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LG、29型/21:9シネスコ対応で実売5万円のIPS液晶

Adobe RGB比99%の27型WQHD「セミプロモデル」も

21:9の「29EA93-P」(写真は画面部をぼかし処理したもの)

 LGエレクトロニクス・ジャパンは5日、液晶ディスプレイ新モデルの記者発表会を開催。アスペクト比21:9のモデルや、解像度2,560×1,440ドットのモデルを12月中旬より発売する。価格はオープンプライス。

 「29EA93-P」は、29型/2,560×1,080ドット(21:9)の超ワイドパネルを採用し、Blu-rayなどシネマスコープサイズの映像部分も全画面表示できるモデルで、店頭予想価格は5万円前後。「27EA83-D」は、27型/2,560×1,440ドットの10bitパネルを採用。広色域が特徴の「セミプロモデル」とし、店頭予想価格は7万円前後。いずれもIPSパネルを採用している。

 このほか、23型フルHDで、Windows 8の10点マルチタッチ操作に対応した「23ET83V-W」も12月下旬に発売し、店頭予想価格は5万円前後。このモデルについては別記事で掲載する。

横長を活かして、エンタメと仕事の両方で活用できる「29EA93-P」(写真左の画面はぼかし処理したもの)
広色域の27型「27EA83-D」
タッチ対応の23型「23ET83V-W」

21:9パネル搭載の「29EA93-P」

シネスコサイズの映像も上下の黒帯なく表示可能

 Blu-rayの映画などシネマスコープサイズの21:9映像を、上下の黒帯なく表示できるモデル。本体の一番外側にあるベゼル幅を1.2mm(映像非表示部分は左右12.25mm、上11.1mm)とし、映像への没入感を高められることも特徴。

 パネルは29型/2,560×1,080ドットで、高透過率などが特徴のAH-IPSパネルを採用。輝度は300cd/m2。コントラスト比は1,000:1で、コントラスト拡張のDFC機能ON時は500万:1。視野角は上下/左右178度。オーバードライブ機能を搭載し、応答速度は5ms。

PCソフトを2~4分割で好みのレイアウトに表示可能

 PC利用時に、画面を最大4分割で表示できる「E-Screen Split」機能を装備。Windows用の付属ソフトを使って、Excelやフォトビューワなど4つのソフトを割り当てて、フル画面を活用して好みの比率で表示。より快適にマルチタスクが行なえるという。2台のPCを接続して半分ずつ表示する「Dual Link-up機能」も搭載。

 別売センサーを使ったハードウェアカラーキャリブレーションに対応。ソフトの「True Color Finder」も付属する。なお、工場出荷時にもキャリブレーションを行なっている。

ビデオ編集などのタイムラインも幅広く表示できる
ハードウェアキャリブレーションにも対応
一番外側の段差があるベゼル部分が幅1.2mmで、そのほかの映像非表示部分が約1cmある

 HDMI入力は2系統で、うち1系統はMHLもサポート。LGの「Optimus G L-01E」や「Optimus Vu L-06D」などの対応スマートフォン/タブレットの映像を表示しながら充電も行なえる。

 そのほか、Dual-Link対応のDVI-Dと、Display Portを装備。ステレオミニの音声入力とヘッドフォン出力も装備。内蔵スピーカーとして高出力な7W×2chを実現。USB 3.0ハブ機能(UP×1/DOWN×3)も備える。

 消費電力は48W(待機時0.5W以下)。スタンドは上20度/下5度のチルトも可能。100mmピッチのVESAマウントにも対応する。外形寸法は699.7×208.5mm×387mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.65kg。MHLケーブルやDVI-Dケーブルなどが付属する。

側面
背面
主な仕様

広色域モデル「27EA83-D」

Adobe RGB比99%の広色域を実現

 Adobe RGB比99%の広色域を実現し、DTPなどの用途も想定した「セミプロモデル」。デジタル一眼レフの撮影やRAWデータの現像、高品位プリンタ出力などのカラーマッチングに適しているという。パネルは27型/2,560×1,440ドット(WQHD)のAH-IPSパネル。

 この製品用にチューニングされたハードウェアキャリブレーション用のセンサーと、専用ソフトも付属。ソフトにはキャリブレーション後のレポートを作成する機能も備える。工場出荷時のキャリブレーションも行なっており、レポートも付属。

キャリブレーション用のセンサーも付属

 輝度は350cd/m2。コントラスト比は1,000:1で、コントラスト拡張のDFC機能ON時は500万:1。視野角は上下/左右178度。応答速度は5ms。

 入力はHDMI、Dual-Link対応のDVI-Dと、Display Portを装備。USB 3.0ハブ機能(UP×1/DOWN×3)も備える。スピーカーは内蔵しない。

 消費電力は70W(待機時0.5W以下)。スタンドは上15度/下5度のチルトも可能。90度のピボットも行なえる。100mmピッチのVESAマウントにも対応する。外形寸法は643×226mm×459mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7.3kg。DVI-D(Dual-Link)ケーブルや、Display Portケーブルなどが付属する。

側面
背面
主な仕様

プロとコンシューマの垣根が無くなりつつある

LGエレクトロニクス・ジャパンの李起旭氏

 LGエレクトロニクス・ジャパン マーケティング統括常務 李起旭(リ・キウク)氏は、同社のディスプレイについて「最近はゲーマー向けや、エンタメ向けの3Dなど特殊な製品を普及価格帯でいち早く導入してきた」とし、21:9モデル、広色域モデル、Windows 8タッチ操作対応の3種類を用意したことについては「日本のお客様にとって、さらに新しいライフスタイルを楽しんでいただけるモデル」とした。

 業務用途も想定した高機能を備えているが、量販店など従来の販売店で購入可能。同社C.Eセールスグループのモニター営業担当 道山涼司氏は「今のユーザーニーズは非常に高い。今回の製品にはセミプロ以上のスペックも備わっていると思うが、(プロとコンシューマの)垣根が無くなりつつある」とし、これら高機能製品をコンシューマ価格帯で投入した意義を強調した。

道山涼司氏
日本マイクロソフト 業務執行役員 コンシューマ&パートナーグループの金古毅氏(右)もゲストとして来場。Windows 8対応タッチパネル搭載モデルの発売を歓迎した

(中林暁)