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ソニー、スマホと連携するレンズ型デジカメに、APS-C&レンズ交換式の「QX1」

 ソニーは、スマートフォンとWi-Fiで接続し、スマートフォンのディスプレイをデジタルカメラのモニタのように活用する「レンズスタイルカメラ」の新機種として、Eマウントを採用したレンズ交換式の「ILCE-QX1」を10月10日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は36,000円前後。

 パワーズームレンズの「SELP1650」(E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS)をセットにしたレンズキット「ILCE-QX1L」も用意。価格はオープンで、店頭予想価格は51,000円前後。

ILCE-QX1にα用のレンズを取り付け、スマートフォンと固定したところ

 なお、同日発表の光学30倍ズームレンズ搭載で、レンズ交換には対応しない「DSC-QX30」については、別記事で紹介している。既発売のQX10/100やQX30と同様のレンズスタイルカメラだが、ブランドとしてはサイバーショットではなく、αシリーズのモデルと位置づけられている。

APS-Cセンサー搭載、レンズ交換式のILCE-QX1

 「ILCE-QX1」は、Eマウントを採用し、αシリーズ向けのレンズを取り付ける事ができる。撮像素子はAPS-Cサイズで、有効2,010万画素のExmor CMOSセンサーを採用。レンズ交換式ならではの多彩な表現や、明るいレンズでのボケ味、低ノイズの夜景撮影などが可能になるという。

 アタッチメントを介してスマートフォンの背面に取り付け、スマートフォンをデジタルカメラのようにホールドして撮影可能。ただし、大型のレンズを取り付けた場合は、レンズ側が重くなるため、レンズをしっかりとホールドする撮影スタイルになる。

レンズ交換式でAPS-Cの撮像素子を採用した「ILCE-QX1」
「SELP1650」を接続、スマホと固定したところ

 なお、QX1とスマートフォンはWi-Fiで接続しているため、QX1を取り外して自由なアングルで撮影する事もできる。記録メディアもQX1側にあるため、スマートフォンはアングルの確認や操作を担当する形となる。ただし、QX1側にもシャッターボタンは備えている。

 下位モデルとの違いとして、RAW+JPEGでの撮影にも対応。動画撮影もサポートしており、MPEG-4 AVC/H.264のMP4で、1080/30p/約16Mbpsの動画が撮影できる。

 AFはコントラストAFで、測距点数は25点。ロックオンAFも搭載。感度は静止画撮影時で、ISO 100~16000、動画時は100~6400に対応。画像処理エンジンはBIONZ Xで、全画素超解像ズームも利用可能。状況に応じて撮影設定を自動的に変更してくれる「プレミアムおまかせオート」機能も利用可能。

大型のレンズを取り付けた場合、スマホ側をホールドするとバランスが悪いため、レンズを主に支える構え方となる

 QX1側にポップアップ式のフラッシュも搭載。ガイドナンバーは4(ISO100・m)。秒間約3.5コマ/秒の連写も行なえる(速度優先連続撮影時)。

 記録メディアはmicroSD/SDHC/SDXCに対応、メモリースティック マイクロも利用できる。外形寸法は74×52.5×69.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約158g。

「SELP1650」と組み合わせたところ
ポップアップフラッシュも内蔵している

組み合わせるアプリもアップデートで機能強化

 QXシリーズと連携し、撮影操作などが行なえるスマートフォン用アプリ「PlayMemories Mobile」も、新製品の登場に合わせてバージョン5.0にアップデートされた。

 UIが刷新され、ダイヤルのような表示を操作して絞りを変えるなど、片手でも操作しやすいインターフェイスを採用。傾いた写真にならないようにグリッドラインの表示、タッチシャッター機能も追加。カメラ側にGPSは搭載しないが、撮影と同時にスマートフォンへ転送した写真の場合、スマートフォン側の位置情報を元に、画像ファイルにGPS情報を付加する事も可能になる。

 ミラーモードは、カメラとスマホを分離し、自分撮りをする際に、スマホ画面のライブビュー表示が左右反転する機能。自分と恋人の2人を自分撮りするといった場合、カメラを自分側に向けると、スマホのライブビュー表示が人間の感覚と左右が逆になってしまうため、それを元に戻すためのモードとなる。ただし、撮影した画像は正しい向きで保存される。

 グリッドラインやタッチシャッターなども追加。使い勝手も向上。レンズスタイルカメラのメモリーカードに保存された静止画や動画を、アプリから確認でき、削除も可能になる。

 さらにスマホとQXシリーズをNFCでワンタッチ接続した場合の、接続速度も短縮される。接続速度は昨年10月のQX10/100発売以降改善が進められ、今年の4月にPlayMemories Mobile 4.2へのアップデートで約50%短縮されているが、5.0へのアップデートにより、さらに20%短縮される。

 ただし、この短縮はペアリング相手がAndroid 4.4以降がインストールされているXperia、およびXperia Tabletが対象となる。

専用ケースも

QX1用キャリングケース「CLS-QXA」

 QX1用にはキャリングケース「CLS-QXA」も用意。QX1にレンズを取り付けた状態で収納でき、収納対応レンズはSELP1650、SEL16F28、SEL20F28。価格は8,000円。

(山崎健太郎)