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Apple、写真・動画共有強化の「iOS 8」を秋に公開。API対応強化で家電連携も

 米Appleは現地時間の2日、iOS 8を発表した。対応デバイス間で写真や映像の共有を強化する「iCloud Photo Library」などが特徴。今年の秋に提供する予定で、対応デバイスはiPhone 4S/5/5c/5s、第5世代iPod touch、iPad 2、iPad Retinaディスプレイ、iPad Air、iPad mini、iPad miniRetinaディスプレイモデル。

iOS 8をインストールしたiPhone
「iCloud Photo Library」。編集した写真もすぐに他のデバイスに反映される

 写真や映像に関しての新機能として、「iCloud Photo Library」を用意。iCloud対応デバイスであれば、同じ写真や映像にどこからでもアクセスできるもので、それらを再生・表示するだけでなく、編集ツールでフォトレタッチし、明るさや色合いなどを調整した場合、その結果が別のデバイスにもすぐに反映される。iPhoneやiPadで編集し、MacやWindowsパソコンでさらに編集するといった事も可能。「iCloud Photo Library」の使用可能領域は、iCloudのストレージと共有で、最初の5GBまで無料で利用できる。

 なお、iCloudを介してのプレゼンテーション用ファイル、スプレッドシート、PDFファイル、ドキュメントファイルなどの共有や、複数デバイスを使って編集していく事も可能になる。

 Family Sharing機能も追加。家族で写真やカレンダーを共有できるほか、iBooksやApp Storeでダウンロード購入する場合に、家族として一括して決済をしたり、子供がコンテンツを購入する際に親が許可をしてから購入が可能になったり、子供が親に購入してくれるよう依頼する機能なども用意。家族のデバイスの位置を知る事も可能。Apple IDで家族として参加する形式で、子供のためのApple IDを作成する事もできる。

左端が「Tap to Talk」機能の画面

 SMSの「Messages」アプリも強化。スクリーンをタップし、音声メッセージや映像を撮影、そのままメッセージに添付して送信できる「Tap to Talk」機能が追加される。文字入力では、QuickTypeと呼ばれるユーザーに合わせた予測入力機能を搭載、

 エンタープライズ向けの機能も強化され、企業で利用する場合のメールやスケジュール管理の設定なども改善されている。

4,000以上のAPIをサポート。家電との連携や健康管理アプリも進化

 iOS 8では4,000以上のAPI(Application Programming Interface)を新たにサポート。

 HealthKitのAPIを使い、例えば「Nike +」アプリの場合、ユーザーごとのカスタムプロファイルを構築、運動能力をアップさせるために必要な睡眠や栄養などについて、他のHealthKit関連のデータを取り込み、利用できるようになる。

 ホームオートメーションとの連携を可能にするHomeKitも用意。照明などの家電、ドアのロック、ガレージの開閉などをiOS機器から制御する事も可能になる。例えば、Siriに「もう寝るよ」と話しかけると、照明が暗くなり、ドアがロックされ、ガレージのドアが閉じるといった事も可能になるという。

 より高速に動作する写真関連アプリを開発するための「PhotoKit」、フォーカスのより細かなコントロールや、ホワイトバランス・露出の制御を可能にするカメラ用APIなども追加。サードパーティー製のキーボードとの連携のほか、3Dゲーム開発で描画を最大10倍まで高速化する「Metal」なども提供される。

(山崎健太郎)