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幻のSFレスキューアニメ「科学救助隊テクノボイジャー」初DVD-BOX化。TV未放送話も収録

 1982年に放送されたテレビアニメ「科学救助隊テクノボイジャー」が初DVD-BOX化される。発売日は8月27日、価格は25,000円。発売・販売元はバンダイビジュアル。

科学救助隊テクノボイジャー
※ジャケットとは異なります
(c)東北新社

 チーフディレクターに長谷川康雄(超時空騎団サザンクロス)、監修に石黒昇(超時空要塞マクロス)、文芸担当に園田英樹(超者ライディーン)、SF考証に鹿野司(宇宙戦艦ヤマト2199)、メカニックデザインに青井邦夫(天空戦記シュラト 創世への暗闘)、音楽に羽田健太郎(超時空要塞マクロス)など、豪華なスタッフが手がけたSFレスキュードラマ。

 人間だけでなく動物の生命も重んじるヒューマニズムに溢れたドラマと、テクノボイジャー隊員の災害に立ち向かう勇気ある姿、1号から17号まで用意された多彩なレスキューメカの活躍が見どころ。放送開始から32年が経過しているが、再放送もほとんど行なわれていないため、幻の作品となっていた。日本語音声版は初の映像商品化となる。

タイトル仕様音声品番価格
科学救助隊テクノボイジャー
DVD-BOX
片面2層×4枚
本編459分
特典190分
4:3
ドルビーデジタルモノラルBCBA-462725,000円

 片面2層ディスク4枚組で、全24話を収録。'82年当時未放送だった第19~24話も収録しているのが特徴。この未放送話は特典ディスクに収録されている。

 特典ディスクにはさらに、放送前にセールス用に作成されたパイロットフィルムをテレシネし、復刻版として収録(音声無し)。輸送船XL15の落下事故が巻き起こした事故にテクノボイジャーが立ち向かうもので、世界観や登場人物の設定は共通しているが、キャラクターとメカニックのデザインが異なる。脚本を松崎健一、演出を原田益次、レイアウトを宇田川一彦と金田伊功、メカニックデザインを宮武一貴、作画監督を岡迫亘弘、メカニック作画監督を渡辺浩と、豪華なスタッフが担当している。

 また、新たにフィルムが見つかった、'82年未放送版よりも前に制作された第24話「海王星の試練」のβ版も収録。'82年未放送版とは作画、効果音などが異なる。

 他にも、放送告知CM、ノンスーパーオープニング/エンディング、16ページの特製ブックレットも同梱。BOXとジャケット、レーベルのイラストは全て越智一裕による新規描き下ろしとなる。

あらすじ

 西暦2066年、人類は兼ねてからの念願であった世界連邦を形成した。そこには、人々が望んでいた平和な生活があった。しかし、頂点に達した科学技術は、時として想像を絶した事故をもたらし、科学犯罪も大型化して、新たな脅威を作りつつあった。

 そうした中で世界連邦は、地球の平和と安全を守るため、テクノロジーの粋を集めた、科学救助隊テクノボイジャーを編成した。この物語は、そこに働く5人の若者の活躍を描いたものである。

(c)東北新社
(c)東北新社
(c)東北新社

スタッフ&著名人から応援メッセージ

 DVD-BOX化を応援するメッセージが、当時の制作スタッフや、作品を愛する著名人から寄せられている。

制作スタッフ:文芸担当 園田英樹氏

 DVD-BOX発売、すごく嬉しいです。自分の青春時代が甦るようです。あのとき自分が生きていた証のような気さえします。頭のなかで主題歌がリフレインしています。1982年の作品が、今見ても新鮮です。

 僕にとっては初めて関わるテレビアニメシリーズだったので、特別な思いがありました。演劇畑から映像脚本の世界に飛び込み、いきなり大御所の脚本家のみなさんの仕事に触れることができて、すべてが勉強の毎日でした。企画から脚本作りに一から関わることができたのが最大の経験になりました。

 放送前に、ホテルの火災事件が起きたのですが、その前夜までそのホテルに泊まってプロデューサーたちと企画会議をしていたのを覚えています。あと1日会議が伸びていたら、まさに僕たちも救助隊を待つことになっていたのかもしれません。さすがテクノボイジャーの企画者たちは、運良く難を逃れたのでした。これは本当の話です。

 当時の制作会社など、すべて無くなっていることを思うと、テクノボイジャーという作品があったということが、こういう形で残ることになったのは、すべてはファンのみなさんの熱い気持ちのおかげだと思っています。ありがとうございました。テクノボイジャーがもしアニメで復活することになったら、ぜひ脚本を書かせていただきたいです。

制作スタッフ:メカニックデザイン 青井邦夫

 本作は色々紆余曲折もあった作品ですが、日本では珍しいメカを中心としSF性を重視したアニメでした。個人的には商品化を念頭に置いたデザイン作業において超合金の神様である村上克司さんとご一緒にお仕事出来たことが深く印象に残っています。石黒昇さんが手がけた「恐怖のSOS細胞」は、美樹本晴彦氏も参加していたのを覚えています。是非この機会に改めてチェックしていただきたいです。

作品を愛する著名人からの応援:漫画家 麻宮騎亜

 人命救助を第一の目的として、多種多様のメカニックで遂行する若者の物語。特にお気に入りなのは、そのメカニックの個性とデザイン。ある種、メカニックは登場人物よりも主役になりうるということを実証してくれたであろうテクノボイジャー。DVD-BOX化は、嬉しい以外の感想はないです!

 当時学生で、放映前にアニメ誌に載ったそのメカニックの設定の数々に心躍らせました。このメカたちの活躍が毎週見れるのか! と。そして主題歌のかっこよさ。今でもよく聞きます。発進シークエンスからもう燃え上がること必至のTBナンバーのメカ達! そして主題歌をまた目にできる幸せを共有しましょう!

作品を愛する著名人からの応援:西村誠芳(機動新世紀ガンダムXではキャラクターデザイン担当)

西村氏からの応援イラスト
(c)東北新社

 基本は災害や人命救助、そして近未来を舞台にした故のSF的ギミックや災害シチュエーション。本放送当時、惹かれていたのはそこでした。

 好きなエピソードは「天駆けるエアポート」と「還ってきたスペースシップ」。前者はスケールの大きい災害シチュエーションとタイムリミットサスペンスが魅力的、後者は数十年ぶりに帰還した宇宙飛行士物語、そしてその幕の閉め方が大好きです。

 それと羽田健太郎さんの手がける壮大な音楽もまた魅力の一つ!

 やっとテクノボイジャーのメンバーに数十年ぶりに再会できる…。DVD-BOXの発売に喜びを隠せません。

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DVD-BOX

(山崎健太郎)