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パナソニックセンター大阪が26日オープン。共創の拠点に
津賀社長が「Cross-Value Innovation」を訴え
(2013/4/19 19:40)
パナソニックは、パナソニックセンター大阪をグランフロント南館にオープンする。
2013年4月26日に、大阪・梅田のグランフロント大阪が、まちびらきするのにあわせてオープンするもので、それに先だち、4月19日、報道関係者に内部の様子を公開した。
グランフロント大阪は、JR大阪駅の北側に位置し、ヨドバシカメラ マルチメディア梅田に隣接するエリア。梅田貨物駅を中心とする約24haの大阪駅北地区のうち、東側7haを先行開発し、3つのブロックのなかに、オフィス、商業施設、ホテル・サービスレジデンス、分譲住宅のほか、知的創造拠点とする「ナレッジキャピタル」で構成する。
グランフロント大阪全体で、年間2,500万人~4,000万人規模が訪れると予測されており、同センターでは、その約1割となる年間250~400万人の来場者数を見込んでいる。
パナソニックセンター大阪は、これまで大阪・京橋に設置していた「パナソニックリビングショールーム」と「パナソニックセンター大阪」の2つのショールームを移転し、統合。従来のパナソニックリビングショールームが2005年4月からの累計が149万人、2011年度実績で17万人。旧パナソニックセンター大阪が、2005年4月からの累計が287万人、2011年度実績が36万人であったことに比較しても、大幅な集客数を目指すことになる。
パナソニックセンター大阪では、コンセプトを「共創(経営スローガン Cross-Value Innovationの実践)」とし、「お客様とのコミュニケーションを通じて、お客様とともに新しい価値を生み出す共創の場として、新たなコンセプトのグローバル情報受発信拠点」と位置づけている。
受発信のテーマを、「明日のライフスタイル」とし、2階~地下1階までの3フロア、約5,000m2を使用。美、食、楽、住という切り口から、一歩先のライフスタイルを提案するという。
パナソニックセンター大阪は、JR大阪駅2階デッキからつながる「創造の道」で駅に直結している。
2階は、「私の新しいくらしを見つける LIFE STYLE Floor」。
フォトファンスタジオ LUMIX Salonでは、撮る、見る、残す、共有する写真の楽しみ方を体感できるもので、プロカメラマンによる写真展やワークショップを開催する。
「クッキング&カフェ Foodie Foodie」では、味わう、学ぶ、つくることを通じて、新たな食のくらしのヒントを発見できるキッチン。パナソニックの調理家電を使用し、食のキーパーソンが開発したここでしか食べられないメニューを提供。レシピは、料理教室やスマホアプリで公開するという。
また、美容、健康家電を体感できる「ビューティアトリエ CLUXTA」では、資生堂とのコラボレーションを展開。化粧品の提供に留まらず、美をテーマにしたプロモーションイベントを開催する。
そのほか、各種セミナーやイベント、ワークショップを行う「ヒントガーデン」も用意している。
1階は、「明日のくらしと街を考える SOLUTION Floor」としている。
様々なソリューションを大型映像やインタラクティブ映像で楽しむことができる「ビジョンウォール」や、スマート家電などを通じて安心して長く暮らせる家や、子供を健やかに育てる家など、様々な世代の声に応えたくらし方を提案する「くらし01、02、03」に加え、映像、音響、照明、空質制御などを組み合わせた会議室ソリューション体験できる「プレゼンテーションルーム」で構成される。プレゼンテーションルームでは、コクヨファニチャーとのコラボレーションにより、ワークスタイルそのものを進化させるスマート会議ソリューションを提案するという。
また、創業者である松下幸之助氏から受け継いだモノづくりの精神の一例を紹介する「ビジネスゾーン」も用意。4つのカンパニーの代表製品を展示している。
地下1階は、「住まいの設備ショウルーム LIVING Floor」として、インテリア、キッチン、床、あかりのパターンで変化する部屋のイメージを原寸大の映像空間でシミュレーションする「シミュレーションスタジオ」、こだわりの夫婦、2世帯同居、熟年夫婦、若い世帯の4つの空間で、先進の機器を活用した新たな暮らしを提案する「4つのLDK空間提案」を用意している。
Cross-Value Innovationの拠点に
4月19日に開かれたオープニングセレモニーには、パナソニックの津賀一宏社長のほか、アプライアンス、エコソリューションズ、AVCネットワーク&システムズ、オートモーティブ&インダストリアルの同社の4つのカンパニー社長をはじめとする同社幹部が参加。また、来賓として、グランフロント大阪開発事業社各社、全国電機商業組合連合会、自治体関係者など、約50人が出席した。
津賀社長は、「パナソニックは、人を事業の中心におき、その暮らしを見つめ、より良いものにしていくことが原点。私たちが目指すのは、お客様にとって、いい暮らしをあらゆる空間に広げていくことである。お客様ひとりひとりのより良い暮らし、より良い世界の実現、英語でいえば、『A Better Life,A Better World』の実現に貢献したいと考えている。日本には、5,000万以上の世帯があるが、そのなかにはリビングや寝室など、様々な空間があり、その数は3億にのぼる。日本は、3億の空間に、1億人を超える老若男女が住んでいることになる。この3億、1億という巨大な市場に対して、パナソニックは、家電、住宅設備、建材、電材のすべてを持ち、さらにパナホームというハウスメーカーも有している。こうしたパナソニックの強みと、住空間を知り尽くしたビジネスパートナーによる強みを掛け合わせるCross-Value Innovationによって、これまでにない価値を生み出してく。これは、グランフロント大阪全体のコンセプトである、市民や企業、研究者などがお互いの技術や知恵を交流させ、新たな価値を作り出していくという、ナレッジキャピタルの思想に相通じるものである」とした。
また、「パナソニックセンター大阪は、従来のショールームとは一線を画し、ビジネスパートナーやお客様と一緒になって価値を作っていく、協創の場になることを目指していく。よりよい暮らしと、よりよい世界が生まれる、最もイノベーティブな場所にしたいと考えている。パナソニックセンター大阪と、グランフロント大阪で生み出される新たな価値が、日本のみならず、アジアをはじめとする世界の人々の『A Better Life,A Better World』の実現につながることを目指したい」と述べた。
また、パナソニック ブランドコミュニケーション本部スペースクリエイツグループ パナソニックセンター大阪・浜崎佳子所長は、「パナソニックセンター大阪は、お客様とのコミュニケーションを通じ、お客様に貢献するため、お客様とともに、新たな価値を生み出すグローバルの情報発信拠点となる。グランフロント大阪の入口という恵まれた立地において、世界の人々を迎える新たな街の一員として、最前線の情報を発信しながらともに成長し、関西、日本の発展に寄与したい。パナソニックセンター大阪は、私たち自らがお客様のなかに飛び込んでいくことで、お客様とより深く、生涯に渡ってつながり続ける、コミュニケーションの新たなあり方に挑戦したい」と語り、「コンセプトは共創である。共創は新たな暮らし価値を、お客様をはじめ、企業や学校、地域と、パナソニックがともに考え、ともに作り上げていくものである。プロフェッショナルとパナソニックがこのパナソニックセンター大阪で交わり、そこから生まれる新たな価値提案を行っていく。ここに携わる人の知恵、感性、こだわりが集まり、世界中とリアルにつながり、シェアすることで、イノベーションを起こしていく。その実践の場がパナソニックセンター大阪になる。感性豊かなお客様が、いつでも気軽に訪れることができ、自然に集まってくるような魅力的な場を作り、ドキドキ、ワクワク、きらめきと豊かさに溢れた、いつも新鮮で、ユニークに空間を一番に考えている。オープンイノベーションとして次世代の人が集う場としても、ワークショップの開催にも積極的に取り組む。よりよい暮らしの実現、よりよい社会の実現に向けて、新たなビジネスの空間を生み出していきたい」などとした。
来賓として挨拶したコクヨファニチャーの上席執行役員 関西営業本部長の影井昭彦氏は、「パナソニックとコクヨファニチャーは、プラズマパネルを使ったインタラクティブディスプレイにおいて、すでにコラボレーションが始まっている。細かな図面を利用する建築関係や、多拠点や遠隔地を結ぶ用途が効果が発揮できると考え、ゼネコンや設計事務所にヒアリングした結果、複数拠点での同時書き込みのほか、細かい作業を行なう際に、平面での書き込みが適していることがわかり、テーブルに組み込むといった開発も進めてきた。今後も両社のコラボレーションを磨き上げて、お客様に価値を提供したい」とし、資生堂 デジタルビジネス開発部長の笹間靖彦氏は、「資生堂は、昨年からオンライン、デジタルの世界と、リアルでの小売店をつなぐビジネスの構築に取り組んでいる。そのなかで、企業同士がコラボレーションすることで、美と健康で新たな価値を生み出すプラットフォームとして、「ビューティー&コー」というサイトを用意。このなかで、パナソニックには、ビューティ商品を中心に参加してもらっている。だが、実際に商品、サービスを十二分に体感していだくことが重要である。その点でもパナソニックセンター大阪はすばらしい立地にあり、そこに資生堂に対して声をかけていただいたことは光栄。リアルの場を活用して、センターから新たな価値を発信することに貢献できればと考えている。女性が美しくなる、元気になるということが、日本を元気にするおおもとであると考えている。女性がきれいになるための情報発信拠点として活用していきたい」などと語った。