三菱、赤色レーザー搭載55型液晶TVのブラックを限定発売

-家電事業の新コンセプトは「スマートクオリティ」


新コンセプトのイメージキャラクター・杏さん(左)と、三菱電機の常務執行役 リビング・デジタルメディア事業本部長 梅村博之氏(右)

 三菱電機は21日、家電部門において新たに「スマートクオリティ」というトータルコンセプトを掲げることを発表。このコンセプトの下に展開する製品の展示会を記者向けに開催した。

 会場は東京ビッグサイトで、ルームエアコンや冷蔵庫、テレビ/Blu-rayレコーダ、太陽光発電システムなど同社が扱う様々な製品を一堂に展示。なお、22日~23日には同会場で販売店向けの内覧会を実施予定で、その際は業務用のエアコンやデジタルサイネージなども展示。「スマートハウス」を紹介するコーナーも設ける予定。


REAL LASERVUEのブラックモデル「LCD-55LSR3BK」

 展示会の中で、同社はバックライトにバックライトに赤色レーザー光源とシアン色LEDを使って色再現性を向上した55型液晶テレビ「REAL LASERVUE(リアルレーザービュー)」の新色ブラック「LCD-55LSR3BK」を展示。9月21日より数量限定で発売することを明らかにした。価格はオープンプライス。既発売モデル「LCD-55LSR3」の発売時の店頭予想価格は38万円前後だったが、ブラックの価格は現在のLCD-55LSR3の実売価格と同等になると見込まれる。

 赤色レーザー+シアン色LEDのバックライトを採用した液晶テレビ。パネルは55型/1,920×1,080ドットのフルHDで、別売の3Dメガネ「EY-3DGLLC2」を追加することで、3Dにも対応する。既発売のLCD-55LSR3はベゼルやスタンドなどがマットなブロンズカラーだったが、新モデルは光沢のあるブラックを採用。ブラックモデルへの要望が高かったことから発売に至ったという。


左が既発売のブロンズモデル。右がブラックベゼルなどの表面仕上げも異なっている本体内部(ブロンズモデル)

 カラー以外の仕様は既発売モデルと同じ。人の目で識別しやすい赤色に純度の高いレーザーを採用したことで、赤い色の再現性や階調表現を向上。また、白色LEDでは各色成分が混合して濁った光となるが、緑と赤の光波長がきれいに分離されているため、深緑やスカイブルーなどの色再現性も改善している。

 音質の高さも特徴で、カーボンナノチューブを配合した同社独自の「NCV振動板」を採用したDIATONE NCVスピーカーを搭載。スピーカー構成は、センターに4個、左右にサイドに各2個、ウーファ2個の合計10ユニット。「DIATONE サラウンド5.1」なども採用する。

 地上/BS/110度CSデジタルトリプルチューナと1TB HDDを搭載し、2番組同時録画中の裏番組視聴も可能。最長12倍のMPEG-4 AVC/H-264長時間録画や、おすすめ自動録画、おすすめ自動チャプターなどを搭載。スポーツや音楽番組のみどころだけを自動再生できる「見どころ再生」にも対応する。ネットワーク機能として、DLNAサーバー機能や、DLNA/DTCP-IP再生機能などに対応。オートターンにも対応する。

MDR3シリーズに搭載したBluetoothのデモ。iPod touchの音楽を、テレビのスピーカーで聴けるBDレコーダのDVR-BZ260/360会場には、エアコンや冷蔵庫といった家電や太陽光発電システムなどが展示された
新製品として、冷蔵庫「JXシリーズ」や、ルームエアコン「ハイブリッド霧ヶ峰」も発表。これらの製品については、僚誌・家電Watchにおいて掲載予定ルームエアコンは、人がいなくなると自動でOFFになる「スマートSTOPシステム」を採用している


■ 「スマートクオリティ」のイメージキャラクターに杏を起用

常務執行役 リビング・デジタルメディア事業本部長の梅村博之氏

 「スマートクオリティ」という新コンセプトは、震災に起きた消費者の意識や価値観の変化に合わせて決められたもの。三菱電機の常務執行役 リビング・デジタルメディア事業本部長の梅村博之氏は、“賢い、つながる、ムダがない”技術を「スマート」と定義し、「日本の明日にスマートなクオリティを提供する」とした。

 同社は、「映像情報」(テレビなど)や、「給湯暖房」、「太陽光発電」、「調理家電」、「換気空調」、「照明」、「家事家電」という7つの家電事業領域を持つ。これらをつなぐシナジーとして「スマートハウス」に取り組み、大船にあるスマートハウスにおいて電気自動車やHEMSコントローラーなどを連携させた実証実験に取り組んでいることも紹介した。


家電部門のコンセプトの全体像「スマートクオリティ」が目指すもの業務用の映像機器「DIAMOND VISION」も、スマートクオリティの取り組みとして展開
イメージキャラクターに起用された杏さん

 「スマートクオリティ」のイメージキャラクターには、モデル・女優の杏さんを起用。8月末からはテレビCM「スマートクオリティ宣言編」もオンエアする。発表会にもゲストとして登場。「スマートクオリティの良さを、私自身も楽しみながら提案し、学びながらこの先の暮らしに活かしていきたい」と語った。

 なお、これまでのコンセプトだった「ユニ&エコ チェンジ!」は「スマートクオリティ」へと置き換わるため、キャラクターである「ユニ&エコ」の活動も終了となる。ルームエアコンのイメージキャラクターである宮里藍さんや、冷蔵庫のイメージキャラクターである菊池桃子さんらは引き続き起用される。


「大役にすこし緊張している」と杏さん8月末から新CMが始まるこれまで同社のキャラクターとして活動してきたユニ&エコ(2007年撮影)


(2012年 8月 21日)

[AV Watch編集部 中林暁]