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スカパー、AKB48時間放送などコンテンツ強化。VOD拡充
'13年第1四半期は増収も加入者減
(2013/8/1 19:22)
スカパーJSATは1日、2013年度第1四半期(2013年4月~6月)の連結業績について説明会を開催した。収益は前年同期比で増収となったが、加入件数は3万2,000件の純減となり、あらためてコンテンツ強化に取り組んでいく姿勢を示した。
第1四半期の業績は、売上が前年同期比5.0%増の410億4,400万円、営業利益が同3.3%増の52億1,000万円、経常利益が同6.6%増の52億4,600万円、当期純利益が同2.7%減の31億4,000万円。このうち有料多チャンネル事業の売上は、前年同期比7.1%増の304億500万円。しかし、番組供給料の増加や、スカパープレミアムサービスのハイビジョンサービスへの加入者移行費用増加などにより、営業利益は同23.6%減の6億2,500万円となった。
当期の加入件数は、3万2,490件の純減で、累計加入件数は379万6,919件となった。加入件数の減少について高田社長は、「インパクトのあるコンテンツ、キャンペーンを打ち出せなかった。8月以降、音楽ライブやスポーツを中心にコンテンツを編成していく」と説明。AKB48や東方神起関連のコンテンツを放送することを明らかにした。
AKB48関連では、8月に関連番組を48時間連続放送する。また、8月から12月にかけて毎週1回、パッケージ化の予定のないライブ「思い出せる君たちへ」全32公演を独占放送予定。時代劇にも注力し、9月7日に「時代劇無料の日」として時代劇関連コンテンツのノースクランブル放送を予定。オリジナル時代劇「鬼平外伝 老盗流転」を9月8日に放送する。
インターネット配信の「スカパー! オンデマンド」については、堅調に会員数が増えており、6月末現在の会員数は17万4,000件となった。5月に行なったJリーグ戦の無料開放デーの際には、直前の3日間で1万5,000件以上の新規登録があったと説明。今後は、国内外のスポーツ番組を中心に、時代劇などスポーツ以外のコンテンツも拡充させていくとしている。
スカパープレミアムサービスにおけるMPEG-2からMPEG-4 AVC/H.264への移行については、6月にプレミアムサービス光(旧スカパー光)におけるMPEG-2放送を終了。「年間移行目標件数の24万6,000件に対し、第1四半期で10万9,000件の移行を実現した。2014年5月末にMPEG-2を終了予定だが、年度内には移行を完了したい」と、計画を前倒しして早期完了を目指す。プレミアムサービスにおけるハイビジョン化率は65.9%(前年度末58.5%)。
4K放送については、「機器メーカーや番組制作会社と協力してコンテンツ制作・放送のシステムを構築しながら、実際の運用環境に近づけたテストを進めていく」としたが、具体的なスケジュールについては明らかにされなかった。
B-CASカードの不正使用による不正視聴問題についても言及。同社は、5月にWOWOWやスター・チャンネルとともに、不正カードを第3者に譲渡するなどした2名に対し、損害賠償を求め訴訟を起こしていた。この件について、昨日までに全額の支払いを命じる判決が下ったことを説明。「今後も、不正視聴については厳しい姿勢で臨む」とした。