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パイオニアのAV事業、オンキヨーと'15年3月めどに統合へ

ホームAVやヘッドフォンなどが対象。ブランドは継続

 パイオニアは12日、AV機器事業を手がけるパイオニアホームエレクトロニクス(PHE)を、オンキヨーと経営統合することで合意したと発表した。統合の時期は2015年3月を目指している。具体的には、パイオニアの「ホームAV」と「電話」、「ヘッドフォン」事業が統合の対象。両社のブランドは継続する。

 パイオニアは6月に、ホームAV事業を見直し、PHEの株式をオンキヨーと投資ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジアへ譲渡することを発表していた。しかし、今回の発表では、パイオニアとオンキヨーの2社のみで統合する形に変更されている。

 2社での統合になることについては「統合によるシナジーをできるだけ早く実現させる必要性があるものの、事業環境の変化に迅速に対応した戦略的かつ機動的な事業展開を長期的に検討することも重要であることから、事業の当事者であるパイオニアとオンキヨーの2社で本統合を検討していくことが有効と判断した」と説明している。

 パイオニアグループが手がけている、Blu-ray DiscプレーヤーやAVアンプなどを含む「ホームAV」と、「電話」、「ヘッドフォン」が統合の対象。統合に先立ち、パイオニアはこれらの事業をPHEに集約。その後、パイオニアがオンキヨー普通株式の14.95%を取得する予定。詳細は両社による協議の上、決定していく。パイオニアとオンキヨーの各ブランドは継続し、、両社のブランド力や優れた技術など強みとなる経営資源を有効活用することでコスト競争力を向上させ、事業シナジーの最大化を推進するという。

 また、パイオニアは保有するPHEの全株式を、オンキヨーに対して譲渡。PHEとオンキヨーはオンキヨーを存続会社として合併を行なう。パイオニアの対象事業とオンキヨーの生産調達機能は、原則としてオンキヨーのインフラを活用し、海外販売機能のうちバックオフィス機能は原則としてパイオニアのインフラを活用するという。そのほかにも、パイオニアとオンキヨー、PHEで効率化を進めていく。

 統合の具体的な形態は今後検討するとしており、株式取得の概要や、PHE株式譲渡価格についても、両社で協議して決定する。

(中林暁)