ソニー、スマホ+HDオーディオ対応の2.1chシアター

-実売23,000円。本格シアターと手軽にいい音を両立


HT-FS30

 ソニーは、スマートフォンやPCとの連携を強化し、ドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioなどにもフル対応した2.1chシアターシステム「HT-FS30」を4月28日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は23,000円前後。

 新開発の小型サブウーファや、スマート・BASS・テクノロジーにより音質を向上。また、HT-FS30と同等の技術を投入した32~46型テレビ用のシアターラック「RHT-G10EX」も4月28日に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後。


HT-FS30RHT-G10EX

■ HT-FS30

HT-FS30。スマートフォン連携を訴求

 小型のフロントスピーカーとサブウーファで構成する2.1chシアターシステム。従来モデル「HT-FS3」では、ドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオには対応していなかったが、FS30はTrueHDとDTS-HD MAの両方のデコーダを搭載するなど、シアターシステムとしての基本性能を向上。加えて、ポータブルオーディオやスマートフォン、パソコンとの連携を強化し、「手軽にいい音」も訴求する。

 サブウーファ部は従来モデル比で容積を27%削減し、外形寸法は約175×368×325mm(幅×奥行き×高さ)、重量7.5kg。フロントスピーカーは、約85×95×220mm(同)/0.46kg。本体の小型化による設置性の向上に加え、サウンドバーとは異なり、小型~大型のテレビ、パソコン、スマートフォンなどのポータブル機器など、用途に合わせて位置を調整できる点を「手軽にテレビの音をグレードアップしたいユーザー」、「スマートフォン/PCもいい音で楽しみたいユーザー」の双方にアピールしていくという。


HT-FS30ウォークマンと接続サブーウーファ

 サブウーファ部に、フルデジタルアンプ「S-Master」を搭載し、本体内での音質劣化の抑制と、原音に忠実な再生を追求。最大出力はフロントが133W×2ch、サブウーファが134W。スピーカーユニットはフロントが55×80mmのフルレンジ、サブウーファが130mm径ウーファを搭載。エンクロージャはいずれもバスレフ型。

 低域表現も新機能「スマート・BASS・テクノロジー」で強化。従来の小型サブウーファでは、筐体の内容積の影響で再現できない低域成分があり、聴感上音の密度が薄く感じる場合があったが、その低域成分を音響心理を応用した独自のアルゴリズムで再現するという。これにより、心地よい音の広がりや、厚みを感じることができるとする。


スマート・BASS・テクノロジーの効果イメージ
背面

 サブウーファ部にHDMIを入力3系統/出力1系統装備。CECに対応し、対応するテレビやBDレコーダなどのリモコンで「HT-FS30」を操作できる。また、光デジタル音声入力×2と同軸デジタル音声入力×1、アナログ音声入力(RCA)を装備。FMチューナも搭載する。日本語リモコン(RM-AAU115)が付属する。


ポータブルオーディオエンハンサーの効果説明

 ポータブルオーディオやパソコンとの連携強化は、「ポータブルオーディオエンハンサー」の搭載。アナログ音声入力時に自動的に音質補間機能「ポータブルオーディオエンハンサー」を適用することで、音質を向上。スマートフォンやウォークマンなどの接続用に、ステレオミニ-RCA変換ケーブル(1.5m)が標準で同梱される。


自動的にポータブルオーディオエンハンサーを適用ノートPCやウォークマンと接続
S-Force PROフロントサラウンド 3D

 シアター向けの機能としては、前方のスピーカーだけで仮想的にサラウンド音場を再現する「S-Force PROフロントサラウンド 3D」を搭載。センター成分が上方に定位するチューニングを追加し、聴感上で画面とセリフの聞こえる位置がマッチ。音と映像の一体感を向上したという。

 サウンドモードは、ポータブルオーディオエンハンサー、ムービー、ミュージック、ゲーム、スポーツ、ドラマ、ニュース、スタンダード、2chの9種類。対応するBRAVIAや、BDレコーダなどと接続することで、EPGの番組ジャンルを元に適したモードへ自動で切り替える「オートジャンルセレクター/シーンセレクト」も搭載する。小音量でも明瞭なセリフを実現する「クリアーボイス」も追加された。


DOLCE SOUND
 また、HT-FS30とスマートフォンやオーディオプレーヤーを組み合わせた音楽体験や音楽空間をアピールする専用コンテンツ「DOLCE SOUND」もオープンしている。



■ RHT-G10EX

RHT-G10EX

 32~46型のBRAVIAに対応したシアターラック。2.1chのデジタルアンプ「S-Master」とスピーカーを内蔵し、出力は、フロント110W×2ch、サブウーファが80W。スピーカーユニットは、アコースティックサスペンション型の65mm径フルレンジと、80mm径サブウーファ×2を使用する。

 従来モデル「RHT-G10」からの変更点として、デザインの一新のほか、収納力の向上、スマートフォン連携強化などを図っている。外観設計を見直し、側板に厚みを持たせて安定感あるデザインとしたほか、可動式の2段棚板を採用。これにより、初代PlayStation 3(厚み98mm)も上段に収納できるようにするなど、棚板への機器設置自由度を向上している。また、スマートフォンやポータブルオーディオ接続用のアナログ音声入力(RCA)を装備し、ケーブル(1.5m)も付属。HT-FS30と同様に入力信号に自動的にポータブルオーディオエンハンサーを適用し、高音質再生が可能という。

 独自のフロントサラウンド機能「S-Force Pro フロントサラウンド3D」を搭載し、フロントスピーカーだけで、立体的なサラウンド感を楽しめる。また、新開発のサブウーファとスマート・BASS・テクノロジーにより、広がりある豊かな低域再生を可能にするという。番組と番組の間や、CMへ移ったときの音量差など、視聴中の突然の大音量を適正化させる「アドバンスト自動調整機能」も搭載する。

RHT-G10EXアナログ音声入力はポータブルオーディオに最適化
背面

 HDMIは入力を3系統、出力を1系統搭載し、3DやARC(オーディオリターンチャンネル)、CECに対応。ドルビーTrueHDや、DTS-HD Master AudioなどのHDオーディオをサポートする。HDMIのほかに、音声入力として光デジタル×2と同軸デジタル×1、アナログ×1を備える。FMチューナも内蔵する。

 外形寸法は約1,130×435×460mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約33kg。消費電力は約60Wで、待機時は0.3W以下。


(2012年 3月 1日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]