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パナソニック、第3四半期累計で過去最高の純利益2,430億円

'13年度第3四半期決算。TVなど赤字事業が着実に改善

パナソニック 河井英明常務取締役

 パナソニックは、2013年度第3四半期(2013年4月〜12月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比4.4%増の5兆6,798億円、営業利益は115.8%増の2,631億円、税引前利益は前年同期の2,693億円の赤字から黒字転換し、3,070億円、当期純利益は6,238億円の赤字から、2,430億円の黒字に転換した。第3四半期累計での当期純利益は過去最高となった。

 また、第3四半期単独(2013年10月〜12月)業績は、売上高が前年同期比9.6%増の1兆9,735億円、営業利益は約2.3倍の1,166億円、税引前利益は前年同期の約10倍となる996億円、当期純利益は20.0%増の737億円となった。

 パナソニックの河井英明常務取締役は、「中期経営計画におけるテーマである赤字事業の改善が着実に進展したことなどにより、営業利益が前年から大きく増加。とくにテレビ・パネル、小型二次電池などの改善が大きく寄与。第3四半期では、回路基盤事業の縮小、半導体の再編など、課題事業の抜本的改革を着実に実行している。また、全社をあげた固定費削減、合理化の推進を実現した。また、事業構造の転換が着実に進捗しており、住宅・車載関連は収益を伴って順調に売上高が拡大。デジタルコンシューマ関連事業は収益重視の展開により売上高が縮小した」と総括した。

第3四半期決算のポイント
第3四半期(3カ月)連結決算の概要
第3四半期(累計)連結決算の概要
第3四半期営業利益分析
セグメントごとの第3四半期営業利益分析
第3四半期主要商品別売上高分析(前年比)

 2013年度第3四半期単独での地域別売上高は、円ベースで、国内が6%増の9,703億円。海外では、米州が11%増の2,999億円、欧州が20%増の2,144億円、中国が18%増の2,571億円、アジアが7%増の2,318億円。海外全体では13%増の1兆32億円となった。だが、海外は現地通貨ベースではすべての地域で前年割れとなっている。

各セグメント前年超え。AVCネットワークスとテレビが黒字化

セグメント別実績

 セグメント別では、第3四半期単独ですべての領域で前年実績を上回ったという。

 AVCネットワークスの売上高が前年比7%増の4,137億円、営業利益は210億円増の101億円と黒字転換。製販連結では、売上高は6%増の4,967億円、営業損失は前年同期の188億円の赤字から、117億円の黒字に転換した。

 「事業構造改革に伴う、BtoC事業の売り上げ減を、BtoB事業の増販と円安効果でカバーしたほか、テレビ・パネル、携帯電話事業における事業構造改革の効果、流通部門における固定費削減効果が寄与した」という。

 テレビ事業部の売上高は前年同期比12%減の873億円、営業利益は75億円増の1億円の黒字となった。テレビ・パネル事業の連結収支では、前年同期の255億円の赤字からは改善したものの、マイナス81億円の赤字となっている。

 「パネル事業では非テレビ用途への展開、固定費削減、セット事業における不採算製品の絞り込みや合理化推進、流通部門における固定費削減効果が貢献している」としたものの、「テレビ事業は今年しっかりと改善することが目標だが、若干進捗が遅れている。第4四半期以降には、徹底した事業構造をやっていく。来年度は利益が出る形にしていきたい。いずれの課題事業も、2014年度には黒字化する」とした。

 なお、今期の決算では、プラズマと液晶の数字は公表しない。また、プラズマの終息があるものの、不採算機種の絞込みや合理化の推進で、今年度のテレビの出荷計画である1,150万台の変更の予定はないとしている。

AVCネットワークスのセグメント別実績
テレビやパネル、携帯電話など課題事業の実績
セミコンダクター、二次電池などの課題事業の実績

 携帯電話事業を担当するパナソニックモバイルコミュニケーションズの売上高は前年同期比40%減の106億円、営業利益は41億円の赤字から、11億円の黒字へと転換。「売上高では、BtoC向けのスマートフォンの新製品開発を休止したことが影響したが、固定費削減により営業利益は黒字転換した」という。

 なお、レッツノートなどのPC事業を担当するITプロダクツ事業部は、前年同期比24%増の268億円となったほか、デジタルカメラを担当するDSC事業部は、売上高は11%増の225億円となった。

アプライアンスのセグメント別実績

 アプライアンスの売上高は前年同期比15%増の2,928億円、営業利益は36億円増の98億円。アプライアンスの製販連結では、売上高が15%増の3,964億円、営業利益は8億円増の154億円となった。

 「国内白物家電の需要増などにより、BtoC事業の売上高が好調に推移。また円高による持ち帰り収支の悪化を、増販による利益増、コスト削減でカバーした」という。

エコソリューションズのセグメント別実績

 エコソリューションズは、売上高が10%増の4,756億円、営業利益が78億円増の321億円。「消費税増税前の需要の刈り取りなどにより、エコソリューションズすべての事業部で販売増となったほか、増販による利益増などにより、円安のマイナス影響をカバーした」という。オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、売上高が14%増の6,949億円、営業利益は290億円増の282億円。「自動車生産の好調を背景とするインフォテイメントなどの車載関連事業の販売増が牽引した」という。その他事業では、売上高が3%減の2,014億円、営業利益は72億円増の37億円の黒字となった。

赤字事業撲滅へ

セグメント別の年間業績見通しの修正

 また、2013年度の通期見通しは、2013年10月時点で修正しており、今回は修正を見送っているが、今回、10月修正値をもとにしたセグメント別の修正値を公表した。

 AVCネットワークスの売上高は1,060億円減の1兆5,840億円、営業利益は250億円減の180億円。そのうち、テレビ事業部は、320億円減の2,980億円、営業損失は47億円減の34億円の赤字へと下方修正した。パナソニックモバイルコミュニケーションズは売上高は439億円減の496億円、営業損失は34億円減のマイナス45億円の赤字とした。

主要課題事業の年間業績見通し修正

 「AVCネットワークスは、BtoB事業は堅調だが、プラズマディスプレイ事業終息や、DSC(デジタルスチルカメラ)の想定以上の市況悪化による減販影響がある。モバイルコミュニケーションズは、新規製品の開発を中止しており、下期は黒字化する」とした。

 アプライアンスは売上高が500億円増の1兆1,709億円、営業利益は211億円減の280億円。エコソリューションズは、売上高が840億円増の1兆7,940億円、営業利益は161億円の865億円、オートモーティブ&インダストリアルシステムズの売上高は1,710億円増の2兆7,110億円、営業利益は96億円減の855億円とした。

 なお、10月時点で発表した通期修正値は、売上高が7兆4,000億円、営業利益は2,700億円、税引前利益は2,100億円、当期純利益は1,000億円としている。

 河井常務取締役は、「各事業それぞれの経営環境を踏まえ、適切な対応をしており、構造改革は着実に進展している。今後も赤字事業の撲滅に向け抜本的改革を進めていく」とした。

(大河原 克行)