ペンタックス、約200g/フルHD動画対応ミラーレス「Q10」

-一眼レフ「K-5 II」とローパスフィルタ無しモデルも


 ペンタックスリコーイメージングは、超小型デジタル一眼カメラ「PENTAX Q10」を10月中旬より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は「ボディキット」(ボディ単体)が3万円台半ば、「ズームレンズキット」(PENTAX-02 STANDARD ZOOM付き)が5万円前後、「ダブルズームキット」(PENTAX-02 STANDARD ZOOM/PENTAX-06 TELEPHOTO ZOOM付き)が7万円前後。

 カラーはシルバー、ブラック、レッドの3色をレギュラーカラーとするほか、97種類の「オーダーカラー受注サービス」も実施。合わせて100色から選べる。カラーオーダー時の価格はレギュラーカラーと同じだが、納期は受注後最短約2週間となる。

 また、デジタル一眼レフの最上位モデル「PENTAX K-5 II」と、同モデルのローパスフィルタ無しモデル「PENTAX K-5 II s」も10月中旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、「PENTAX K-5 II」のボディ単体が11万円前後、「PENTAX K-5 II 18-135WR レンズキット」が16万円前後、「PENTAX K-5 II s」のボディ単体は12万円台半ば。

PENTAX Q10(ブラック)PENTAX K-5 II

 いずれの機種も、静止画のほか最大フルHDの動画撮影に対応。動画のフォーマットは両機種で異なり、Q-10はMPEG-4 AVC/H.264、K-5 II/K-5 IIsはMotion JPEG(AVI)となっている。

製品名発売時期店頭予想価格
PENTAX Q10
ボディキット
10月中旬3万円台半ば
PENTAX Q10
ズームレンズキット
5万円前後
PENTAX Q10
ダブルズームキット
11月上旬7万円前後
PENTAX K-5 II
ボディキット
10月中旬11万円前後
PENTAX K-5 II
18-135WRキット
16万円前後
PENTAX K-5 II s
ボディキット
12万円台半ば


■ Q10

 小型軽量化を追求したミラーレス一眼「Q」シリーズの新モデル。2011年8月に発売した「PENTAX Q」をベースに、新たに採用した1/2.3型 有効1,240万画素のCMOSセンサーとアルゴリズムの改良などで基本性能を向上。高い解像感とAF高速化を実現したことが特徴。

 外形寸法は102×33.5×58mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約200g。レンズマウントは「Qマウント」。外観は、ミニチュアのようなQのデザインを継承しつつ、ホールド性を高めるグリップを採用した。

レッドシルバー

 動画撮影は、最大1,920×1,080ドット/30fpsで、記録形式はMPEG-4 AVC/H.264。1,280×720ドットや640×480ドットの撮影も可能。フィルタ効果の「スマートエフェクト」などの処理機能は動画にも適用できるほか、カメラ内動画編集機能も備える。また、背面のOKボタンで動画撮影中のAF作動が可能。内蔵マイクはモノラル。動画の記録時間は最長約25分(内部温度上昇時は自動終了)。HDMIマイクロ出力も備える。

 静止画撮影では、「ボケコントロール」や、全9種類の「カスタムイメージ」、全19種類の「デジタルフィルター」が利用可能。感度はISO 100~6400まで設定可能。高感度ノイズも大幅に低減したほか、複数枚を合成するHDR機能も搭載した。手ブレ補正はCMOSセンサーシフト式。静止画はJPEG/RAWに対応し、JPEGの連写は最高約5コマ/秒。

 液晶モニタは3型/46万画素。記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードを使用。バッテリはリチウムイオン充電池「D-LI68」を使用し、連続撮影枚数はストロボ50%発光で約250枚、ストロボ発光無しで約270枚。

「オーダーカラー受注サービス」とレギュラーカラーを合わせると計100色のカラーバリエーションになる

 Q-10のボディなどのカラーを選べる「オーダーカラー受注サービス」は、カメラボディ20色と、グリップ5色の組み合わせにより97種類から選択可能。ボディ単体とズームレンズキット、ダブルズームキットのいずれも対応するが、レンズのカラーはシルバーとなる。カラーの種類は同社サイトやカタログに掲載されており、注文は製品取り扱い店の店頭で行なう。同社にて受注後、最短約2週間で取扱店へ出荷される。初回出荷は、レギュラーカラー発売日の約2週間後を予定している。



■ K-5 II/K-5 IIs

ローパスフィルタ無しのK-5 IIs

 デジタル一眼レフカメラ「Kシリーズ」の最上位機種。2010年10月に発売したK-5の後継機で、新開発のAFモジュール「SAFOX X」(サフォックス・テン)を搭載したことでAF輝度範囲を大幅に向上。「従来以上にハイアマチュアの方々にもご利用いただける」としている。レンズマウントはKAF2マウント。

 ローパスフィルタ無しの「K-5 IIs」は、モアレなどの原因となる高周波を遮断するローパスフィルターを省くことで、解像度の低下を抑えた撮影ができるモデル。風景など立体感のある撮影に適している。

 新開発のAFモジュール「SAFOX X」は、高感度化によりAF輝度範囲-3EV~+18EVに対応。また、従来のF5.6に加えF2.8の光束にも対応。大口径レンズ使用時において、より精度の高いピント検出が可能になったという。周辺の測距点の距離情報を参照しセレクトポイントから動体が外れても追尾を継続する「セレクトエリア拡大」機能も備える。

 動画撮影は、1,920×1,080ドット(25fps)のほか、1,280×720ドット/640×480ドット(いずれも30/25fps)に対応。フォーマットはMotion JPEG(AVI)。静止画記録はJPEG/RAW。静止画/動画ともに「カスタムイメージ機能」が利用できる。

 撮像素子は23.7×15.7mm(APS-Cサイズ相当)。手ブレ補正はCMOSセンサーシフト式で、上下左右と回転方向の動きに対応する。JPEGの連写は最高約7コマ/秒、連続30コマ。

 3型/92.1万画素のエアギャップレス液晶モニタを採用。反射防止コートを施したガラス素材のフロントパネルと液晶面の空気層を無くすことで光の反射/分散を抑えてパネルへの映り込みや輝度ロスを軽減している。視野率約100%/倍率約0.92倍の光学ファインダーも備える。

 記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードを使用。バッテリはリチウムイオン充電池「D-LI90P」を使用し、連続撮影枚数はストロボ50%発光で約740枚、ストロボ発光無しで約980枚。ボディにはマグネシウム合金を、シャーシにはステンレス合金を使用し、防塵/防滴仕様となっている。外形寸法は約131×72.5×97mm(幅×奥行き×高さ)で、本体のみの重量は約680g。



■ 交換レンズやマウントアダプタも

Qマウント用の「PENTAX-06 TELEPHOTO ZOOM」

 Qマウント/Kマウント用のレンズや、マウントアダプタも10月中旬より順次発売する。

 Qマウントデジタル一眼カメラ用の交換レンズ「PENTAX-06 TELEPHOTO ZOOM」は、35mm判換算で焦点距離83~249mm相当の望遠ズームながら全域F2.8を実現。また、レンズ沈胴機構の採用で小型軽量化も実現している。11月上旬発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は2万円台半ば。

 Kマウントレンズを「Qシリーズ」に装着して撮影できるマウントアダプタ「Kマウントレンズ用アダプターQ」は本体に5枚羽根のメカニカルシャッター機構を内蔵し、ローリング歪みを防ぐ。手動での絞り調整も可能。10月中旬発売で、店頭予想価格は2万円台半ば。

 そのほか、Kマウント用の高倍率ズーム「smc PENTAX-DA 18-270mmF3.5-6.3ED SDM」(店頭予想価格7万円前後)、超望遠レンズ「HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AW」(同60万円前後)、中判デジタル一眼レフカメラ用の中望遠交換レンズ「HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SR」(同40万円前後)も近日発売予定としている。


マウントアダプタ「Kマウントレンズ用アダプターQ」Kマウント用「smc PENTAX-DA 18-270mmF3.5-6.3ED SDM」Kマウント用「HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AW」中判デジタル一眼レフカメラ用「HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SR」


(2012年 9月 11日)

[AV Watch編集部 中林暁]