CCC、アジアのコンテンツ事業で台湾CMCと資本業務提携
-ネット配信や映画、版権事業などで協力
左から得利影視の蔡得利社長、CMCの翁明顕会長、CCCの増田宗昭社長兼CEO |
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は25日、台湾CMCグループ(中環集団)との戦略的資本・業務提携に合意したと発表した。
CCCは、CMC子会社で台湾の映画配給大手である得利影視に対して、約2.44億台湾ドルを出資する予定。出資後はCCCが得利影視の発行済み株式数の約33.4%を保有することになる。今後両グループは、中国をはじめとする東北アジアを中心とした国際的なエンタテインメント事業を計画していくという。
CMCグループは光ディスク製造の世界最大手で、子会社の得利影視は、ハリウッドやジブリ、BBCなど製作スタジオのコンテンツ販売代理権を持つ台湾の映画配給・映像ソフト販売会社。得利影視はCMCグループと共同で台湾の文化産業支援も行なっており、台湾のインディペンデント映画やドラマに出資して「海角7号、君を想う」、「転べ! 信ちゃん」、「セディク・バレ」、「陣頭」などのヒット作を制作してきた。今回のCCCとの提携により、「これまで以上に東北アジア作品の版権の取得を拡大、台湾映画の東北アジア各地への輸出に繋がる」としている。
一方、CCCは今回の提携により得利影視をはじめとするCMCグループを戦略的パートナーとし、台湾・中国をはじめとした東北アジアでの新たなエンターテインメント事業などの展開を図るという。
今回の提携では、まずコンテンツ調達分野で相互の連携を行ない、CCCは日本国内におけるノウハウを活かして得利影視が計画している台湾国内におけるデジタル配信事業の展開に協力。今後は、日本・台湾・中国の映画産業におけるコンテンツ流通事業や、版権事業を展開する予定。
CMCグループの翁明顕会長は、「CMCの今後の経営戦略は、台湾から国際的な市場を視野に入れること。そのため、今回の戦略的提携は非常に喜ばしいものであり、共に東北アジアの娯楽事業に新たなプラットフォームを構築する」とコメント。また、得利影視の蔡宏秀氏は「得利影視とCCCとの戦略的提携は、つまり双方が台湾・中国・日本の映画産業において販売ルートや版権取得に非常に強いプライオリティーを持つことであり、ネクストステップとしては、日本やその他のアジア諸国の海外版権の代理権を取得し、台湾国内におけるコンテンツをより豊富にしていくことを視野にいれていきたい」としている。
CCCの増田宗昭社長兼CEOは、「台湾映画等の新たなコンテンツをTSUTAYAに導入できる機会が増える。また、得利影視が強化するデジタル配信サービスにも、CCCのネット宅配レンタル「TSUTAYA DISCAS」・デジタル配信「TSUTAYA TV」のシナジー効果が期待できる。CCCの既存事業のノウハウや顧客価値創造の企画力を活かし、CMCグループと共にアジアのエンタテインメント事業の新たなプラットフォームを構築し盛り上げていきたい」としている。
(2012年 6月 25日)
[AV Watch編集部 中林暁]