ニュース

リン、ジッタ低減、EXAKT LINK対応も強化した第3世代のDSシリーズを披露

 リンジャパンは、ネットワークオーディオプレーヤーDSシリーズを刷新。第3世代のDSとして、「KLIMAX DS/2」(240万円)、「AKURATE DS/K/2」(日本限定仕様/90万円)、「MAJIK DS/2」(35万円)、「MAJIK DSM/2」(50万円)を発売する。いずれも4月1日発売。

KLIMAX DS/2

 製品の概要は既に発表しているが、27日、都内で発表会を開催。製品の披露&デモを行なったほか、Products Managing Directorのギラード・ティーフェンブルン氏による詳細説明も行なわれた。

 第3世代のラインナップは「KLIMAX DS/2」、「AKURATE DS/K/2」、「MAJIK DS/2」、「MAJIK DSM/2」の4モデル。型番に「DS」とあるモデルは、ハイレゾ対応のネットワークプレーヤー、「DSM」となる「MAJIK DSM/2」は、ネットワークプレーヤー機能にアンプや外部入力も備えたオールインワンタイプのモデルとなる。

AKURATE DS/K/2
MAJIK DS/2
アンプなども搭載したMAJIK DSM/2

 これら4機種に共通する強化ポイントは、リンが推進している「EXAKT」(イグザクト)システムとの親和性が向上した事。EXAKTは、DACやデジタルクロスオーバーなどを内包した「EXAKT ENGINE」とアンプを内蔵したスピーカーを用いる事で、ユニットの直前までデジタル伝送を行なうものだが、新しいDSシリーズにはこのスピーカーと接続するための伝送端子「EXAKT LINK」を備えている。

 DSシリーズと、EXAKT LINK対応のスピーカーはLANケーブルで接続。ネットワークプレーヤーであるDSシリーズからデジタルのまま伝送されたデータを、EXAKT EXAKT ENGINEとアンプでアナログ変換&ドライブし、高品位な再生を可能にしている。同時に、プリアンプやパワーアンプが不要なシンプルなシステムが構築できる。ボリュームコントロール信号はDSシリーズからEXAKT LINK対応スピーカーに送られ、スピーカー側が音量を変更する形となる。

上がKLIMAX DS/2、下が従来モデル。新モデルにはEXAKT LINK端子が搭載されている
AKURATE DS/K/2の背面
MAJIK DS/2の背面
左がMAJIK DSM/2、右が従来モデル。
新モデルではジッタが半減

 EXAKT LINKの追加だけでなく、クロックまわりも進化している。クロック発振素子は、従来からジッタレベルの非常に低いものが採用されているが、その出力も1つのロジック回路を通過するだけでジッタが増加してしまう。原因はロジック回路への給電経路に起因するノイズにあり、新モデルではこれを解決するため、発振器とDACの間に存在する全てのロジック回路を排除した。これにより、基板上実測値でジッタがKLIMAX DSの場合10.34psから5.67psに、AKURATE DSでは11.66psから6.58psへと、それぞれ半減したという。

 DACチップも従来モデルから変更は無いが、新モデルでは新しいレイアウト技術を取り入れる事で、低歪特性を改善。8層の基板も駆使し、立体的な回路レイアウトを採用、基板上の電源ルートも、歪の低減を重視したものになっているという。

 なお、KLIMAXとAKURATEレンジの製品には、アップグレードサービスが用意される。シャーシ、電源、ディスプレイ基板は流用し、オーディオ基板を交換する。取り出した旧型の基板をシンプルな筐体に収める「RENEWサービス」も、アップグレード時の追加オプションとして30万円で用意している。

 アップグレード費用は、KLIMAX DS、KLIMAX DS/KからKLIMAX DS/2にした場合60万円。KLIMAX DSMからKLIMAX DSM/1(EXAKT LINK付)が60万円、AKURATE DS、 AKURATE DS/KからAKURATE DS/K/2が40万円。AKURATE DSMからAKURATE DSM/1(EXAKT LINK付)が40万円。

全DS/DSMシリーズに「Space Optimisation」機能を追加

Space Optimisationを使うと、家庭のリビングなどが理想的なオーディオ環境に変する

 既存モデルから新モデルを含め、全DS/DSMシリーズに「Space Optimisation」という機能が3月17日に追加された(従来モデルはファームウェアアップデートで機能追加)。

 これは、DS/DSMシリーズに搭載しているDSPの演算能力を使い、部屋のサイズ・形状やスピーカーの位置、リスニングポジションを入力することで、低域の歪を低減するもので、EXAKTシステムでも利用されている。

 ボーカルなどに影響を与えてしまう事を避けるため、処理をする周波数帯域を80Hz以下の低音に絞っている。ピークの対極にあるディップには、手を加えず、あくまで自然な音を維持しながら、歪の低減を図っているのが大きな特徴。

 新しい「Space Optimisation」では、9つの距離を入力する事で、より最適な補正が可能になった。スピーカーを設置した高さ、四方の壁の構造、床・天井の構造、窓やドアの有無を選択。より正確な低域の振る舞いをモデリングできるとする。EXAKT LINKの対応スピーカーを持っていなくても、「あなたのシステムにEXAKTのテイストを加えられる」という。

 これに合わせ、Windows/Mac用の設定ソフト「Konfig」もアップデート。設定内容をグラフィカルに表示し、設定の進行がよりリアルに把握できるようになった。

B&WのスピーカーでもSpace Optimisationが利用できる

 なお、Space Optimisationでは、エンクロージャに対するウーファやバスレフポートの位置関係などを把握する必要があるため、対応スピーカー向けの機能となる。第1弾として、リン、B&W、KEF、スペンドール、モニターオーディオといった英国のスピーカー群が対象となり、今後も対応機種は増えていくという。

 一方、スピーカーの「EXAKT SYSTEM」に搭載されていた「Space Optimisation」は、「Space Optimisation+」へと進化。正確性がさらに向上したとする。

他社のスピーカーをEXAKTスピーカーへ

リン以外のメーカーのスピーカーを、EXAKTスピーカーへ変化させる取り組みもスタート

 リン以外のメーカーのスピーカーを、EXAKTスピーカーへ変化させる取り組みもスタートする。既存の「EXAKTBOX」と組み合わせる事で、他社のスピーカーをEXAKTスピーカーのように使う事が可能で、既にマルチアンプ駆動専用スピーカーである、B&Wの「オリジナルノーチラス」が第1弾として対応している。

 さらに第2弾として、B&Wの「802 Diamond」がEXAKTBOX対応となった。スピーカー底のベース部に収まったネットワークをキャンセルするためのマニュアル、3ウェイ・フルマルチアンプ接続をサポートするアダプタをセットにして販売するもので、ユーザー自身によって交換は可能で、元に戻す事もできるという。

 なお、802 Diamondは3ウェイシステムであるため、AKURATE EXAKTBOX、もしくはKLIMAX EXAKTBOX 1台でEXAKTドライブをする形となる。また、別途、ステレオパワーアンプは3台必要となる。

 今後、対応スピーカーは随時増加予定。

“あえて控えめな帯域を処理する”「Space Optimisation」

Products Managing Directorのギラード・ティーフェンブルン氏

 Products Managing Directorのギラード・ティーフェンブルン氏は、DSの第1世代が登場してから8年が経過し、その間の技術的な進化を新モデルに投入した事を解説。ジッタを低減した新機種の利点をアピールするため、KLIMAX DSやMAJIK DSMを使い、旧モデルとの比較試聴を実施した。

 聴き比べると、新モデルでは音の硬さが和らぎ、人の声やギターなどの音が、よりナチュラルなサウンドになった事がわかる。また、理想的なスピーカーセッティングをあえて変更し、一般家庭を意識して左右のスピーカーを近づけて設置。低音がいくらか膨らみ、ブーミーになった状態で「Space Optimisation」をONにすると、低域の膨らみが消え、理想的なセッティングを行なった際の音に近づくデモも実施。

 この「Space Optimisation」機能が、音色などに影響を与えないように80Hz以下の低域にフォーカスして処理を行なう“あえて控えめな機能”である点を協調。「多くの人にこの効果を体験して欲しい」と自信を見せた。

 さらに、スピーカーの「KLIMAX 350」を用いて、通常のアナログ伝送/アンプで増幅したサウンドと、EXAKT LINKで接続したサウンドの聴き比べデモも実施。EXAKT LINKでは、音の鮮度がアップし、音の輪郭や、低域の中の細かな表現がより微細に、生々しく聴こえる事が確認できた。

「KLIMAX 350」を使い、EXAKT LINKの効果を体験するデモも
スピーカー側のEXAKT LINK端子
EXAKT LINK対応のEXAKT AKUDORIK

 ギラード氏は、時代に合わせてファームウェアのアップデートで機能を強化できるDS/DSMシリーズの特徴も紹介。新たに追加された「Space Optimisation」と、EXAKT LINKに投入された「Space Optimisation+」の今後については、「Space OptimisationはDS/DSMのDSPの処理能力をギリギリのところまで使って実現しているので、これ以上は無理させられない。ハードウェアで処理を行なっているSpace Optimisation+の方が、今後の“伸びしろ”がある」と説明した。

(山崎健太郎)