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J.TESORI、360度の音を同時に4chバイノーラル録音するマイク

高音質マイク搭載のハイエンド機も

 J.TESORIは、米3Dioのバイノーラル録音用マイク「Free Space」シリーズの新モデルとして、高性能マイクカプセルを使ったハイエンドモデル「Free Space ProII」と、4つの耳介ペアを備えて360度方向に対して同時に4chの録音ができる「Free Space Omni」を11月20日に直販サイトの耳マイクドットコムで発売する。価格はFree Space ProIIが26万円、Free Space Omniが32万円。

360度方向に対して同時に4chの録音ができる「Free Space Omni」

 バイノーラル録音は、人の頭部を模したダミーヘッドの耳に搭載したマイクで録音。そのサウンドをヘッドフォンで聴く事で、生々しい音の広がりや定位、移動感が体感できるというもの。しかし、録音システムが高価であったり、サイズが大きい、ビデオカメラが搭載できないなどの難点がある。

 3Dioの「Free Space」は、独自技術により、ダミーヘッド型と同等の3D収音性能を、頭部が無くても実現したという。取り回しがよく、片手で持てる可搬性を実現。価格も抑えている。

 今回発売される2機種は、9月発売の「Free Space」の上位機種で、下位モデルのこうした特徴を備えると共に、より高音質でローノイズな録音や、360度カメラと組み合わせた収録などに活用できるのが特徴。

Free Space ProII

 両疑似耳介の耳道に埋め込むマイクとして、DPAの小型マイクカプセル「4060」を採用しているのが特徴。DPA4060の優れたノイズ特性と周波数特性と組み合わせることで、「より繊細で自然なバイノーラル録音を可能とし、デリケートなスタジオ録音に最適。フィールドにおいても、ワイドなダイナミックレンジ特性により、自然音を一切の歪み無くバイノーラル録音できる」としている。

DPAの小型マイクカプセル「4060」と搭載した、Free Space ProII

 外形寸法は190×110×110mm(幅×奥行き×高さ)、重量は735g。出力コネクタはステレオミニ、バランス(XLR)×2(外部ファントム電源対応)など。マウント部はカメラホットシューに対応する(カメラスタンドネジ穴付)。オプションとして、風防(5,000円)やグリップハンドル(5,000円)なども用意する。

Free Space Omni

出力は4ステレオ信号(計8チャンネル)で、ステレオバランス(XLR/5ピン)出力を4つ備えている

 水平90度方向にそれぞれずらして配置した、4つのペアの疑似耳介を搭載。360度方向に対して、同時に4チャンネルのバイノーラル録音が出来るモデルで、「世界初のマルチチャンネル・バイノーラルマイク」とする。

 4方向に設置したマルチカメラと音声の各出力チャンネルを対応させ、カメラの切り替えに合わせて聴く方向も変わるオンデマンド臨場感再生ビデオの制作などが可能になる。

 出力は4ステレオ信号(計8チャンネル)で、ステレオバランス(XLR/5ピン)出力を4つ備えている。サイズはコンパクトで、ビデオカメラとの組み合わせも可能。さらに、オプションで前述の「DPA4060 マイクカプセル」(38万円)を搭載する事もできる。

 外形寸法は197×197×130mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1,640g。別売でグリップハンドル(5,000円)も用意する。

(山崎健太郎)