ソニーとベルリン・フィルがオーディオ商品高音質化で協業
-DCHを1080i化。IFAでは4Kコンテンツも
ソニーは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とベルリン・フィル・メディア社とともに、オーディオ商品の高音質化やコンサート映像のオンライン配信サービスの更なる高画質化・高音質化を目的とした協業を開始した。
今回の契約により、ホームシアターなどのオーディオ商品の高音質化に向けて、コンサートホール音場やアーティストが意図するパフォーマンスの家庭での再現など、高画質映像と最高の音質を追求するうえでの技術開発を進めていく。
ベルリン・フィル・メディアは、2008年12月設立以来、ベルリン・フィルハーモニーで開催された過去のコンサート映像や、年間約30回行なわれる演奏会を家庭からリアルタイムで鑑賞できる映像オンライン配信サービス「デジタル・コンサートホール(DCH)」を運営している。同社はコンサートホールの音響特性やアーティストの感性を熟知しており、そのノウハウを駆使してDCHのコンテンツ収録・配信を実施。今回の契約を通じ、ソニーが、業務用機器と技術サポートを新たに提供することで、従来(720p)よりも高画質となるフルHD(1080i)の映像配信サービスを実現するという。
ソニーは、オーディオ商品の開発において、ベルリン・フィル・メディア社のトーンマイスター(ドイツの国家資格。録音現場において、それぞれの作曲家の音楽が要求する音色を的確に捉え、演奏家の持ち味を引き出す技術を持つ専門家)と音作りの段階から連携するなど、音質評価・開発における技術協業を進める。さらに、ベルリン・フィル・メディアのライブ映像制作監督と、DCH撮影を通じて、映像表現技術のさらなる追求において連携。コンスーマーやプロフェッショナル機器などの商品開発にも活かすという。
このほか、3社は、マーケティング活動でも協業。「IFA 2012」では、4K映像の撮影に対応したソニーのカメラや撮影技術を活かし、ベルリン・フィルハーモニック・ホールで収録した4K映像コンテンツのデモを実施する。
(2012年 8月 30日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]