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Olasonic、NANOCOMPOのDAC搭載ヘッドフォンアンプ

超小型で約7万円。プリ機能でセパレート展開も

手のひらサイズの「NANO-D1」

 東和電子は、「Olasonic」(オラソニック)ブランドのコンパクトなコンポ「NANOCOMPO(ナノコンポ)」のシリーズ第3弾として、ヘッドフォンアンプやプリアンプ機能も備えたUSB DAC「NANO-D1」を7月下旬に発売する。価格は73,500円。カラーはプラチナホワイト。

 NANOCOMPOは、開発コンセプトとして「可能な限り小さく」、「美しくバリュー感があり」、「大型商品に負けない音質を備え」、「パソコンとの親和性が高く」、「買い足していける統一されたデザインと操作性を持ち」、「縦置きでも使え」、「手持ちのCDも生かせるもの」を掲げたシリーズ。これまでにUSB DAC搭載プリメインアンプ「NANO-UA1」(73,500円)、CDトランスポート「NANO-CD1」(63,000円)が発売されている。

左からCDトランスポート「NANO-CD1」、「NANO-D1」、USB DAC搭載プリメインアンプ「NANO-UA1」。筐体サイズは全て同じだ
「NANO-D1」の正面
「NANO-D1」の背面

 「NANO-D1」は、最高24bit/192kHzまでに対応したUSB/光/同軸デジタル入力を備えたDACで、ヘッドホンアンプも内蔵。PCやCDトランスポートと接続し、ヘッドホンで音楽が楽しめるほか、アナログRCA出力(最大7.5Vrms)も1系統装備し、プリアンプとして使うことも可能。別途パワーアンプと接続すれば、コンパクトなセパレートアンプシステムを構築できる。

 USB/光/同軸デジタル入力を各1系統備え、PCMの最高24bit/192kHzまでに対応しているが、USB入力で24bit/192kHzを利用する際、Windows PCの場合は付属のドライバをインストールする必要がある。また、対応するサンプリング周波数を24bit/96kHzまでに制限する事で、ドライバをインストールしなくても使用できるモードも用意している。対応OSは、Windows XP/Vista/7/8、Mac OS X 10.6.4以降。

24bit/96kHzまでに制限する事で、ドライバをインストールせずに利用できるモードも用意
PCと組み合わせたところ
電源は付属のACアダプタを使用する

 USBを含め、全ての入力に対してジッターフリーを実現。また、入力信号は全て24bit/192kHzにアップサンプリングしてから処理している。アップサンプリングには、TIバーブラウンのアシンクロナスレートコンバータ「SRC-4392」を使用。クロックには温度補償水晶発信器(TCXO)を使っている。

 DACもバーブラウンの「PCM1792」を採用。IV変換回路には、バーブラウンの「OPA2132」を使っている。また、ヘッドホンアンプ部にも「OPA2132」を使用。出力段をダイレクト出力(OCL)として、低域を充実させたという。

 接続するヘッドホンのインピーダンスは、8〜300Ωまで対応。それぞれのヘッドホンを最適にドライブすることを目指し、LOW(100Ω以下)と、HIGH(100Ω以上)のインピーダンスセレクタを搭載。ゲイン切り替えよりも、音質面で優れているという。ヘッドホンの出力は140mW×2ch(300Ω)。周波数特性は5Hz〜80kHz。ヘッドフォン出力は標準ジャックとなる。

インピーダンスセレクタを搭載
ボリュームツマミ
天面にはロゴマーク

 電源部には大容量の電解コンデンサを採用。「NANO-UA1」や卵型スピーカーで採用している、小電力電源で大パワーを実現するSCDS(Super Charged Drive System)ではないが、「基本的な考え方は同じ」だという。アナログ回路にはプラス・マイナス2電源方式を採用し、エネルギー感のあるサウンドを生み出しているという。電源は付属のACアダプタを使用。消費電力は無音時で約4.5W。

 筐体は、これまでのシリーズと同様にアルミダイキャスト製。筐体ケースのサイズも149×149×33mm(幅×奥行き×高さ)で共通。ほぼCDケース3枚分の大きさとなる。最大外形寸法は149×170×39mm(同)。重量は本体のみで890g。USBケーブルと、ヘッドホン向けの標準プラグ変換アダプタを同梱する。

筐体は縦置きする事もできる。写真の縦置きスタンドは別売

音を聴いてみる

 ソニーのヘッドホン「MDR-1R」や、Shureの「SE535」を接続し、音を聴いてみた。機能的にユニークな点は、ドライバ不要で動作する24bit/96kHzモードと、ドライバが必要な24bit/192kHzまでのモードを用意している事だが、試聴ではドライバを入れ、「foobar2000」から24bit/192kHzの「イーグルス/ホテル・カリフォルニア」を再生してみる。

 冒頭のベースが非常に量感豊かで、低音の沈み込みも深い。響きが豊かで、ゆったりとした低音だが、キッチリとヘッドホンをドライブできているので、ベースの弦の震える様子も明瞭に聴きとれる。見た目がコンパクトでスッキリしたデザインであるため、先入観で「スッキリとした高域寄りのサウンドかな」と思うのだが、実際に出てくる音は、どっしりとした重心の低いバランスで、安定感がある。

 高域も、カリカリにシャープな描写をするのではなく、ギターやヴォーカルの高域が表情豊かでしなやかさもあり、響きが美しい美音タイプ。どちらかというと低域寄りで、目を閉じると巨大な筐体の高級アナログアンプで聴いているように感じてしまう。だが、空間描写は広く、そこに美しい響きが制約なく広がり、壁を感じさせないデジタルアンプらしい一面もある。

「NANO-D1」
foobar2000から設定しているところ

 背面には接続するヘッドホンに合わせ、LOW(100Ω以下)と、HIGH(100Ω以上)が選べるインピーダンスセレクタを備えているが、興味深いのはHI、LOWで若干音の表情が変化する事。先ほどの印象は「LOW」の時のもので、低域にコクがあり、響きの芳醇さが印象的だが、「HIGH」にして音量を少し下げて「LOW」時と合わせると、キビキビと反応の良い中高域が目立つようになり、全体的に音が前へと出てきて、質感よりも、パワフルさが印象に残る若々しいサウンドに変化する。1台で異なる表現が楽しめるとも言えるだろう。

 前述のように、アナログRCA出力も装備しており、DAC搭載のプリアンプとしても機能する。既存のパワーアンプとの組み合わせ以外にも、将来的にNANOCOMPOのシリーズでパワーアンプが登場した場合には、コンパクト&低価格ながら、クオリティの高いDAC搭載セパレートアンプシステムを構築できそう。今後のラインナップ展開にも注目していきたい。

(山崎健太郎)