CEED、共振を大幅に抑えたスピーカー「attitude 682s」

-2基ユニットを背中合わせ配置で反作用キャンセル


attitude 682s

 CEED(シード)は、2つのスピーカユニットを背中合わせに連結し、共振を大幅に低減したというスピーカー「attitude 682s」を発表した。同社サイトで注文を受け付けており、通常価格は1台17万円だが、発売記念として、5月末までのオンライン限定特価1台14万円で受注している。納期は注文から約2週間。送料は無料。

 通常のスピーカーは、振動板の前面に音を放射する一方、その背面に向けて反作用も発生し、それを受けてエンクロージャが振動する。そのエンクロージャから、位相のずれや歪みが付加された音が放射され、音質を低下させる原因となる。

 CEEDではさらに、「反作用の力を受け止めるエンクロージャーが振動すると、その振動と、振動板の振動とが相殺され、空気へのエネルギー伝達効率が低下する」、「エンクロージャの振動がユニットに伝搬して干渉する」、「振動板に空気の反力が伝達され、音響振動に応じた反作用によって駆動部が振動。空気へのエネルギー伝達効力が低下し、過渡特性(トランジェント)を悪くする」事も、振動による影響として挙げている。

 そこで「attitude 682s」では、2つのユニットを背中合わせに連結し、緩衝材を介してエンクロージャに搭載。反作用を打ち消し、共振を大幅に低減した“揺れないスピーカー”としている。ユニットはリンケージシャフトによりエンクロージャーからは独立した、フローティングマウントとなっており、エンクロージャとの相互干渉も防いでいる。この機構をCEEDでは「FCDL (Floating Counter Drive Layout)」と名付けている。

 こうした機構により、優れたトランジェント特性を実現。通常のフルレンジスピーカーと比べ、高い低音再生能力も獲得したという。さらに、エンクロージャ内部で2つのユニットの低域を合成し、低域再生能力を高めている。

 内部の配線にはPCOCC 1.6mm径の単線を使用。メインユニットの過剰振幅を制御し、カウンター用ユニットとの振動モードを揃える同調回路、カウンターユニットの中高音域を消音するためのバックチャンバーなども備えている。

 エンクロージャはフロントバスレフ。ユニットの口径は2基とも80mm。磁気回路にはネオジウムマグネットを使用。再生周波数帯域は40Hz~22kHz/-6dB、再生周波数レスポンスは45Hz~22kHz/-3dB。能率は82.6dB(2.83V/1m)。インピーダンスは4Ω(最低3.8Ω)。推奨アンプ出力は30~100W。

 外形寸法は160×320×360mm(幅×奥行き×高さ/スパイク・ターミナル除く)。重量は8.2kg。


正面側面背面

(2012年 4月 5日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]