ソニー、無線LAN/非接触充電デジカメ「TX300V」

-スマホやPCに無線で画像転送。GPSロガーにも


サイバーショット「TX300V」

 ソニーは、デジタルカメラ・サイバーショットの新モデルとして、無線LAN機能を内蔵し、ワイヤレスでスマートフォンやPCと接続・転送できる「DSC-TX300V」を3月9日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後。

 また、1月20日に発表した「DSC-WX50」と同様の機能を持ち、液晶をタッチパネルにした「DSC-WX70」も2月17日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は28,000円前後。




■DSC-TX300V

表面は鏡面仕上げ

 裏面照射型で、1/2.3型、有効1,820万画素のExmor R CMOSセンサーを搭載したデジタルカメラ。レンズは光学5倍ズーム。35mm換算で26~130mm(静止画4:3時)、28~140mm(動画16:9時/手ブレ補正スタンダード)、30~150mm(動画16:9時/手ブレ補正アクティブ)。全画素超解像技術を使った10倍ズームにも対応。

 AVCHDのフルHD動画も撮影できるほか、水深5mの防水機能(IPX8相当)や、防塵(IPX5相当)/耐低温機能も搭載。GPSも内蔵し、GPSロガーとしても使用できる。

 最大の特徴は、無線LAN機能を本体に内蔵している事。撮影した静止画をスマートフォン、テレビ、PCで再生・保存・共有できる。

 スマートフォンの場合、Android/iOS用に別途無料で提供されるアプリ「PlayMemories Mobile」をスマートフォン側にインストール。TX300Vのメニューから「スマートフォン転送」を選ぶと、無線LANを使ってスマホと接続。スマートフォンの「PlayMemories Mobile」から、デジタルカメラに保存された静止画を一覧表示でき、任意の写真を選び、スマートフォンにコピーできる。

 スマートフォン側では、FacebookやTwitterなどのSNSへ写真を投稿したり、メールに添付して送付するといった事が可能。なお、コピーできるのは静止画のみで、動画は非対応。また、静止画も自動的に200万画素、もしくはVGAに変換され、コピーされる。変換解像度はユーザーが設定可能。

 専用アプリをダウンロードした液晶テレビ「BRAVIA」からも表示が可能。この場合も静止画のみで、200万画素に変換される。

Android端末に「PlayMemories Mobile」をインストールアプリからデジカメへ接続「PlayMemories Mobile」からデジカメの中を閲覧。コピーしたい静止画を選ぶコピーした画像を、SNSに投稿する事もできる

テレビと連携しているところスマートフォンからデジカメの撮影動画を選択・コピーPCへの転送も無線で行なえる


その日撮影した画像だけを送るといった事も可能

 PCへの撮影データ保存も無線LANで可能。PC用ソフト「PlayMemories Home」を使うもので、差分データをPCに保存できる。また、「今日撮影したデータを保存する」といった事も可能。さらにTX300Vは非接触充電にも対応しており、充電台(マルチステーション UC-TH)も付属。この充電台に置いて充電を開始すると、PCに撮影データを保存するという事も可能。なお、PCの保存時は静止画だけでなく、動画も保存できる。また、静止画も200万画素に変換されず、そのままPCに保存できる。

 なお、非接触充電は独自規格となっており、「Qi(チー)」などには非対応。付属のマルチステーション UC-THとの組み合わせのみを想定している。

 また、TransferJet機能を本体に内蔵。同じくTransferJet機能を内蔵したPCなどに近付けることで、ストレージとして認識され、撮影データの転送などが行なえる。なお、本体にTransferJet機能を内蔵しているため、メモリーカードを問わずに機能が使える。


背面のメニュー画面。撮影データをPCに無線LAN経由で送信するためのボタンが用意されている同梱の充電台の上に本体を置けば、非接触で充電が可能

 メモリーカードはメモリースティックMicro、microSDカードに対応する。モニタは3.3型のエクストラファイン有機ELで、123万画素相当。

DSC-TX300V

 デジカメ機能としては、画像処理エンジン「BIONZ」のノイズ処理能力を向上。最高でISO 12800での撮影が可能になり、「プレミアムおまかせオート」モードでも利用可能。暗い場面でもカメラ任せで、ノイズを抑えた写真が撮影できるという。

 また、ISO 6400以上で有効になる機能として、撮影時に画素加算で撮影してノイズを低減すると共に、複数枚撮影を行なったデータを重ね合わせることで、さらにノイズを抑えた撮影を実現。さらに、1,820万画素のCMOSで、4つの画素を1つの画素として使った画素加算を行なう場合、撮影データの解像度は1/4の450万画素になるが、450万画素で撮影されたデータに全画素超解像処理をかけ、画素復元を行ない、1,820万画素で保存する事が可能。

 AFも高速化しており、明るいところでは0.1秒、暗いところでも0.2秒の高速AFが可能という。

 動画はAVCHDの1080/60pまでサポート。MP4でも撮影できる。撮影モードは「28M PS」(1,920×1,080/60p)、「24M FX」、「17M FH」(1,920×1,080/60i)、「9M HQ」(1,440×1,080/60i)、MP4は「12M」(1,440×1,080/30fps)、「6M」(1,280×720/30fps)、「3M VGA」(640×480/30fps)から選択可能。

 動画撮影時、強力な手ブレ補正を行なうアクティブモードにも対応。ワイド側は光学式、テレ側は光学式と電子式の補正を併用する事で、従来よりもより強固にブレを補正。ズームしたまま被写体を探すような場合でも、ブレが少ないため、被写体をとらえやすいという。

 スイングパノラマ撮影も可能で、顔検出や動きに対応。3D静止画を撮影する「3Dスイングパノラマ」にも対応する。トイカメラ風やパートカラー、ミニチュアなどが選択できる、ピクチャーエフェクト機能も搭載。従来モデルは7種類だったが、新たに「水彩画調」、「イラスト調」を追加した。「マイフォトスタイル」機能も備えている。

 GPSも備えており、撮影位置を記録するだけでなく、GPSロガー機能も搭載。一定間隔で位置情報を記録していくもので、記録を書き出し、Google Mapで読み込む事もできる。

 本体には出力として、HDMIマイクロ端子を装備。外形寸法は58.3×95.5×16mm(縦×横×厚さ)。重量は、本体のみで約119g、バッテリやメモリーカードを含めて約134g。



■DSC-WX70

ピンク(P)モデル

 既発表の「DSC-WX50」とほぼ同じ仕様ながら、タッチパネルの液晶を備えた製品。カラーはシルバー(S)、ブラック(B)、ホワイト(W)、ピンク(P)、バイオレット(V)を用意する。

 1/2.3型、有効1,620万画素の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載。画像処理エンジン「BIONZ」を採用し、信号処理技術を進化させる事で、ISO 12800での撮影にも対応。プレミアムおまかせオートモードで利用できる。


WX70のバイオレットモデルWX70の背面カラーバリエーション

 液晶モニタは3型(WX50は2.7型)で、約92万画素相当。HDMIミニ端子も備え、TransferJetやEye-fiに対応したメモリーカードも使用可能。記録メディアはメモリースティック デュオとSDカードに対応する。

 レンズは光学5倍ズームのカールツァイス バリオ・テッサーで、35mm換算の焦点距離は25~125mm(静止画4:3時)、29~145mm(動画16:9時/手ブレ補正スタンダード)、30~150mm(動画16:9時/手ブレ補正アクティブ)。全画素超解像を使った電子ズームと組み合わせる事で、10倍ズームも可能。光学式手ぶれ補正も備えている。

 動画はAVCHD形式で、1080/60iで撮影が可能。MP4録画にも対応する。動画撮影時の手ブレ補正は光学と電子式の併用で、アクティブモードに対応する。撮影モードは24M FX/17M FH(1,920×1,080/60i)、9M HQ(1,440×1,080/60i)、MP4:12M(1,440×1,080/30fps)、6M(1,280×720/30fps)、3M VGA(640×480/30fps)を用意する。

 トイカメラ風やパートカラー、ミニチュアなどが選択できる、ピクチャーエフェクト機能も搭載。従来モデルは7種類だったが、新たに「水彩画調」、「イラスト調」を追加。合計9種類となる。

 スイングパノラマ撮影も可能で、顔検出や動きに対応。3D静止画を撮影する「3Dスイングパノラマ」にも対応する。

 外形寸法は52×92.2×19.1mm(縦×横×厚さ)。重量は、本体のみで約98g、バッテリやメモリーカードを含めて約114g。

アクセサリも新たに発売される。写真はWX70で使えるソフトキャリングケースの「LCS-WM」(3,255円)。取り出しが楽に行なえるのが特徴。2月17日発売TX300Vに対応したソフトキャリングケース「LCS-THT」(4,410円)。本革製ケースで、同色のストラップが付属。シックなレッドの裏地が特徴。3月9日発売


(2012年 1月 30日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]