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パイオニア、アップデートでDolby Atmos対応する9.2ch AVアンプ「SC-LX58」9月発売

 パイオニアは、ドルビーの新サラウンドフォーマット「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」にファームウェアアップデートで対応できる、AVアンプの新モデル「SC-LX58」を9月上旬に発売する。価格は178,000円。

AVアンプ「SC-LX58」

 アップデートによりDolby Atmosに対応できるAVアンプ。アップデートの時期や方法は後日案内するとしている。Dolby Atmosは、オーディオ信号にハイト(高さ)成分とメタデータ(位置・時間情報)を付加することで、リアルな音の移動を再現し、臨場感のある豊かなサラウンド空間を実現する最新の多次元サラウンドフォーマット。これまで映画館向けに導入を進めてきたが、6月23日(米国時間)にドルビーが民生向け製品におけるDolby Atmos対応の方針を発表。パイオニアを含め、各社がAVアンプでの対応方針を表明している。

 定格出力210W(4Ω)×9chの9.2chアンプ。全チャンネルイコールパワーのクラスD「ダイレクト エナジーHDアンプ」を採用している。半導体チップを基板に直結させた独自構造のパワー素子「Direct Power FET」や、シンプルでクリーンな回路構成などを採用する事で、音質やレスポンスを高めている。さらに、ルビコンと共同開発した高品位なPML MUコンデンサを採用し、透明感と開放感のある音質を実現するという。

 DACには、ESS製の8ch用DACであるSABRE 32bit Ultra DAC「ES9016S」を2基採用、9.2chの全チャンネルに使っている。素子配置や配線の適正化などにより、DACの性能を引き出しているほか、JRCと共同開発した新型オペアンプ「NJM4585」も採用している。

 ネットワークプレーヤー機能や、USBメモリなどに保存した音楽ファイルの再生機能を用意。192kHz/24bitまでのWAV/FLACや、5.6MHzまでのDSDファイル再生に対応。FLAC/WAVのマルチチャンネルファイル(96kHz/24bit 5.1ch)も再生できる。なお、DSD再生に関しては、フロントUSB端子は5.6MHzまで、リア端子は2.8MHzまでの対応となる。AIFF、Apple Losslessの再生も可能で、ハイレゾファイルのギャップレス再生もサポートする。

 なお、音声信号を32bitまで拡張処理する「Hi-bit 32 Audio Processing」も搭載。Apple Lossless、AIFF、FLAC、WAVにも適用できる。

 ネットワーク再生機能はDLNA 1.5に準拠。AirPlayにも対応し、iOS端末内の音楽ファイルをワイヤレス再生する事もできる。MHL 2.0に対応したHDMI入力もフロントに備え、対応するAndroid端末からのフルHD動画、7.1ch音声の再生も可能。インターネットラジオポータルのvTunerも利用できる。無線LAN接続には、別売の無線LANコンバータ「AS-WL300」が必要。

 HDMI端子は8入力(フロント×1、リア×7)、3出力を装備。4K/60p/4:4:4の伝送が可能なHDMI 2.0対応のHDMI端子を備え、4K映像のパススルーや、SD/HD映像の4Kアップスケーリング出力も可能。4K映像やHD映像のノイズを軽減する「トリプルHDノイズリダクション」機能も備えている。なお、HDCP 2.2には対応していない。

 自動音場補正技術「MCACC Pro」により、周波数と音圧レベルに加え、時間軸の要素を加えた音場補正が可能。低域の再現力を向上させる「デュアル サブウーファーEQ補正」も利用できる。全帯域の位相を揃える「フルバンドフェイズコントロール」、マルチチャンネルコンテンツのソースに由来する低音のズレを全自動でリアルタイムに補正する「オートフェイズコントロールプラス」も利用可能。

 「アドバンスド クリーングランド思想」を設計に取り入れ、すべての回路のグランドを1点アースとして安定動作させ、接続機器からのノイズを低減。 デジタル、アナログ、パワー部の電源をそれぞれの特性に合わせて独立させた「アドバンスドインディペンデント・パワーサプライ設計」により、ノイズの発生を抑えたクリアな信号伝達が可能という。

 筺体内ではパワー部とプリ部を独立させたセパレート構造を採用。パワー部は「インシュレーテッド・デュアルシャーシ」(絶縁二重構造)となっている。

 設定や操作をサポートする「AV ナビゲーター」機能も用意。iOS/Android端末向けにコントロールアプリ「iControlAV5」も用意。アプリの「プッシュプレーヤー」機能を使う事で、端末内の音楽コンテンツのワイヤレス再生も行なえる。

 入力端子はHDMI×8、光デジタル音声×2、同軸デジタル音声×2、アナログ音声×3、コンポジット×2、コンポーネント×2。出力は、HDMI×3(同時出力可能)、光デジタル音声×1、アナログ音声×1、9.2chプリアウト×1、コンポジット×1、コンポーネント×1。マルチゾーン出力にも対応している。

 外形寸法は435×441×185mm(幅×奥行き×高さ)、重量は15.4kg。消費電力は330W。待機時消費電力は0.1W(スタンバイ時)、2W(ネットワークスタンバイ時)。

(山崎健太郎)