ニュース

ソニー、空間光学式手ブレ補正ビデオカメラ4機種

全6機種。ゲームなどのプロジェクタ投写も可能に

HDR-PJ790V

 ソニーは、ビデオカメラの新モデルを発表。空間光学式手ブレ補正を搭載した4機種を発表した。価格は全てオープンプライス。店頭予想価格は、「HDR-PJ790V」が15万円前後、「HDR-PJ630V」が11万円前後、「HDR-CX630V」が10万円前後、「HDR-CX430V」が85,000円前後。型番に「PJ」が付いたモデルはプロジェクタを搭載している。発売日は1月18日だが、「CX430V」のみ1月25日。

 また、空間光学式手ブレ補正を搭載しないエントリーモデルもラインナップ。発売日は1月18日。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、プロジェクタを備えた「HDR-PJ390」が75,000円前後、非搭載の「HDR-CX390」が65,000円前後。

発売日型番内蔵メモリプロジェクタ空間光学
手ブレ補正
想定売価
1月18日HDR-PJ790V96GB15万円前後
1月18日HDR-PJ630V64GB11万円前後
1月18日HDR-CX630V64GB10万円前後
1月25日HDR-CX430V32GB85,000円前後
1月18日HDR-PJ39032GB75,000円前後
1月18日HDR-CX39032GB65,000円前後

 レンズと撮像素子を1つのユニットとし、そのユニットがビデオカメラのボディ内で自由に動くような機構を採用。高い手ブレ補正能力を実現する「空間光学式手ブレ補正」機能を備えたモデルをラインナップしているのが特徴。

 従来は上位モデルにのみ搭載していたこの空間光学式手ブレ補正を、2013年モデルではエントリークラスにも投入。小型なエントリーにまで搭載するために、部品や構造の見直し、小型モーターの開発などでユニット自体の小型化も実現。昨年のPJ760VやCX720Vに搭載しているユニットと比べると、PJ630VやCX630Vに搭載しているユニットは体積比で20%減、CX430Vに搭載しているものは40%減のユニットとなる。

HDR-PJ790V
HDR-PJ790Vに搭載している空間光学式手ブレ補正ユニット
HDR-PJ630V
HDR-PJ630Vの空間光学式手ブレ補正ユニット。小型化されている

 また、プロジェクタ搭載モデルでは、投写能力もアップ。昨年のPJ760Vと比べ、明るさを最大75%向上させ、PJ790Vでは解像度もアップしている。さらに、HDMI外部入力端子も搭載。ビデオカメラで撮影した動画の投写だけでなく、PCやスマートフォン、タブレットなどを接続し、撮影動画以外を投写する事も可能になった。

 例えばBDプレーヤーなどと接続してホームシアターを楽しんだり、ゲーム機と接続して大画面でプレイするといった事も可能。単体プロジェクタとしても使えるようにする事で、利用シーンの拡大を実現している。

プロジェクタの投写イメージ。様々な活用方法が提案されている

 画質面でも、映像処理エンジン「BIONZ」を改良する事で、解像感を向上。ワイド撮影にもこだわっており、35mm換算でPJ790Vは26mm、PJ/CX630Vは26.8mm、CX430VとPJ/CX390は26.8mmからの広角撮影を可能にしている。

 音質も向上。新しいアドバンスドサウンドシステムを搭載。ダイナミックレンジを2倍に拡大させている。

【お詫びと訂正】
 記事初出時、「風切り音ノイズ低減能力を向上」と記載しておりましたが、誤りでした。お詫びして訂正させていただきます(2013年1月10日)。

 スマートフォンやタブレット、PCとの連携機能も強化。上部のシューに取り付けるワイヤレスアダプタ「ADP-WL1M」(7,875円/1月18日発売)を別売で用意。スマートフォンやタブレット、PCのPlayMemoriesアプリと連携し、ビデオカメラ内の動画/静止画を転送できる。PCとの接続時にはAVCHD、MPEG-2、MP4動画と静止画ファイルを、スマートフォン/タブレット連携時はMP4動画と静止画を転送可能。スマートフォンやタブレットからのリモート操作にも対応する。「ADP-WL1M」の対応機器はPJ790V、PJ630V、CX630V、CX430V。

ワイヤレスアダプタ「ADP-WL1M」
ワイヤレスでスマートフォンと連携しているイメージ

 なお、こうした連携を高めるために、ビデオカメラ新機種の全モデルにおいて、MP4撮影に対応(AVCHDとMP4の同時撮影や、AVCHDからMP4へのカメラ内変換などはできない)。また、従来のアクティブインターフェースシューが、NEXシリーズなど、ソニー製カメラで多く採用されている新しいマルチインターフェースシューに変更されている。



HDR-PJ790V

 ビデオカメラのハイエンドモデル。1/2.88型のExmor R CMOSセンサーを搭載。総画素数は665万画素で、有効画素は動画撮影時で614万画素(16:9)、460万画素(4:3)。静止画では614万画素(16:9)、460万画素(4:3)となる。

 レンズはカールツァイスのバリオ・ゾナーT*。35mm換算の焦点距離は、動画/静止画共に26~260mm(16:9時)、31.8~318mm(4:3時)。空間光学式手ブレ補正機構を備えている。虹彩絞りは6枚羽根。光学10倍ズームに加え、デジタル120倍、エクステンデッド17倍ズームも可能。

プロジェクタ用にHDMIマイクロ入力を備えている

 プロジェクタを備え、輝度は従来モデル「PJ760V」の20ルーメンから、35ルーメンに向上。パネル解像度も640×360ドットから、854×480ドットにアップしている。また、前述のように外部入力用のHDMIマイクロ入力端子を備えている。

 また、PJ790Vのみの特徴として、筐体から飛び出したような形の、独立型マイクデザインを採用。本体から発生するノイズを拾いにくくしているほか、同梱のウインドスクリーンを装着する事で、風ノイズも大幅に低減できるという。

HDR-PJ790V
手でホールドしたところ
マイク部が筐体から飛び出している

 0.2型、20.1万画素のビューファインダも搭載。液晶モニタはタッチパネルタイプで、サイズは3型、92.1万画素のエクストラファイン液晶を採用している。

 こだわりの撮影をするためのマニュアルダイヤル機能や、AGCリミット、ゼブラ/ピーキング表示機能も搭載。シネマトーンガンマ/カラーにも対応する。顔認識機能、優先顔キメ機能も搭載。S-MASTERを使ったステレオスピーカーも内蔵する。

 AVCHD Ver.2.0に準拠。1,920×1,080/60p(PS:約28Mbps)、24p(FX:約24Mbps/FH:約17Mbps)、 60i(FX/FH)、1,440×1,080/60i(HQ:約9Mbps/LP:約5Mbps)での記録が可能。MPEG-2でのSD画質(720×480/60i)や、MP4(MPEG-4 AVC/H.264)での記録も可能。MP4の場合は1,280×720/30p、約6Mbpsでの撮影ができる。

 内蔵メモリは96GB。GPSも搭載し、約2.8GBを使った地図データも搭載。記録メディアは内蔵メモリに加え、メモリースティックPROデュオ/PRO-HGデュオ/XC-HGデュオ、SD/SDHC/SDXCカードに対応する。

 ヘッドホン端子やマイク端子も備え、XLRアダプタを接続する事もできる。外形寸法は74.2×137.5×84.6mm(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は約575g。



HDR-PJ630V/CX630V

 ミドルクラスの2モデルで、どちらも空間光学式手ブレ補正を搭載。64GBメモリを内蔵し、プロジェクタの有無以外の主な仕様は共通している。プロジェクタ搭載のPJ630Vのみ、カラーバリエーションとしてボルドーブラウン(T)と、ブラック(B)を用意する。

HDR-PJ630Vのブラック
HDR-PJ630Vのボルドーブラウン
HDR-CX630V

 撮像素子は1/3.91型のExmor R CMOS。総画素数は543万画素、有効画素数は、動画/静止画撮影時共に502万画素(16:9)、376万画素(4:3)。レンズはGレンズで、フィルタ径は46mm。虹彩絞りではない。

 F値はF1.8~3.4で、35mm換算の焦点距離は動画/静止画のどちらも、26.8~321.6mm(16:9時)、32.8~393.6mm(4:3時)。光学12倍、デジタル160倍、エクステンデッド20倍のズームが利用できる。

HDR-CX630V
マルチインターフェースシューを搭載する
HDR-PJ630Vを横から見たところ

 ビューファインダーは非搭載。モニタは3型、タッチパネル仕様の92.1万画素、エクストラファイン液晶。PJ630Vのプロジェクタ投写輝度は20ルーメン。パネル解像度は640×360ドット。HDMIマイクロ入力も備えている。

 AVCHDなどの記録フォーマットは、前述のHDR-PJ790Vと同じ。マニュアルダイヤル機能も新たに搭載するほか、AGCリミット、ゼブラ/ピーキング表示、シネマトーンガンマ/カラーにも対応。顔認識、優先顔キメ、追尾フォーカスにも対応する。録音用のアドバンスドサウンドシステムも搭載した。

 GPS/地図も両モデルに搭載。記録メディアは内蔵メモリに加え、メモリースティックPROデュオ/PRO-HGデュオ/XC-HGデュオ、SD/SDHC/SDXCカードに対応する。

 ヘッドホン端子やマイク端子も搭載。外形寸法と本体のみの重量は、PJ630Vが67×124×72mm(幅×奥行き×高さ)、440g。CX630Vは、62.5×124×72mmで、425g。



HDR-CX430V

 プロジェクタは非搭載の、コンパクトなエントリーモデル。エントリーながら空間光学式手ブレ補正機能を搭載しているのが特徴。プロジェクタは備えていない。

HDR-CX430V

 センサーは1/3.91型 Exmor R CMOS。総画素数は543万画素。有効画素数は、動画時で223万画素(16:9)、167万画素(4:3)。静止画時で223万画素(16:9)、167万画素(4:3)。

 レンズはGレンズ。フィルタ径は46mm。虹彩絞りではない。F値はF1.8~4.0。35mm換算の焦点距離は、動画/静止画のどちらも、26.8~804mm(16:9時)、32.8~984mm(4:3時)で、光学30倍(デジタル350倍)、エクステンデッド55倍のズームが可能。

 シネマトーンガンマ/カラーや、顔認識、優先顔キメ、追尾フォーカス機能を搭載。アドバンスドサウンドシステムも備えている。

 内蔵メモリは32GB。GPS/地図も搭載。記録メディアは内蔵メモリに加え、メモリースティックPROデュオ/PRO-HGデュオ/XC-HGデュオ、SD/SDHC/SDXCカードに対応する。

 ヘッドホン端子やマイク端子も搭載。外形寸法は58×121×66mm(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は約320g。



HDR-PJ390/CX390

 コンパクトで豊富なカラーバリエーションをラインナップするのが特徴。主に女性をターゲットとしている。CX390はプレミアムホワイト(W)、サクラピンク(P)、ボルドーブラウン(T)、クリスタルブラック(B)の4色。PJ390はプレミアムホワイト(W)とボルドーブラウン(T)をラインナップする。

 PJ390はプロジェクタを内蔵。HDMI外部入力も備えている。輝度は最大13ルーメン。

HDR-PJ390のプレミアムホワイト(W)
CX390はプレミアムホワイト(W)、サクラピンク(P)、ボルドーブラウン(T)、クリスタルブラック(B)の4色
CX390のプレミアムホワイト(W)、サクラピンク(P)、ボルドーブラウン(T)

 どちらも空間光学式手ブレ補正機能は非搭載。手ブレ補正は通常の光学式となる。イメージセンサーは1/5.8型 Exmor R CMOS。総画素数は239万画素。有効画素は、動画時で229万画素(16:9)、171万画素(4:3)。静止画時で229万画素(16:9)、171万画素(4:3)。

 レンズはGレンズ。F値は1.8~4.0。35mm換算の焦点距離は、動画時で26.8~804mm(16:9時)、32.8~984mm(4:3時)。静止画時は26.8~804mm(16:9時)、32.8~984mm(4:3時)。光学30倍(デジタル350倍)、エクステンデッド55倍のズームが可能。

 液晶モニタは3型、23万画素のクリアフォト液晶でタッチパネル。顔認識、優先顔キメ、追尾フォーカス機能を搭載。動画記録モードで、24pの記録はサポートしていない。

 内蔵メモリは32GB。GPS/地図データは搭載していない。記録メディアは内蔵メモリに加え、メモリースティックPROデュオ/PRO-HGデュオ/XC-HGデュオ、SD/SDHC/SDXCカードに対応する。

 外形寸法と本体のみの重量は、PJ390が57.7×117×57mm(幅×奥行き×高さ)、約210g。CX390が53×117×57mm(同)で、約185g。

PJ390/CX390向けのキャリングケースも別売で用意する。型番は「LCS-MCS1」。1月18日発売で、価格は3,675円



アクセサリ

 新モデルで採用されているマルチインターフェースシューに取り付けられるアクセサリも、順次発売される。

 ICレコーダでも使われている2-wayステレオマイクを搭載し、指向性0度と120度が切り替えられるマイク「ECM-XYST1M」は、2月28日発売で、価格は15,750円。αのカメラにも取り付けられる。

2-wayステレオマイク「ECM-XYST1M」

 バッテリービデオIRライト「HVL-LEIR1」は、LEDライトを内蔵。1月18日発売で、価格は13,650円。

 ポータブルスピーカー「RDP-CA3M」は、360度に音を放出できるタイプで、出力2.5W。電源や音声をマルチインターフェースシューから伝送するため、音声ケーブルなどを接続する必要は無い。1月18日発売で、価格は7,350円。

ポータブルスピーカー「RDP-CA3M」
バッテリービデオIRライト「HVL-LEIR1」

 なお、従来のアクティブインターフェースシュー用アクセサリを、マルチインターフェースシューで使うためのシューアダプタ「ADP-MAC」(1月25日発売/2,625円)も用意。

 ビデオ用三脚の新モデル3機種も、2月22日に発売。いずれもリモコンを備え、ハンディカムやαなどで利用できるマルチ端子を備えている。価格は、「VCT-VPR100」が63,000円、「VCT-VPR10」が50,400円、「VCT-VPR1」が10,500円。

シューアダプタ「ADP-MAC」
ソフトキャリングケースのLCS-U11(左/2,730円)とU21(右/3,255円)。発売日はどちらも1月18日。ジッパーとバックルのダブル構造で、カメラやアクセサリをしっかりガード。天面フラッパーで、雨や砂にも強いという
VCT-VPR100
VCT-VPR10
VCT-VPR1

(山崎健太郎)