ソニー、音質向上で7mm厚のウォークマンS770

-付属スピーカー高音質化。カラバリは8色に


NW-S770

 ソニーは、ウォークマンの中核機種となる「ウォークマンS」を一新し、NW-S770シリーズとして10月20日より発売する。新デザインの採用のほか、クリアフェーズの採用による音質向上を図っており、デジタルノイズキャンセリング(NC)やBluetoothも引き続き搭載している。価格はオープンプライス。

 NW-S770シリーズは、8GB「NW-S774」と16GB「NW-S775」の2モデルを用意し、店頭予想価格は8GBが14,000円前後、16GBが17,000円前後。ノイズキャンセリングにも対応したBluetoothヘッドフォンが付属するNW-S770BTシリーズは、8GBの「NW-S774BT」のみで、店頭予想価格は2万円前後、スピーカー付のNW-S770Kシリーズは8GB「NW-S774K」と16GB「NW-S775K」が用意され、店頭予想価格は8GBが17,000円前後、16GBが2万円前後。

 カラーバリエーションは、各シリーズともブラック、ホワイト、ブルー、ゴールド、ビビッドピンク、ライトピンク、イエロー、バイオレットの8色。


NW-S770(ブルー)NW-S770BTNW-S770K
NW-S770NW-S770BTNW-S770K

■ 約7mmに薄型化。クリアフェーズで音質向上

 約7mm(最薄部)まで薄型化した新デザインを採用し、液晶ディスプレイは、2.0型/240×320ドット。ビデオ再生にも対応する。ヘッドフォン出力は5mW×2ch。従来モデルと同様にBluetoothを標準搭載し、対応プロファイルはA2DP/AVRCP/OPP。

歌詞ピタ

 対応音楽形式は、MP3、WMA、ATRAC、ATRAC Advanced Lossless、リニアPCM、AAC、HE-AAC。上位モデルのF800シリーズと異なり、FLACには対応しない。出力は5mW×2ch。x-アプリにおける12音解析で好みのムードの自動プレイリスト再生を行なう「おまかせチャンネル」や、カラオケなどの機能も備えている。また、歌詞表示機能「歌詞ピタ」にも対応する。

 デジタルノイズキャンセリングのほか、DSEE、クリアベース、クリアステレオ、13.5mm EXヘッドフォンなどは従来モデルのS760シリーズから継承。さらに、新たに「クリアフェーズ」を搭載し、音質向上を図った。クリアフェーズは、デジタル信号処理により、スピーカーやヘッドフォンの音響特性を最適化する技術で、ウォークマン内でデジタル処理で整え、拡散音場特性に近づけることで高音質化するもの。楽器ごとのセパレーションなどが向上するという。

 クリアフェーズの対応イヤフォン/ヘッドフォンは、付属の「MDR-NWNC33」と、別売の「MDR-NWNC200」。


クリアフェーズのONF/OFF設定ヘッドフォン選択画面

 ビデオ再生にも対応。対応ビデオ形式は。MPEG-4 AVC/H.264、MPEG-4(.mp4、.m4v)とWMVで、1,920×1,080ドット(AVC/MainProfileは720×480ドット)でフレームレートは30fps。ビットレートはAVCが最大18Mbps、MPEG-4が10Mbps、WMVが20Mbps。同社のブルーレイレコーダからの「おでかけ転送」も可能なほか、nasneの録画番組も、PlayStation 3のtorneでウォークマン書き出しオプション(500円)を購入することで、ウォークマンにダビングできる。別売ケーブルを利用したビデオ出力にも対応する。

KPD-NWU10でキーワード入力

 ダイレクトエンコーディング機能も強化した。別売録音用ケーブル「WMC-NWR1」を使って、WM-PORT経由でリニアPCMとATRAC3plus(64/128/256kbps)形式でのアナログ録音が可能なのは従来モデルと同様だが、S770にあわせて発売される文字入力パッド「KPD-NWU10(実売3,000円)」を接続することで、アルバムやタイトルなどの文字入力が可能となる。KPD-NWU10では携帯電話入力方式のキーボードを備えており、S770内の「録音した曲」フォルダ内の曲の文字入力や修正が可能となる。詳細は別記事で紹介する。

 PC用アプリケーションは「x-アプリ Ver.4.0」で、本体メモリー内に内蔵。対応OSはWindows XP/Vista/7で、Macからのドラッグアンドドロップ転送も可能。10月1日より配信形式が320kbpsのAAC(.mp4)となり、DRMフリー化が行なわれる、音楽配信サービス「mora」の新配信形式に対応するほか、文字入力パッドに対応。また、ユーザービリティの向上も図っている。

 なお、Windows 8対応のX-アプリ Ver.5.0にも対応予定。Xperiaなどで利用されているPC用アプリケーション「Media Go」にも正式対応した。WM-Portケーブルが付属する。

 Bluetoothを利用した音楽再生のほか、携帯電話やスマートフォンで撮影した写真をウォークマンとワイヤレスでやり取りする「BTファイル送受信」にも対応する。

バッテリは内蔵リチウムイオンで、約3時間で充電可能。連続駆動時間は36時間(音楽/NC ON)、5時間(ビデオ再生/NC ON)。Bluetooth利用時は約8時間(音楽)。外形寸法は97.2×43.3×7.4㎜(縦×横×厚み)、重量は51g。


■ スピーカー付きや、Bluetoothイヤフォン付属モデルも

NW-S770K(ライトピンク)スピーカー部

 NW-S770Kシリーズは、スピーカー付属モデル。スピーカー出力は1W(ACアダプタ駆動時。ウォークマンからの駆動時は最大200mW)で、S760Kシリーズの1W×2chのステレオ構成からモノラルとなっている。一方で、低域限界を従来モデルの600Hzから200Hzまで広げたほか、容量の適正化などにより音質の向上を図った。ユニット径は35mmのフルレンジ。

 コンパクトで持ち運びしやすく、他のシリーズを購入した際にもマッチするデザインとした。また、カラーも本体に合わせた8色を用意。外形寸法は153.4×48.4×48.7mm(幅×奥行き×高さ)。ACアダプタが付属する。

 S770BTシリーズの付属Bluetoothイヤフォンは、Bluetoothでもノイズキャンセリングが可能で、周囲の騒音を約90%カット。リモコン機能も備えており、電源ON/OFFやスキップ/バック、ボリューム、早送り/戻し、NC ON/OFFなどの操作が可能。イヤフォン部のバッテリ駆動時間は約3時間(NC ON)/3.5時間(NC OFF)で、ウォークマンとUSB接続することで、充電できる「おすそわけ充電」に対応する。

NW-S770BT(ブラック)イヤフォン部

 ニットケース「CKN-NWU10」(実売2,000円)や、シリコンケース「CKM-NWS770」(実売2,000円)、クリアケース「CKH-NWS770」(同2,300円)、保護シート「PRF-NWH20A」(同1,000円)なども発売する。

CKN-NWU10CKM-NWS770CKH-NWS770

(2012年 9月 20日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]