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「スマホ音楽は1日1時間」。大音量リスニングでの聴力低下にWHOが注意喚起

 世界保健機関(WHO)は2月27日(スイス時間)、世界中で約11億人のティーンエイジャーと若年の成人が、スマートフォンなどパーソナルオーディオ機器で長時間に渡り大音量で音楽を聴くことにより、聴力低下の恐れがあるとの見解を発表した。ナイトクラブやバーといった騒音の多い娯楽施設の利用に対しても、聴力にダメージを与えると指摘している。

 WHOによれば、中/高所得国における12〜35歳のうち、50%近くがパーソナルオーディオ機器の使用で有害なレベルの音にさらされているとし、約40%が娯楽施設での騒音により、同様に聴力へのダメージを受けている可能性があるという。“危険なレベルの音量”については、「85dBの場合で8時間、または100dBで15分を超える音を聴くこと」としている。

 WHOのEtienne Krug氏は、「若者が日常生活を楽しもうとすればするほど、より難聴の危険にさらされることになる。聴覚は一度失うと、もう戻ってはこない。簡単な予防をすることで、リスクを負わずに日常生活を楽しめるようになる」と指摘。安全なリスニングのために、適切な「音量」と「周波数」と「リスニング時間」が重要としている。

 対策として、WHOでは職場における騒音の許容レベルを、85dBの場合1日8時間までとすることを勧告。また、ナイトクラブやバー、スポーツイベントなどへよく行く人に対しては、こうした場所で騒音を聴く時間を減らすことを推奨。騒音が100dBで15分を超えないことを目安として提示している。

 特にティーンエイジャーや若年成人に対しては、騒音の多い場所へ行く際は耳栓(earplug)をすることや、パーソナルオーディオ機器からイヤフォンなどで聴く際のボリュームを下げることが好ましいとし、ノイズキャンセリング(NC)対応イヤフォン/ヘッドフォンの利用も勧めている。

 また、短い休憩を取るなどして、パーソナルオーディオを聴く時間を1日1時間未満に抑えることも提案。そのほか、スマートフォンアプリの活用で安全なリスニングレベルを守ることや、定期的に聴覚検診を受けるといったことも、聴力を守る対策として挙げている。さらに、政府や娯楽施設の管理者に対しても、騒音についてより厳しく制限し、対策を用意することなどを求めている。

 「耳の日」である3月3日は、国際的にも「International Ear Care Day」とされ、WHOは毎年「Make Listening Safe」キャンペーンを展開。安全なリスニングを行なうよう訴えている。

(中林暁)