東芝、見たい“シーン”を探せるTV「REGZA J7」

クラウド連携で視聴スタイル革新。32~65型


REGZA Jシリーズ

 東芝は、クラウド情報を組み合わせ、録画番組のシーン検索などが可能な液晶テレビ「REGZA Jシリーズ」を10月下旬より順次発売する。32型~65型までの4モデルを用意し、価格はオープンプライス。発売時期と店頭予想価格は、32型「32J7」10月下旬で75,000円前後、40型「40J7」が10月下旬で11万円前後、50型「50J7」が11月上旬で23万円前後、65型「65J7」が12月中旬で37万円前後。

 いずれも1,920×1,080ドット/フルHDの液晶テレビ。32型以上の3モデルでは、120Hzの倍速駆動「倍速・モーションクリア」を搭載。バックライトはエッジ型のLEDで、映像エンジンは「レグザエンジンCEVO」。3次元フレーム超解像を備えた「レゾリューションプラス7」などの高画質化技術を搭載する。

 同時に発表された上位シリーズ「REGZA Z7」との違いは本体デザインのほか、タイムシフトマシン(地デジ6番組同時録画)を搭載しないこと。またJ7シリーズは3D非対応のほか、液晶パネルの種類も異なっている(Z7シリーズは反射を抑えたアドバンストクリアパネルを採用)。

65J750J740J7
32J7USB HDDへの録画に対応Z7シリーズ(左)とJ7シリーズ
50J7曲面を活かしたデザインを採用

 本体のデザインは、従来のREGZAシリーズから引き続き「ミニマル」をコンセプトとしながら、クラウド(雲)の浮遊感を取り入れたとのこと。シルバーのアルミ素材の質感を生かしながら、下部のアルミが画面を支持し、画面が宙に浮いているように見えるようデザインしたという。

REGZA J7シリーズ画面が宙に浮いているようなイメージでデザイン84型4Kテレビも同じコンセプトでデザインしたという

■ クラウド連携で見たい“シーン”を発見

 上位シリーズの「REGZA Z7」と異なり、6番組地デジ同時録画の「タイムシフトマシン」は備えていないが、地上デジタル3系統、BS/110度CSデジタル2系統のデジタルチューナを搭載。別売USB HDDへの録画が可能となっている。

クラウド連携の概要

 東芝のクラウドサービス「TimeOn」と連携し、取得した番組データを元に、録画番組のシーン検索や人気番組/シーンを見つけやすくするなど、録画番組を活用した新しい視聴スタイルを提案。ネットワークを経由して取得した番組のメタデータを元に、番組内の任意のシーンだけを検索できる「みどころシーン再生」に対応する。

 検索にヒットしたシーンはリスト表示され、シーンをリモコンで選ぶだけで再生開始する「シーンドンピシャ再生」が可能。好きなアーティストの名前などのキーワードで検索すると、複数の録画済み番組から該当シーンを抽出。番組名や概要をプレビュー付のシーン一覧で表示し、関連するシーンの頭出しが出来る。

 例えば、「パンダ」で検索すれば、全ての録画番組からパンダ関連のシーンを抽出して、そのシーンだけをすぐに視聴できる。Yahoo! の検索急上昇ワードを表示し、シーン検索する機能も装備する。

シーンドンピシャ再生「アメリカンロック」でシーン検索みどころシーン再生。検索急上昇ワードも表示

 番組のシーンデータは、パートナー企業が制作し、東京、東海、大阪地域のテレビ放送や、キー局の番組のデータが生成される。この情報は手入力で編集、作成されているため、番組終了後数時間で利用可能になる。また、「いま最も見られているシーン」を抽出して、トップ30を表示する機能も'13年3月下旬に追加予定。'13年1月下旬には「友人からのおすすめ」を追加する。

気になるシーンリスト

 リモコンには「気になる! 」ボタンを装備。録画番組視聴中にこのボタンを押すと、シーンのリスト(タグリスト)を右側に表示し、すぐにそのシーンを再生開始できる。また、視聴中に気になったシーンを「気になる! 」ボタンで登録し、あとで「みどころシーン再生」の「気になるチェック」から再生できる('13年1月下旬開始予定)。

 録画機能では、'13年1月下旬のアップデートにより、「おまかせ録画」に対応。指定したキーワードに関連した番組を自動録画し、おまかせ録画された番組はフォルダにまとめて整理される。

 録画した番組はDTCP-IP/DLNAサーバー「レグザリンク・シェア」に対応し、ホームネットワーク内の対応機器で視聴可能となる(タブレット/スマートフォンへの配信は非対応)。DLNA(DMP/DMR/DMS)に対応する。


■ クラウドメニューでタブレットを連携。もっとTVも

クラウドメニューホーム

 Ethernetや無線LANを搭載。ネットワーク関連機能は新UIの「クラウドメニュー」に集約しており、VOD(ビデオ・オンデマンド)やカレンダー、メッセージなどの機能をTV上で利用できる。

 VODサービスは、アクトビラ、TSUTAYA TV、ひかりTV、T's TV、スカパー! オンデマンド、U-NEXTなどのほか、新たに電通と民放キー局による見逃し番組サービス「もっとTV」に対応。リモコンにももっとTV用ボタンを備えている。YouTubeにも対応する。

 写真を友人や離れた場所の家族と共有できる「クラウドアルバム」や、離れた場所の両親などとメッセージのやり取りができるという「伝言ボード」、日常の予定や番組予約状況が確認できる「カレンダーサービス」などの機能を搭載する。

 クラウドメニューの各機能をタブレットから利用可能にするAndroidアプリ「RZクラウド」もGoogle Playで10月下旬に提供予定。テレビを見ながら、タブレットをセカンドスクリーンとしてクラウドメニューを使った操作が行なえる。また、クラウドアルバムや伝言ボード、カレンダーサービスなどの機能もタブレットから利用できる。対応OSは、Android 4.0以上。

 また、タブレットからの録画予約が可能なAndroidアプリ「RZ番組ナビ」も提供。テレビを見ながらREGZA J7の操作や録画予約がタブレットから行なえる。番組表からだけでなく、録画ランキングからの録画にも対応する。対応OSはAndroid 3.1以上で、11月上旬よりGoogle Playで配信予定。

RZクラウドRZ番組ナビ

■ 画質、音質も強化

 Z7シリーズと同様に、映像エンジンは「レグザエンジンCEVO」を搭載し、レゾリューションプラス7などに対応。室内環境に合わせ、最適な画質に自動調整する「おまかせドンピシャ高画質」は、新たに、背景の色(壁紙・カーテンの色など)に合わせて画質を自動調整する機能を搭載した。

 画質面では「色画質」、「ノイズ低減」に着目し、ALLクロマフォーマット4:4:4処理(YUV 4:4:4)や3つの新シーン適応高画質処理、パンニング検出対応3次元NRなどを導入。また、アニメ/ゴルフ/ゲームに対応した「コンテンツモード」も新搭載。アニメはレトロアニメ、デジタルアニメ(放送)、デジタルアニメ(ブルーレイ)が選択可能となった。

 ゴルフモードは画質の最適化とともに、タイムシフトマシンの「おまかせ」でゴルフ番組の検索やシーン呼び出しにも対応。ゲームについては、ノーマル/モニター/レトロの3種類のコンテンツモードを用意し、コンテンツにあわせて適用可能とした。さらに補間フレーム生成を行ないながら低遅延を実現する「ゲームスムーズモード」を追加している。

スタンドリモコン
手前が65J7用(Z7シリーズと共通)、奥が50/40/32J7用

 スピーカーは、新開発の25×80mmフルレンジ(65J5は35×75mmフルレンジ)で、低域の量感や質感を改善した。自社開発の音響補正技術「レグザ サウンド イコライザー」も搭載。FIRフィルタによる周波数軸補正や時間軸補正を行ない、インパルス応答を改善し、ギターやドラムのアタック音を忠実に再現する。また、スピーカーの前面空間の測定データとそこから抽出されたデータを時間軸解析することで、聴覚心理に基づいたサウンド補正を実施。ピーク成分を打ち消し、リスニングエリアの広い、心地良い音を再現できるという。

 入力端子はHDMI×3、コンポジット×1。光デジタル音声出力×1やヘッドフォン出力も装備、USB×2(録画HDD用、汎用)、Ethernetを装備する。

 消費電力は65型が未定、50型144W(待機時0.15W)、40型が111W(同0.15W)、32型が81W(同0.15W)。年間消費電力量は65型が未定、50型が106kWh/年、40型が98kWh/年、32型が75kWh/年。外形寸法/重量は65型が147×35.7×92.9cm(幅×奥行き×高さ)/未定、50型112.8×23×72.6cm(同)/22.5kg、40型が92.1×18.1×60cm(同)/12kg、32型が73.3×16.8×49.4cm(同)/8kg。


(2012年 9月 27日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]