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「AnimeJapan 2014」開幕。実物大レイバー、ラブライブ! 部室再現など。4月以降の新アニメ情報も
(2014/3/23 00:00)
日本のアニメ産業や関連産業の発展と振興を目的としたイベント「AnimeJapan 2014」が、3月22日(土)、23日(日)の2日間、東京ビッグサイトで開催。入場券は、大人(中学生以上)各日1,500円、小学生以下は各日800円。ステージ観覧抽選応募権付きのチケットは一律各日1,500円。
これまで毎年3月に開催されていた、東京国際アニメフェア(TAF)と、アニメ コンテンツ エキスポ(ACE)が合流した形で、今年から新たに開催されたもの。2010年12月15日に東京都議会で可決された「東京都青少年健全育成条例改正」に反対する角川書店やアニプレックスなど8社が、東京都が参加しているアニメフェアへの出展を取りやめ。別イベントのアニメ コンテンツ エキスポをアニメフェアと同時期に開催してきたが、今後は「AnimeJapan」に統合され、「国内外アニメファン、国内外ライセンシー・バイヤー等、すべてに向け意義ある世界最大級のイベントを目指す」と掲げられている。
初日となる22日、会場には朝から多数のアニメファンが集まり、場内で写真を撮っていると人波に流されて別のコーナーまで運ばれてしまうほどの混雑ぶり。2つのイベントが統合された事もあり、物販コーナーへの入場列が2時間待ちなどのブースも見られた。
ここでは新作アニメの情報を中心に、会場の注目展示をレポートする。
東北新社
会場で最も注目を集めていたのは、「THE NEXTGENERATION パトレイバー」のコーナー。同作品では、劇中に登場するレイバー・イングラムの実物大を撮影用に製作した事が話題となっているが、その実物大イングラムと、イングラム搭載車両(レイバーキャリア/全長15×幅5m)が一般向けに初披露された。
キャリアに横たわったままの状態だが、前に立つとそのサイズに圧倒される。パトレイバーは、作業機械として発展したレイバーを使った犯罪を取り締まる存在であるため、通常のロボットアニメに登場するロボットと比べ、良い意味で無骨でリアリティのあるデザインが特徴だ。それゆえ、実物大になっても“本物っぽさ”が漂っており、単純に“巨大な模型を作った”という展示とは一味違う硬派さが魅力だ。
上からイングラムを見るためのスロープも作られている。隣に置かれた指揮車も、レイバーに負けないディテールの細かさだ。
既報の通り、「THE NEXTGENERATION パトレイバー」は'88年以降、コミックやテレビアニメ、アニメ映画、小説などのメディアミックス展開を行ない、人気を集めた「機動警察パトレイバー」をベースとした実写映画で、完全オリジナル新作として押井守総監督の下、総製作費22億円をかけた実写プロジェクト。
全7章で劇場上映され、既報の通り、4月26日から順次BD/DVD化されるほか、2015年のゴールデンウイークに、長編作品の劇場公開も予定されている。
アニプレックス
場内でも一際多数の新番組を紹介していたのがアニプレックスブース。ノイタミナ枠などで放送される今後の作品がアピールされている。
2014年7月から放送されるのは、「カウボーイビバップ」や「サムライチャンプルー」などを手掛けた渡辺信一郎監督、音楽に「カウボーイビバップ」や「マクロス F」の菅野よう子を迎えた、「残響のテロル」という作品。
東京を襲った大規模な爆弾テロ。平穏な国を眠りから覚ました事件の犯人は、ふたりの少年。“スピンクス”と名乗る犯人たちの、 日本中を巻き込んだ壮大なゲームを描いた作品になるという。
月刊少年マガジンで連載中「四月は君の嘘」のTVアニメ化も決定。2014年10月から、フジテレビ“ノイタミナ”などで放送される。母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった元天才少年・有馬公生が、一人のヴァイオリニストと出逢い、前に進んで行く物語。第37回講談社漫画賞を受賞した作品でもある。
ファンタジア文庫のライトノベル「冴えない彼女の育てかた」もテレビアニメ化。2015年1月から、フジテレビ“ノイタミナ”枠で放送開始予定。原作は「WHITE ALBUM2」や「世界でいちばん NG な恋」などのゲームシナリオで人気を集める丸戸史明のライトノベルデビュー作。
ディープなオタクの主人公が、目立たない少女をヒロインにふさわしいキャラとしてプロデュースしつつ、彼女をモデルにしたギャルゲーを製作するまでを描く作品……になる予定(?)。
アニメ「蟲師 続章」は、4月4日からTOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、ABC 朝日放送、BS11にて放送開始される。“蟲”とは、昆虫ではなく、生命よりも命の根源に近いもの。生と死、物と者、陰と陽、そうした様々な境目に存在する謎多きもので、普通の人間の目には見えないが、そのバランスが崩れると、時折人間や自然に異変を与えるという。
“蟲師”は、その“蟲”を見ることができる特殊な能力を備えた者のことで、蟲の研究者であり、悪い影響を及ぼす場合には蟲を退治する者でもある。そんな蟲師であるギンコの旅を描いた物語。完成度の高いストーリーと、染み入るような映像&音楽で高い評価を得ている。
ブースでは、ギンコが背負う、商売道具が詰まった木箱が展示され、多くのファンが撮影していた。なお、放送開始に先立ち、22日には会場内の「半世紀シアター」にて、1話の先行上映が実施。主人公・ギンコ役の中野裕斗によるトークショーも開催された。
まどか☆マギカなどで知られる虚淵玄氏がストーリー原案、「喰霊-零-」や「Fate/Zero」などのあおきえい氏が監督を務める、ロボットアニメ「アルドノア・ゼロ」も発表された。ブース内でプロモーションビデオも上映。テレビアニメとして、2014年7月から放送予定だ。
dアニメストアでノイタミナ34作品一挙配信
既報の通り、NTTドコモが提供しているスマートフォン向けの定額制映像配信サービス「dビデオ powered by BeeTV」と、アニメ見放題サービス「dアニメストア」が4月1日からキャリアフリー化され、ドコモ以外のスマートフォンからも利用できるようになる。
そんなdアニメストアも、AnimeJapan 2014にブースを出展。新たに、フジテレビなどで放送している「ノイタミナ」枠の34作品を一挙配信開始する事が明らかになった。作品は、「図書館戦争」、「東のエデン」、「四畳半神話大系」、「海月姫」、「うさぎドロップ」、「のだめカンタービレ」、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」、「PSYCHO-PASS サイコパス」、「ROBOTICS;NOTES」など。
ブースではこれらの作品紹介に加え、公式Twitterをフォローすると大型ガチャで特製缶バッチがもれなく当たる企画なども実施している。
なお、ノイタミナ関連の話題として、フジテレビジョンが展開するビデオオンデマンドサービス「フジテレビオンデマンド」において、ノイタミナ枠が10年目を迎えたことを記念し、「ノイタミナ月額見放題コース」も21日からスタートした。価格は367円。
過去作品40作以上が見放題となるほか、4月からスタートする卓球青春アニメ「ピンポン」や、アドベンチャーアニメ「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」も地上波での放送翌日から期間限定で視聴できる。
さらに、「10thスペシャルアニメーション」として、Web限定で「ポレットのイス」という短編アニメの配信もスタートした。少女「ポレット」と彼女の遊び相手の「椅子」を通して10年の経過をつづった物語。学生時代に制作した自主制作短編「フミコの告白」が話題となり、2013年に短編「陽なたのアオシグレ」で劇場監督デビューした石田祐康と、同映画でキャラクターデザインを務めた新井陽次郎が手がけたもの。
バンダイナムコ
20日に詳細が発表されたばかりの、「機動戦士ガンダム」35周年プロジェクト作品のキービジュアルやPVを展示。来場者の関心を集めているバンダイナムコグループのブース。既報の通り、富野由悠季監督による新シリーズ「ガンダム Gのレコンギスタ」が2014年秋公開、安彦良和による同名コミックをアニメ化する「機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 碧い瞳のキャスバル」が2015年春にイベント上映される予定だ。
2014年にテレビ放送が予定されている「さばげぶっ!」は、その名の通り、エアガンなどで撃ちあうサバイバルゲーム部を舞台にしたアニメだ。ただし、サバゲに打ち込むのは、女子高生達。
主人公・園川モモカは転校してきた梧桐学園高校でなぜかサバゲ部に入部する事に。部員は部長の鳳美煌を筆頭に、一癖も二癖もあるメンバーばかり。サバゲの楽しさと共に、満載のギャグにも注目だ。 「ゆるゆり」、「恋愛ラボ」の太田雅彦監督とシリーズ構成・あおしまたかし氏のタッグによる最新作でもある。
また、テレビ放送やBD化も大盛況だったテレビアニメ「翠星(すいせい)のガルガンティア」の新展開も予告。新作OVA「翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~」が前後編で展開。前編が2014年秋にイベント上映される事が決定した。ブースにはこの情報と共に、フィギュアなども展示されている。
2011年4月に放送されたテレビアニメ「TIGER & BUNNY」。その劇場版第2弾となる、「劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-」が、7月4日にBlu-ray/DVD化される。価格はBDの初回限定版が9,504円、通常版が5,184円、DVDの初回限定版が8,424円、通常版が4,104円。テレビシリーズの“その後”を描くもので、女神伝説になぞらえた謎の事件に、ヒーロー達が立ち向かう。
NBCユニバーサル・エンターテイメント
NBCユニバーサル・エンターテイメントのブースでは、4月から放送を開始する新作「ブラック・ブレッド」と、「ご注文はうさぎですか?」をメインに紹介。
異形の寄生生物に襲われ、モノリスに覆われた狭いエリアの中で隠れて暮らすようになった人類。その中で、異形と戦う少年少女達の物語が「ブラック・ブレッド」。ハードでダークな世界観と、激しいアクションが見どころ。
「ご注文はうさぎですか?」は、喫茶店ラビットハウスを舞台に、可愛い女の子5人と、常連客や友人、家族らが繰り広げる日常を描いたアニメ。
また、ブース内で配られているアニメガイド冊子の中で、2012年1月からテレビ放送された人気作「あの夏で待ってる」のBD-BOX発売が告知されている。今年の夏に発売予定で、全12話を収録するだけでなく、新作のOVAが1話、さらに豪華特典も収録するという。ファンには見逃せないニュースだ。
角川書店/メディアファクトリー
昨年の7月から放送され、可愛らしいキャラクター達と、ゆるふわな物語で人気を集めた国際交流アニメ「きんいろモザイク」。その続編制作が決定した。詳細はまだ明らかにされていないが、5月にはオープニング/エンディングを歌う声優ユニットRhodanthe*のスペシャル・ライブ開催も決定。Anime Japanの会場では、続編制作とライブ掲載決定記念ポストカードも配布されている。今後の動向に要注目だ。
また、エンターブレイン発行の新漫画誌「ハルタ」にて連載されているSFロボット作品「健全ロボ ダイミダラー」が4月からテレビアニメ化される。
突如として地球に現れた謎の生命体ペンギンを倒すため、巨大ロボが奮戦する物語だが、パイロットである真玉橋孝一(まだんばしこういち)は、熱血パワーで戦う……のではなく、女の子にエッチな行為をして“Hi-ERo粒子”を蓄積しなければ戦えないという凄い設定。孝一は出撃のたび、パイロットのパートナーである哀れな美女・楚南恭子(そなん きょうこ)の胸を揉みつつ戦うのであった!!!
スタッフはお色気要素満載の「ハイスクールD×D」を手掛けた面々で、放送前からその暴走ぶりに注目が集まっている。
さらに、爆発的な人気を集めるゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」も、2014年にテレビアニメ化予定。会場ではアニメ版のキャラクタービジュアルが公開され、多くの人が撮影していた。なお、8月3日にはパシフィコ横浜で、初のオフィシャルファンイベント「第一回横浜観艦式予行」も開催予定だ。
ブレイドアンドソウル
4月から放送が開始されるアニメ「ブレイドアンドソウル」は、一撃必殺の技を武器に、鮮やかに敵を倒す女剣士アルカの旅を描いた作品。師匠を殺された仇討ちの旅だが、3人の女傑をはじめ、様々な出会いと別れが待ち受けている。ビジュアルの通り、セクシーなキャラクター達によるアクションが見どころだ。ブースにもセクシーな衣装を身にまとったコンパニオンが登場した。
このアニメ、原作はNCSOFTのPC向けオンラインRPG。打撃感やスピード感を持ち味としたゲームで、制作構想7年、制作費に総額50億円という大作。5月16日からオープントライアルがスタートし、国内サービスは5月20日を予定している(月額課金制、アイテム課金あり)。ゲームの魅力がどのようにアニメで表現されるか、両作品の連携などはあるのか? アニメだけでなくゲームの方にも注目だ。
その他
「楽園追放」は、虚淵玄氏が脚本、水島精二氏が監督を務め、グラフィニカがアニメ制作を担当するSFロボットアクション。3DCGを活用したもので、丸っこいフォルムが特徴のスーツ・アーハンを武器に、捜査官アンジェラがド派手なバトルを繰り広げるプロモーション映像がブースで公開された。今年の11月15日に劇場上映が予定されている。
2012年に、峰不二子を主人公としたテレビシリーズ「LUPIN the third ~峰不二子という女~」が放送され話題となったが、同じくルパン三世からのスピンオフシリーズとして「次元大介の墓標」という作品の制作が決定した。
「週刊ヤングジャンプ」で連載中「東京喰種 トーキョーグール」のTVアニメ化が決定。2014年夏の放送開始が予定されている。
人を喰らう怪人“喰種(グール)”が徘徊する東京。日常に隠れて生きる、正体が謎に包まれた喰種の脅威に、人々は恐れを感じ始めていた。読書好きの平凡な大学生・カネキは、通い詰める喫茶店「あんていく」にて、自分の好きな作家・高槻泉の小説を愛読する少女・リゼと出会う。それが自分の運命を大きく変えることになるとは知らずに……。
監督は「FREEDOM」などの森田修平。シリーズ構成・脚本は劇作家・演出家の御笠ノ忠次。アニメ制作はstudioぴえろが担当する。
ブースではプロモーションビデオを初公開しているほか、オリジナルノベルティが配布されている。
4月から放送されるアニメ「ハイキュー!!」は、「週刊少年ジャンプ」で連載中、古舘春一原作の同名コミックが原作だ。バレーボールを題材としており、ふとしたきっかけでバレーボールに魅せられた少年・日向翔陽が主人公。
部員がいない逆風にも負けず、やっとの思いで出場した中学最初で最後の公式戦で、日向のチームは「コート上の王様」と異名をとる天才プレーヤー、影山飛雄に惨敗。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩いた日向だが、何とそこにはにっくきライバル、影山の姿が……!?
ブース内では、新キービジュアルやプロモーションビデオなどが楽しめるほか、ユニホームやボールなども展示されている。
日本テレビほかで、2014年に放送が予定されている「ばらかもん」。原作は、「ガンガンONLINE」にて掲載されている同名コミックだ。
書道界の重鎮を殴った罰として、日本西端の島で一人暮らしを始めることになった、若きイケメン書道家・半田清舟。都会育ちで神経質な彼は、自由奔放で個性豊かな島民達に引っ張り回され、慣れない田舎暮らしの洗礼を受けるが、書道家として、そして人として少しずつ成長していくという物語。
アフタヌーンにて連載された、岩明均のコミック「寄生獣」。累計発行部数は1,100万部を突破し、連載終了から約20年経つ今でも根強い人気を誇る作品だが、そのテレビアニメ化が決定。2014年に放送予定だという。さらに実写映画化も決定。2014年12月と2015年に、2部作として公開が予定されている。
ある夜、空から無数の正体不明の生物が飛来。それは人間の脳に寄生して全身を支配し、他の人間を捕食するという寄生生物であった。ひょんなことから脳ではなく右手に宿ってしまった寄生生物「ミギー」と共に平凡な高校生・泉新一が辿る数奇な運命が展開する。