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エプソン、88gに軽量化した眼鏡型シースルーHMD「MOVERIO」
MiracastやBT、センサー内蔵でスマートグラス訴求
(2014/1/28 13:00)
エプソンは、目の前の透過ディスプレイ上に映像を表示しながら、背景をそのまま見ることができるモバイルビューワー「MOVERIO」の第2世代モデルとして、重量を約63%削減しメガネ風のデザインにした「MOVERIO BT-200」を4月24日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は7万円前後。また、Miracast対応のHDMIアダプタをセットにした「BT-200AV」も同時に発売し、店頭予想価格は9万円前後。
シースルーモバイルビューワー「MOVERIO(モベリオ)」の第2世代モデル。2011年発売の「MOVERIO BT-100」のヘッドマウントディスプレイ(HMD)的な大きめのボディから、メガネに近いデザインに一新。本体重量はBT-100から約63%軽い88gとなり、装着感を向上した。
小型化とともに、Wi-Fiベースの映像伝送規格「Miracast」に対応し、スマートフォンのコンテンツ連携を強化したほか、センサーやBluetoothなどを新搭載し、アプリの追加による機能強化も見込む。米国で開発者向けに販売されている「Google Glass」のようなモバイル情報ディスプレイ/AR(拡張現実)情報を表示するスマートグラス的な要素と、ヘッドマウントディスプレイの没入感の両立を目指した新製品として展開する。
装着性を向上した新MOVERIO。Bluetoothやセンサー対応も
メガネのように装着し、2.5m先に40型相当、20m先に320型相当の画面を表示するHMDで、画面と同時に周りの状況も確認できるシースルータイプとなっている。画面と同時に周りの状況を確認でき、バッテリ内蔵により単体でも動作が可能なため、移動中や公共の場所でも楽しめる点が特徴。
ヘッドセット部とコントローラ部で構成され、OSはAndroid 4.0。コントローラ部には8GBメモリのほか、microSDメモリーカードスロット(CPRM非対応)を装備。内蔵メモリ/microSDカードに記録した動画や音楽をヘッドセット部のディスプレイ/ヘッドフォンで楽しめる。対応ビデオ型式は、MPEG-4とMPEG-4 AVC/H.264で、サイドバイサイドの3Dにも対応。音楽はWAV、MP3、AAC、ドルビーデジタルプラス、写真はJPEG、PNG、BMP、GIFをサポートする。
ヘッドセット部は、従来モデルのBT-100から大幅に小型/軽量化され、重量は88g(BT-100は240g)。表示デバイスは0.42型/960×540ドットの高温ポリシリコンTFT液晶で、左右側部の光学系を新設計して、大幅に小型化した。投射映像をプリズムで2回反射させ、前面のハーフミラー層に映像を映し出すという光学系の仕組みは従来と同じだが、小型化とともに高輝度化が図られ、輝度は600cd/m2(BT-100は300cd/m2)まで向上し、迫力ある映像を楽しめるとする。画角は約23度で、仮想視聴距離20mに約320型相当の画面を表示できる。色再現性は24bitカラー(1,677万色)。
また、ヘッドセット部には、新たにカメラやモーションセンサー、ジャイロ、マイク入力を搭載し、ARアプリケーションなどでの活用やスマートフォン連携の効果を図っている。カメラはVGAの30万画素。ヘッドセット-コントトーラ接続用のケーブルの中程に、マイク付きのイヤフォンを接続できるユニットを備えており、Dolby Digital Plus技術により臨場感あるサラウンド再生が可能となっている。音質モードとしてOFF/Classical/Pop/Vocal/Live/Movie/Studiumを選択できる。
ヘッドセット部の外形寸法は185×170×32mm(幅×奥行き×高さ)。ヘッドセット用のダークシェードや、度付きレンズをBT-200にセットできる「レンズホルダー」が付属する。
コントローラ部とヘッドセット部は専用ケーブルで接続。コントローラ部にはタッチパッドコントローラを装備し、ヘッドセットのディスプレイに写った画面を見ながら操作できる。
IEEE 802.11b/g/n無線LANを装備し、Webブラウズやアプリのダウンロードなどに対応。また、スマートフォンの画面などをWi-Fi経由でミラーリング出力できる「Miracast」に対応し、Miracast対応のAndroidスマートフォンの場合は、スマホ内のコンテンツを自由に再生できる。
また、Bluetooth Ver.3.00も備えており、対応プロファイルはHSP、A2DP、HID、OPP、SPP。音声コントロール対応アプリでは、マイク機能を使った音声操作などが行なえる。
コントローラ部の外形寸法は55×120×19mm(幅×奥行き×高さ)、重量は124g。バッテリ駆動時間は約6時間(動画ファイル連続再生時)。microUSB端子を装備し、USB経由で充電可能となっている。ヘッドセットとコントローラの総重量は468g。
Androidアプリ開発者を募集。アプリコンテストも
BT-200のOSはAndroidベースだが、Google Playには非対応。ただし、BT-200の発売にあわせて専用アプリを提供する配信サイト「Epson Moverio App Market」をスタートする。Android 4.0やカメラやセンサー、ジャイロ、GPS、Bluetoothなどの各種機能を使ったアプリの開発者を募集し、エプソンがアプリを審査。承認されたアプリは同マーケットから配信される。動画視聴やゲーム、AR、カメラ連携などのアプリの登場を見込んでいるという。
開発者向けの情報提供は2月頃を予定し、同マーケットでは有料アプリの配信も可能。第1弾として、発表会場では、地図アプリの「NETMAP STORE」(国際航業)や、楽天サービスの窓口となる「楽天ゲートウェイ」、電子書籍「kobo」や、AR活用のシューティングゲーム「マイクロボットシューティング」(Quest-Com)、Yahoo!の会話型ボイスエージェントアプリ「Yahoo!音声アシスト」、「Yahoo!ブラウザ」などを紹介していた。
いずれもAndroid版のアプリがすでにGoogle Playで公開されているが、BT-200用に新たにカスタマイズしたもの。NETPAP STOREは、「車で利用しない」といった警告画面などを新たに用意したほか、インターフェイスの修正を行なっているという。また、楽天ゲートウェイやYahoo!音声アシストなどはBT-200の横画面やタッチパッドを使ったカーソル操作にあわせたUIの若干の変更を施した程度で対応可能だったという。
Moverio App Market用のアプリガイドラインなどは、2月に同社Webサイトなどで案内。また、日本Androidの会と協力してハッカソン(開発者イベント)を開催するほか、“めがねのまち”福井県鯖江市と協力し、電脳メガネARアプリ開発コンテストなどを実施する。
HDMI-Miracastアダプタ付属モデル「BT-200AV」も
またHDMI-MiracastアダプタをセットにしたAVパッケージ「BT-200AV」も発売。店頭予想価格は9万円前後。レコーダの録画番組などをHDMIからアダプタに入力し、MicarastでBT-200で受信することで、録画番組や映画などを楽しめる。
HDMI入力×1とHDMI出力×1、microUSBを装備。消費電力は最大5W。外形寸法は115×115×30mm(幅×奥行き×高さ)、重量は130g。電源はACアダプタを利用する。
国内で発売されているMiracast関連製品はスマートフォンなどが送信側になり、単品販売されているものは、スマホ映像を受信してHDMIなどで出力するレシーバーがほとんど。BT-200AVは、送信/受信の双方を備えていることが特徴となる。ただし、現時点では単品発売の予定は無いとのこと。
発表会の模様については別記事で紹介している。