自社で開発をし、巨額の投資をタイミングよく行なっていくということがうまくいかなかった。有機ELで同じ間違いを繰り返さないために慎重な議論が必要」と繰り返した。



(2012年 1月 12日)

[Reported by 大河原 克行]