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シャープ、中国CECと液晶事業提携。IGZO技術も供与

南京に第8.5世代パネル工場。アセットライト加速

 シャープは27日、中国の中国電子信息産業集団有限公司(CEC)と液晶事業に関する業務提携を行なうと発表した。CECにシャープの保有する高精細TFT液晶パネルやモジュール技術を供与し、同技術を活用した第8.5世代液晶パネルモジュール工場を設立、シャープの出資を伴う合弁会社として運営する。

 2009年にシャープと南京市、CECの子会社の南京中電熊猫液晶顕示科技有限公司(CECパンダ)の合弁会社により、第6世代液晶パネル生産プロジェクトをスタート。第6世代工場は2011年より生産を開始し、順次生産能力を拡大している。

 今回の業務提携では、戦略パートナーとなるCECに技術供与を行ない、中国 南京に8.5世代液晶パネルモジュールの工場を設立し、シャープの出資を伴う合弁会社として運営することで合意。量産開始は2015年6月を予定しており、用途は主にテレビ向けと、モニター、ノートPC、タブレット向けを想定。投入能力は月6万枚。なお、供与する技術には、シャープが持つ「IGZO」関連も含まれているという。

 合弁会社の設立は2014年3月を予定しており、出資比率はCECグループが92%、シャープが8%。資本金は約2,781億円。シャープは同工場で生産した高付加価値液晶パネルを購入する権利を有する。

 シャープは、今回の事業提携を同社が進める「バリューチェーンの最適化によりアセットライトを志向する事業構造改革」に基づくものと位置づける。「技術開発は日本で、パネルの企画はユーザー・マーケットに近い地域で、生産はローコストのインフラなどが活用できる地域でそれぞれ行なうなど、バリューチェーンごとに技術、人材、生産の最適な組み合わせによりグローバル競争力を高める」と説明。シャープの液晶先進技術と、CECの高効率な生産技術などを組み合わせて、競争力の高い液晶パネルモジュールを安定的かつタイムリーに供給する体制を構築するとしている。

(臼田勤哉)