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4Kテレビやチャレンジ商品で年末商戦に挑むシャープ
(2014/11/18 20:35)
シャープは18日、年末商戦に向けた国内営業についての説明会を開催し、BtoC、エネルギー、BtoBの各領域で販売強化する方針を明らかにした。コンシューマ向けでは3年ぶりにAQUOSのテレビCMを復活させ、4Kテレビの販売を強化するほか、プラズマクラスターイオン搭載製品などに注力する。
シャープ 執行役員 国内営業本部長の宮永良一氏は、「昨年までは構造改革ステージでご心配をおかけしたが、2014年度からは再成長ステージ。収益体質の強化が重要」と述べ、勝てる市場・分野へ経営資源をシフト、自前主義から脱却、アライアンスの積極活用などにより、再生と成長の実現を狙うとした。
シャープの事業においては、コンシューマ向け(BtoC)の比率が高いが、消費税増税で上期があまり振るわず、また下期もやや下振れ傾向で、「思ったより市況が良くない」とした。天候不順や秋の週末の台風直撃などは数字の上でも影響が認められる一方、お茶プレッソなどの特長商品は人気を集めているという。
そのため、景気の影響を受けやすいBtoCだけでなく、BtoBや、エネルギーソリューションの特長ある商品、ソリューションを組み合わせて販売を強化。テレビCMやデジタルサイネージなどのプロモーションも特長製品を強化するという。
宮永氏は、「これまではAQUOSに頼る部分があったが、昨年以降、ヘルシオお茶プレッソ(緑茶から粉末茶を作って淹れることができる緑茶メーカー)のような特長ある製品がでてきた。これは現場からニーズを吸い上げて出てきた商品。モノ余りと言われるが、お茶プレッソだけでなく、(布団クリーナーの)レイコップのような、お客様の目線から出てくる製品が売れている。こうした製品をお客様の接点活動から作っていく」とした。
テレビについては、「4Kテレビはエコポイント以降の低迷から抜け、買い替え需要が来ている。全体の数が伸びているわけではないが、特に50インチ以上が上がっており、4Kは金額的にも(2Kを)逆転している。4Kは本当にお客様に刺激を与えられる製品で年末商戦にも期待している」と述べた。
シャープ 国内営業本部 副本部長 兼 シャープエレクトロニクスマーケティング 代表取締役社長の細尾忠宏氏は、コンシューマ市場の大きなトレンドを、「高齢化社会」、「女性の社会進出」、「世帯数増加」といった「顧客変化」と、「電力ガス自由化」、「通信の自由化」、「高精細度テレビ放送」といった「社会インフラの変化」で説明した。
特に女性の社会進出や独身世帯の増加により、「家事労働の低減」という要素が家電に求められているとし、健康、時短、安心・安全、省エネなどの軸で、生活を変えていく製品を提案していくと述べた。
2世帯以上の家庭の支出金額で2013年に伸びたのは、通信費、自動車、医療控除、電気代の4点。通信費はスマートフォンの伸長によるもので、今後SIMロックフリーの義務化などの変化が予想される。このように、伸びた支出を削減する製品にチャンスがあるとした。
また、地域の販売店と連携した営業活動も強化。ヘルシオお茶プレッソ、コードレスサイクロン、プラズマクラスターイオン発生器などを、新しい暮らしを提案するチャレンジ商品として訴求していく。
チャレンジ製品の代表例として、細尾氏が紹介したのが、天井設置型のトイレ向けのプラズマクラスターイオン発生機「IG-GTA20」。電源部に一般的な電球と同じE26口金形状を採用し、トイレの天井にLEDライトとして設置しながら、プラズマクラスターイオン発生器として動作する。人感センサーにより、トイレへの出入りを感知し、明かりやプラズマクラスターの効果を調整するもの。(かつてのシャープのスローガンである)「目の付け所がシャープ、な製品を出していきたい」とする。