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CD再販制度の弾力運用状況をRIAJが公取委に報告。'13年アルバム平均価格は1,880円

 日本レコード協会(RIAJ)は、音楽CDなどにおける再販制度(再販売価格維持制度)の弾力運用と流通改善の状況についてとりまとめ、3月17日に公正取引委員会へ報告書を提出した。この中で、CDの価格を維持する期間の短縮などの取り組みについて説明している。

 著作物であるレコード・新聞・書籍などは、「法定再販物」としてメーカーが小売価格を決定することが認められている。このため、現在はCDなどが全国同一の価格で販売されているが、公正取引委員会は、これらの関係業界に対して再販制度運用の弾力化も要請。消費者利益の向上が図られるよう、非再販商品の発行や流通の拡大、割引制度の導入などの取り組みを求めている。

 レコード業界各社は、1992年4月以降この弾力運用に取り組んでおり、市販されるすべての音楽用CDなどに、発売日から2年間の時限再販制度を導入。また、1998年3月に公取委から要請された下記の6項目にも取り組んでいるという。

  1. 時限再販・部分再販等再販制度の運用の弾力化
  2. 各種の割引制度の導入等価格設定の多様化
  3. 再販制度の利用・態様についての発行者の自主性の確保
  4. サービス券の提供等小売業者の消費者に対する販売促進手段の確保
  5. 通信販売、直販等流通ルートの多様化及びこれに対応した価格設定の多様化
  6. 円滑・合理的な流通を図るための取引関係の明確化・透明化その他取引慣行上の弊害の是正

 CDなどが発売されて一定の期間後に値引き販売が可能になる「時限再販」は、'98年までは2年間だったが、同11月以降は1年または6カ月に短縮。'13年末時点で、レコード協会の会員メーカーのうち90%以上が、洋楽シングル/アルバムの再販期間を6カ月に設定している。

再販期間別会社数(2013年12月末時点。カッコ内は前年)
再販期間 邦楽シングル 邦楽アルバム 洋楽シングル 洋楽アルバム
〜6カ月 31(30) 28(27) 34(33) 32(31)
1年 5(5) 8(8) 2(2) 4(4)
36(35) 36(35) 36(35) 36(35)

 また、RIAJは「1998年以降、大手レコード店をはじめ地域専門店において、値引き販売が実施されている。なお、レコードメーカーは、営業施策の一環として販売店と協力し柔軟に対応しており、時限再販期間経過後商品の店頭値引きセールは恒常化した」と説明している。

CD+DVDセット販売などで、アルバム平均価格は1,880円に微増

  2013年の全CD新譜は16,528タイトルで前年(15,076)より増加。CD+DVDのセット(DVDビデオは再販対象外)は2,006タイトル(前年2,083)、非再販CDは1,201タイトル(同1,951)にそれぞれ減少した。2013年に発売され、正味出荷枚数が100万枚を超えた「ミリオン認定作品」は5タイトル(同9)で、いずれもCD+DVDの形態で発売されている。ミリオン認定作品は、AKB48の「さよならクロール」、「So long!」、「恋するフォーチュンクッキー」、「ハート・エレキ」、「鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」。

 2004年6月の第4回著作物再販協議会において、公取委は「最近、音楽用CDとDVDビデオなど、再販対象商品と非対象商品がセットで売られるものがみられるが、非対象商品を含めて再販契約の対象とすることは原則として独占禁止法上問題」と指摘。これについてはRIAJが加盟各社に対し、関係取引先を含めた周知徹底と適切な対処を要請。「各社は、当該商品が非再販商品であることを理解し、現在も適切な表示を行なっている」という。

 レコード業界が年1回行なっている「廃盤セール」は、2001年度からはそれまでの即売会方式からインターネット利用の販売に変更。2014年1月には約1,500タイトル、総数約36,000枚が出品され、廃盤商品は発売時定価の70%引き、時限再販期間経過商品は発売時定価の25%引きで販売された。

12cm CDアルバムの税込小売価格の推移。生産金額(一般市販)÷仕切率73%÷数量+消費税(消費税は1997年4月から3→5%)

 価格表示の方法については、2003年の消費税法改正により総額表示に改められたが、2013年10月の消費税転嫁対策特別措置法で、2017年3月末まで暫定的に税抜価格表示が可能となったことを受け、2013年12月より順次、税抜表示への移行を開始している。

 2013年のアルバム年間平均小売価格は1,880円で、前年の1,872円より8円増加した。主な理由としては、CD+DVD商品など高付加価値商品のタイトル数が年々増加しており、Blu-ray付きのCDも発売されていることを挙げている。なお、2001年の2,399円と比べると約22%の減少となる。

 そのほか、インターネットを利用した音楽用CDなどの通信販売事業を積極的に展開している点や、2013年の有料音楽配信の販売金額が約417億円で、2012年の約543億円より減少したことなどを報告している。

(中林暁)