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東芝、SeeQVault対応の新レコーダをCEATECに出展
HD画質でSDカード持ち出し。SQV HDDで録画番組を引継
(2014/10/7 20:16)
東芝は7日に開幕したCEATEC JAPAN 2014会場で、次世代著作権保護技術「SeeQVault」対応のBD/HDDレコーダを参考展示した。近日の正式発表を予定している新レコーダで、価格や発売日は未定。
SeeQVaultは、東芝とパナソニック、サムスン電子、ソニーらが共同開発した著作権保護技術。SDメモリーカードのストレージデバイスで利用でき、デジタル放送の番組をHDの解像度のまま持ち出せることなどが特徴。ソニーのワイヤレスポータブルサーバー「WG-C20」や、パナソニックのVIERA/DIGA新モデルなどが発表されているほか、東芝とソニーからSD、microSDカードが発売されているが、東芝レコーダの対応は初となる。
新レコーダでは、前面にSeeQValut(SQV)対応のSDカードスロットを装備。HDDに録画した番組をHD解像度でSQV対応のSDカードやmicroSDカードにダビングして、番組持ち出し可能になる。
内蔵HDDからSQV対応USB HDDへのダビングにも対応。従来のレコーダでのUSB HDD利用とSQV HDDの違いは、録画機器を買い替えた後でも、SQV対応機器と対応HDDの組み合わせであれば番組を引き続き再生できること。
従来のUSB HDDでは、録画機器と紐付いて暗号化されるため、レコーダを変更したり、レコーダが故障すると録画した番組は視聴できなくなってしまう。しかし、SQV対応HDDにダビングした番組はHDDに紐付いて暗号化されるため、録画したレコーダなどが無くても、SQV対応機器で再生できる。ただし、新レコーダでは、SQV対応USB HDDへの直接録画には対応しない。
録画番組をHDDやSDカードにダビングし、HD解像度でパソコンやタブレットで再生するデモも実施。Windows PC向けのプレーヤーソフトも東芝ブースで参考展示。また、SeeQValutのブースでは、ピクセラがAndroidやWindowsのプレーヤーソフトを紹介していた。
TransferJetとSQVの連携で「タッチ&ゲット」
レコーダ以外の活用事例として、近接無線転送技術の「TransferJet」上でSeeQVaultのプロトコル伝送を実現し、実機デモとして紹介している。
TransferJetとSQVをサポートしたレコーダなどに、SQV/TransferJet対応のタブレットやスマートフォンを近づけて、SQVで著作権保護されたプレミアムコンテンツや録画番組をワイヤレスで伝送可能になる。東芝では、この組み合わせで目指す姿を(コンテンツの)「タッチ&ゲット」と表現している。
今回のデモでは、WindowsタブレットからWindowsタブレットへのワイヤレス伝送を披露。1時間のHD番組(約4Mbps)を1分程度で伝送可能なため、DTCPムーブより高速かつシンプルな操作でセキュアなコンテンツ伝送が行なえるとする。将来的にはレコーダにもTransferJetを実装することで、録画番組の持ち出しを容易にするほか、レンタルビデオなどの応用も想定しているという。
また、SQVは利用していないが、ライブ会場で当日収録したライブ映像などを販売する「テイクアウトライブ」へのTransferJetの応用についても紹介している。現在テイクアウトライブでは、QRコードなどを用いて、スマートフォンなどへストリーミング配信するものが多いが、TransferJetを用いてライブ会場などで即座に端末に番組をダウンロードするなどの用途を提案している。
なお、CEATEC JAPAN 2014会場では、SeeQValutのブースも展開しており、東芝のほか、パナソニックやソニー、アイ・オー・データ、デジオンなども新製品を紹介している。SeeQValutブースの模様については別記事で紹介する。