東芝、ゴルフモード搭載ファミリーレグザ「50G5」

-高麗/ベントグリーンを判別。ゴルフ好きのために


ファミリーレグザ 50G5

 東芝は、液晶テレビ「REGZA」の新モデルとしてゴルフモードやファミリー向け機能を強化した「ファミリーレグザ 50G5」を6月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は20万円前後。

 50型/1,920×1,080ドットのVAパネル液晶を搭載したテレビ。バックライトはLEDで、120Hzの倍速駆動「倍速・モーションクリア」に対応。コントラスト比は5,000:1、ダイナミックコントラストは580万:1。映像処理回路はCEVOでは無く、「レグザエンジン」で、超解像技術のレゾリューションプラスを搭載するほか、新たに「ゴルフモード」を搭載。芝の質感をくっきり立体的に表現し、ゴルフ中継の臨場感を高めるという。アニメモードやゲーム遅延を抑制する「ゲームモード」なども搭載している。3Dには対応しない。

 50型の大画面ながら、フレーム幅19.7mmの狭額縁デザインを採用。チューナは地上/BS/110度CSデジタル×2で、別売のUSB HDDへの録画に対応。裏番組録画も可能。録画した番組を「おとうさん」、「おかあさん」など家族それぞれのフォルダに分けて管理できる。「一発録画・予約」や「週間番組表」、「簡単連ドラ予約」、「ちょっとタイム」などの録画機能を搭載する。

 画質や録画機能など「ゴルフ」の視聴/録画を強化したことが特徴で、コンテンツモードにオート、テレビアニメなどのほか「ゴルフ」モードを搭載。ゴルフモードではグリーンと推測される緑を検出し、芝のディテールや質感を向上する。これにより芝の立体感を際立たせ、アンジュレーション(うねり)などの芝の状態を把握しやすくし、「高麗グリーンとベントグリーンの違いもわかる」という。

 また、明るい日差しの中で中継で発生しがちな白飛びを抑え、ウェアやグローブのシワやたるみなども表現。ボールのディンプル(くぼみ)なども正確に再現できるとする。

ファミリーレグザ 50G5ファミリーレグザ 50G5
ゴルフモードを搭載コンテンツモードにゴルフを用意
ゴルフの録画予約も強化

 録画機能についても、ゴルフに特化した強化を行なっている。ジャンル検索のトップ項目を「ゴルフ」とし、検索して一覧表示し、ゴルフ関連番組をまとめて録画予約できる。フォルダ名を「ゴルフ」に設定し、ゴルフ関連番組をまとめて管理できるほか、ブラウザでゴルフ場や選手の情報を調べたり、ゴルフ場の予約状況を確認できるとしている。

 視聴環境に合わせて画質を調整する「おまかせドンピシャ高画質」を搭載。番組表は曜日の文字を拡大した新デザインで、週間番組表も8日分を表示可能。BS多チャンネル放送に対応し、BSボタンを押すと専用メニューからリモコンキーを使ってダイレクトに選局できる。


番組検索で「ゴルフ」ゴルフの検索結果マイフォルダ

 出力10W×2chのスピーカーを搭載。セミボックス型のエンクロージャと4×12cmのフルレンジスピーカーにより、歯切れのよい明瞭な低域再生を可能にしたという。リモコンも数字キーの文字の大きさを約35%拡大し、視認性を向上。節電ボタンも装備し、バックライトレベルを50%OFF、75%OFFの2段階で調節できる。リモコンの時計ボタンで画面右上に大きく時刻表示する「いつでも時計」にも対応する。

リモコン

 入力端子はHDMI×3、D5映像×1、コンポジット×1、アナログ音声(RCA)×1。Ethernetも装備する。ネットワークサービスも新UIを採用。新たにスカパー! オンデマンドやU-NEXTに対応したほか、アクトビラやTSUTAYA TV、Yahoo!、T's TV、GyaO、Shopping Placeなどに対応する。Webブラウザも搭載する。

 消費電力は146W(待機時0.3W)、年間消費電力量は105kWh/年。外形寸法は113.8×28.8×72.9cm(幅×奥行き×高さ)、重量は28kg。


ネットワークサービスサウンドリモコンの強化ポイント

■ ゴルフが好きのための「REGZA」。金子プロらから提案も

左から森下千里さん、金子プロ、芹沢名人

 50G5の発表にあわせて、PRイベントも開催。ゲストとして金子柱憲プロとタレントの森下千里さん、ゴルフ番組などでパーソナリティを務める芹沢名人が参加し、REGZAの商品企画を担当する東芝デジタルプロダクツ&サービス社 商品統括部 TV商品部の本村裕史氏が「ゴルフを見るならレグザ」をアピールした。

 本村氏は「ゴルフが好きな人のために、ゴルフをとことん楽しむREGZAを開発しました。50G5の“G”はゴルフのG、グリーンのG、金子プロの金の“Gold”。こんな時代テレビをどうやって楽しむかがすごく大事。ドラマが好き、アニメが大好き、映画が大好きな人いろいろいるが、ゴルフが大好きな人のために作りたかったのが50G5」と説明した。

金子プロ(左)と芹沢名人(右)

 金子プロと芹沢名人は、ゴルフ中継を楽しむためには「表情」、「パッティング」などに注目してほしいと語り、「芝目が読めない」という森下さんの悩みに回答。本村氏は「そんな人のためにレグザ。今回まず目指したのはベントグリーンか高麗グリーンかすぐにわかるということ。芝のアンジュレーション、純目/逆目が見えるテレビを目指した」とし、ゴルフモードの選択方法やON/OFF時の画質差などを披露した。

 森下さんは「ドラマでたまたまグリーンが出ているシーンではどうなるんですか?」と質問すると、本村氏は「その際にも芝がより青く見えると思います。まじめに言うと(ゴルフの)グリーンじゃなくても人工芝でも結構効きますね」と説明。金子プロも「これだけ見えるとゴルフ場のメンテナンスの人も気を使いますね」と語った。

 金子プロは、「ゴルフモードなんてテレビに入れていいんですか? 」と本村氏に質問。本村氏は、「テレビの基本はわくわく楽しい。技術的な話、すごいぞーというアピールが最近多いが、本来はくつろいで感情移入して楽しむもの。そのために重要なコンテンツだから最高画質で見てほしい」と答えた。

森下千里さん。ベストスコア94と紹介されたが、「最近93になった。いずれは80台を出したい」とのこと。「ジャンボさんのナンパ? 話」などで会場を盛り上げた東芝DP&S社 商品統括部 TV商品部 本村氏

 また、録画機能についても説明。「土日はトーナメント見ようとしても、ゴルフに行っている」ということで録画を活用しようというテーマだが、金子プロは「最近のテレビは普通録画できますよね」と厳しいツッコみ。そこで本村氏は「まず番組表から、番組検索をするとゴルフ番組をまっ先に検索します」と紹介。ジャンルの初期設定が「ゴルフ」になっていることをアピール。連ドラ予約を使ったレッスン番組の毎週予約などを紹介し、芹沢名人が出演している「ゴルフダヴィンチ」を連ドラ録画。「番組延長も自動追従するので、番組が打ち切りになるまで録画します」とアピールした。

 録画番組を「10秒戻し」で何回でもスイングチェックできることを紹介。金子プロは、「頭の位置やスイングの形など何度も確認できるのは便利」としたが、森下さんは「スイングの軌道に線を引きたい」と提案。本村氏は「……アイデア頂いたので検討します」とやや自信なさげに回答した。さらに芹沢名人から「バンカーもいろいろありますけど?」と振られると「サンドモード? 作るの忘れていました」と応じた。

AV評論家の藤原陽祐氏

 画質については、自らもゴルフ好きというAV評論家の藤原陽祐氏も解説。「芝目をわかりやすく、というと普通は派手にディテールを強調するようなやりかただが、REGZAは、質感をしっかり出すような画作り。離れてみるとよくわかるというプロぽいモード。ゴルフが好きな人が居るんでしょうね」といって本村氏のほうに目を向け、「ぜひ、ここで終わらず、先程話に出たバンカー、さらに水や風、空気の寒暖とか、質感、雰囲気がグングンくるテレビを期待したい」と語った。

 本村氏は「ゴルフも、バンカーも、ニッチな声を束ねてメジャーにしていきます。ウォーターハザードをキレイに見たいという人がいるかは疑問ですが……」と回答。すると芹沢名人は「ウォーターハザードといえば……」として、金子プロの伝説を紹介。'96年のサントリーオープン最終日でトップを快走していた金子プロが16番のショートホールでウォーターハザードにより「12打」を記録したというエピソードで、池に入ったボールを打とうとして失敗。しかもそのバックスイング時にクラブが水面に触れていたことを指摘され、ビデオ判定した結果、「確かに微妙だが触れていた。しかも2回も触れていた」とのこと。「当時REGZAがあれば、微妙じゃなくて、ばっちりわかっちゃいましたね」として金子プロは振り返った。

ノベルティとして「とらや」のゴルフボール型最中も

(2012年 5月 29日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]