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パナソニック、テレビ事業の売却は「決定していない。高収益な事業にするため、やり方を大きく見直す」

パナソニック ホールディングスは4日、2024年度第3四半期決算とグループ経営改革の会見の中で、テレビ事業の今後について説明。テレビ事業の売却を検討しているか?との記者からの質問に、楠見雄規社長が「売却という手段をとるかどうかについては現時点でコメントできる状態にはなく、決定はしていない。売却以外の手段もあるので」とコメント。

売却も選択肢には入っているか?との問に対しては、「今、(パナソニックの)テレビ事業を、事業として売却を受けていただけるような企業はまず無いと考えている」と答えた。

さらに楠見社長は、「(自身がこれまで)テレビ事業をやってきた事からすると、センチメンタルな部分はなきにしもあらずではあるが、やはり当社を高収益な事業のカタマリにしていくためには、事業のやり方というのを大きく見直していかなければならない」と説明。

「これまで進めてきたテレビ事業の改革においても他の会社を頼ることで、自らの固定費を下げるという事はやってきている。そういったところを、もっともっと徹底して進めることが、テレビの改革になってくると考えている」とした。

パナソニック ホールディングスは4日発表したグループ経営改革の中で、構造的・本質的課題を解決するため、2025年度は経営改革に集中すると発表。2026年度までに1,500億円以上、2028年度までに更に1,500億円以上(計3,000億円以上)の収益改善効果を目指している。

そのための改革の1つとして、ソリューション領域に注力。くらし事業の枠を超え、グループ全体でソリューション領域におけるシナジーを創出するために、パナソニック株式会社を発展的に解消し、傘下の分社を事業会社化する。家電事業は家電市場に集中して向き合うために、グループの家電事業を集約した事業会社を設立し再建を目指すとしている。

なお、「パナソニック株式会社」という名称が今後どうなるのかという事については「現時点では何も議論もできていない状態。分社化の具体的な検討は今からになる」(楠見社長)という。

さらに、グループ経営改革の中で“パナソニックグループの目指す姿”として、グループとして注力する「ソリューション領域」と、それを支える収益基盤としての「デバイス領域」、「スマートライフ領域」を設定。

グローバル競争力を持つソリューション事業群では、顧客起点のマネジメントによりグループ全体でシナジーを創出し、グループの成長をけん引。デバイス領域では、商品ポートフォリオの絞り込みにより材料・プロセス系の事業に集中し、調整後営業利益率15%以上を目指すという。中でも、車載電池は成長シナリオを見直し、収益化に集中する。

スマートライフ領域では、家電事業の再建に向けて、抜本的に事業構造や体制を見直し、開発・製造・販売のリソース適正化を徹底。ジャパンクオリティを世界で戦える「グローバル標準コスト」で実現し、調整後営業利益率10%以上を目指すという。