ソニー、350Mbps転送のスマホ向け「TransferJet」LSI

-受信感度/消費電力改善。Android版SDKも提供


CXD3271GW

 ソニーは23日、近距離無線通信技術「TransferJet」対応LSIの新製品として、スマートフォン向けに350Mbpsの高速転送と業界最高の受信感度を実現した「CXD3271GW」を発表した。8月より出荷を開始する。サンプル価格は500円。

 デジタルカメラやパソコンなどの機器同士を近づけるだけで静止画や動画を転送/共有できるTransferJet規格に対応したLSI。スマートフォンなどのモバイル機器向けに、TransferJet規格の最高実効速度375Mbpsに近い350Mbps以上の転送速度を実現。また、受信感度は規格値の-71dBmを上回る-82dBm(Rate65受信時)まで高めた。

 転送速度の向上は、ホストインターフェースとして高速なSDIO UHS-Iへの対応や、デバイスドライバなどの新設計により実現。また、独自の高速伝送技術と広帯域RF-CMOS技術を採用したことで受信感度を高め、機器間の安定的な通信を可能にするという。

 加えて、従来外付け部品だったRFバランや送受信RFスイッチ、LDO、OTP-ROMをLSIに内蔵。マルチリファレンスクロックに対応したことで専用の外付け水晶発振器が不要となり、搭載機器の部品点数や実装面積の削減と低消費電力化を可能にするという。

 そのほか、Android機器への搭載を容易にするために、これまで開発者向けとして提供してきたLinux版ソフトウェアディベロップメントキット(SDK)に加え、Android版SDKも提供する。

 送信周波数は4.48GHz、チップレートは560Mcps、接続は1対1。送信時の転送レート選択機能を備える。消費電力は連続受信で265mW、連続送信で118mW、間欠受信で263μW。従来品「CXD3268AGW」比で34%の低消費電力化を実現している。パッケージはWFLGA(96ピン/6×6×0.72mm)。



(2012年 2月 23日)

[AV Watch編集部 中林暁]